『Dystopia 25』 ~楽園~

シルヴァ・レイシオン

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Phase Ⅻ

Departure

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 フォレスターの民たちはそれぞれの身支度をしてる。テントは畳まれ家畜は纏められ、通常は裸状態の彼らも様々な催いの恰好をしていた。それはただ荷物を減らすために着込んでいるだけである。

 レイアの状態をもう少し加味し、ウェルバーは数日後に起つとして先にパメラ、セーラ、マオリ、ナバホの四人は集落を後にした。

 レイアの言う通り、第3から第4へかけて事態の伝達と協力、そして可能であればマオリの言う「中の奥」という正体も着き止めてみようとパメラ達には密やかな目標も出来た。
 レイアにもその点を聞いてみるが、明確な心当たりは無かった。定期的な行方不明者は確かに少なくなかったが、他のコロニーへ勝手に移動する者や女性だけでなく他の「子供を狙うチーター」も第3では多く居たために、それらの特定は難しいという。

 現在のフォレスターがそのように、そして第3のレイア達の存在が物語る様に、一括りにセンター教といってもそれすらも一枚岩では無い。

 多くの争いはリベラル派と中央を牛耳るセンター教=フェスミ党との亀裂が目立ってはいるものの、それぞれにまた内部で分岐してる部分があった。
 一般的に表面化している範囲がセンター教だが、その中枢に『セントラル教』と当人たちだけが認識されているそこに多少の違いがあった。
 部外者やその他の信念に基づく者からすれば、その微々たる違いすら分からずにまとめて「センター教」と総称している。

 フォレスターの中にもマオリのように言語をほぼ習得していて、中のことも知識として必要としている者もいれば、とことん自然との調和を重んじる者もいてる。ういった微細な違いがどんどんと複雑化しているのが各自の現実だった。嫌煙するからこそ、みな相手側の事情は疎か現状と、思想なんてこそ知る由もなく誤解と偏見に満ちている。真の差別主義とは視野が狭く心の余裕も無い、自分と自分達のことしか理解せず自己主張しかしない者達のことであり、他者を理解することこそが献身的な善意というものである。


 今から四人が向かうは第3コロニー。
 現在君臨しつつあるパメラ達の仲間であった「リサ」も、敬虔なセンター教ではあるがセントラル教とまでの認識があるのかどうか。そこは個人であれ組織的であれ、秘密裏にしなければならない事情というものも各所に散りばめられていることだろう。
 それは例え女帝であったレイアですら、土足では踏み込めない範囲でありその線を越えてしまう事こそが心の侵略、精神への過分関与だといえる。

 パメラにとってはその踏み入れてはいけないような雰囲気の中で、今は明確にしなければならないその使命と心境に思わず気合が入っていた。その自信の元は当然、レイアを筆頭に共に暮らし働いてきたリサとの関係性、絆を持ているからこそである。


「さぁ、ここよ」

 パメラ特に何も無さそうな場所で、足元をキョロキョロと何かを探している。

「ここ、だね。みんな、手伝って」

 セーラはここの構図は分かっていた為に、既に隠し穴の周辺の草木を避けていた。

「・・・あ、マオリ、入れる?」

 セーラのその一言で、全員が沈黙する。

「奥、広イカ?」

「んー・・・無理っぽいね」

「まぁ、元々、ここで二人は待っててもらう予定だから」

「どうするの?」

「一旦、私とセーラだけで『リサ』っていう仲間がいるんだけど、あの、レイア様が言っていた現第3の代表・・・かもしれない人ね。彼女と話してから、迎えに来るからそれまで待っててよ」

「ダイジィウブ、カ?」

「多分・・・ね」

「デハ、ワタシタチ『プローバー』ッテ奴、ドコマデキテルカ、周辺、探ッテオク」

「気をつけてよ。完全に狂った人と、まだ知性を残した狡猾なのといるらしいから」

 パメラ達とマオリは一旦、それぞれの健闘を祈り分かれた。
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