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Phase Ⅻ
lover's quarrel
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パメラはマイオスと、リサはセーラと当然の様に二組に分かれた。
パメラたちはいつも三人が職場としていた司書室へとやってきて、それぞれの立場が変わりつつある故に、もう当時を懐かしむ心境だった。
「・・・という訳で、他の候補者もいない現状では私が仮の、代表代理として実質に立ち振る舞っている。フェスミ党やリベラル派だった者たちも打つ手が無く・・・まぁ要は私の『今』の手腕を見定められているようなものだな」
「大変ねぇ」
「いや・・・何も無ければ過去などの『上げ足』を取られるだけで終わる可能性だってあったが、実際に・・・ごめん、不謹慎だが第1の影響にてこの問題に託けて逃げることも出来て、内心はホッとしている所もあるよ」
「ええっ・・・・・・」
「あ、いや、違うよ。ちゃんと真剣に対処するし、人の命が掛かっていることも分かってるよ。気持ちだけの話。政治的な戦略なんて、これほどみんなにとって無益なことは無いでしょ?マイオス氏がこうやってここまで来て共に力を合わせる。その環境で、もし、第2との和解にまで進展すれば・・・・・・」
「なるほどね。でも、それこそ‟フェスミ党”は黙ってはいないでしょうね」
「ああ。・・・しかし、このままずっと平行線って訳にもいかないでしょ?それに第4との・・・なんて、想像できる?」
「ふふっ、確かに、別に決別している訳じゃないにしても、第4との和解って想像が出来ない、っていうか、意味も無いしね」
「結局、内心はみんな分かっているんだよ。自然には勝てないってね。どんな理屈を捏ねようが、どんなプライドを持とうが、それこそ意味がなく摩擦を生んできた。元凶とは?・・・人間も自然の一部ってことだよ。特別なんてことはない。ちょっと他の動物に比べて頭が良いってだけなんだ。人間の本能や、余計で強欲な保身。防衛本能。そしてそれらを解決させるのも、また自然なんだよね。抵抗すればするほどに、傷は深まるだけだった」
「人を憎まず、罪を憎め。ってね」
「そうね。複雑な現状や感情、そういった『罪』を図らずに、分かり易く人種や性別、カテゴリに分けた区別から差別が生まれ、そしてそれぞれの傷に塩を塗り、また傷つけ合っている。これが繰り返し終わらないんだから」
「ここ第3の私たちが変わったように、第2も変わって来ている」
「うん。それぞれが流してきた血や汗や感情の想いから、お互いに成長しているかもしれない」
「そういった意味でもちょうどいい『頃合い』、かもね」
「ふふふ・・・なんだか、コロニー規模の痴話喧嘩みたいね。そう考えると、ほんとバカみたい」
パメラたちはいつも三人が職場としていた司書室へとやってきて、それぞれの立場が変わりつつある故に、もう当時を懐かしむ心境だった。
「・・・という訳で、他の候補者もいない現状では私が仮の、代表代理として実質に立ち振る舞っている。フェスミ党やリベラル派だった者たちも打つ手が無く・・・まぁ要は私の『今』の手腕を見定められているようなものだな」
「大変ねぇ」
「いや・・・何も無ければ過去などの『上げ足』を取られるだけで終わる可能性だってあったが、実際に・・・ごめん、不謹慎だが第1の影響にてこの問題に託けて逃げることも出来て、内心はホッとしている所もあるよ」
「ええっ・・・・・・」
「あ、いや、違うよ。ちゃんと真剣に対処するし、人の命が掛かっていることも分かってるよ。気持ちだけの話。政治的な戦略なんて、これほどみんなにとって無益なことは無いでしょ?マイオス氏がこうやってここまで来て共に力を合わせる。その環境で、もし、第2との和解にまで進展すれば・・・・・・」
「なるほどね。でも、それこそ‟フェスミ党”は黙ってはいないでしょうね」
「ああ。・・・しかし、このままずっと平行線って訳にもいかないでしょ?それに第4との・・・なんて、想像できる?」
「ふふっ、確かに、別に決別している訳じゃないにしても、第4との和解って想像が出来ない、っていうか、意味も無いしね」
「結局、内心はみんな分かっているんだよ。自然には勝てないってね。どんな理屈を捏ねようが、どんなプライドを持とうが、それこそ意味がなく摩擦を生んできた。元凶とは?・・・人間も自然の一部ってことだよ。特別なんてことはない。ちょっと他の動物に比べて頭が良いってだけなんだ。人間の本能や、余計で強欲な保身。防衛本能。そしてそれらを解決させるのも、また自然なんだよね。抵抗すればするほどに、傷は深まるだけだった」
「人を憎まず、罪を憎め。ってね」
「そうね。複雑な現状や感情、そういった『罪』を図らずに、分かり易く人種や性別、カテゴリに分けた区別から差別が生まれ、そしてそれぞれの傷に塩を塗り、また傷つけ合っている。これが繰り返し終わらないんだから」
「ここ第3の私たちが変わったように、第2も変わって来ている」
「うん。それぞれが流してきた血や汗や感情の想いから、お互いに成長しているかもしれない」
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