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Phase Ⅻ
Restriction
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「お父様は、上層階のこと何か知ってるの?」
二人は積もる話は沢山あるが、お互いの立場や環境から言えない事も多く何を話せばいいか口を拱いていた。
パメラが気を利かせたというよりも、今、一番気になっている質問を投げかける。
「うーん、あまり確定し切った話ではないんだが・・・その点でも気になることがあってな。そんな意味でもライト殿を上層『界』へと送ったんだ」
「ええ?!何故?!」
「ライト、ウェルバー殿の二人は、父親代わりであったチェバラ氏を探していることは聞いているか?」
「はい」
「そのチェバラと、元第2代表の夫婦が正に突然『消えた』のだ」
「え?!」
「お前も、知っておろう。小さき頃に何度も会ったことがある」
「・・・はい。お二人ともにお優しい方たちだった記憶があります」
「それらが、さっきお前たちが言っていた『内部の行方不明者』と同じかどうかは知らぬが、わしらもそういった事件を調べておった所じゃ」
「フォレスター達からすると、そういったことが昔から続いているそうなんです。森の中と、そしてコロニア内部でも・・・・・・」
「各地のチーターやプローバー、そうじゃなくても一定コロニーに定住することなくコロニー間を浮浪する者や身寄り無き者も多く居る。各コロニーが組織的になり行動者と堕落者の差が明確になった今、そういった事件が浮き彫りになってきただけかもしれんけどな」
「では、お父様も、そう一般的じゃない失踪事件はある、と思っているのですね」
「・・・ああ」
「でもなぜ、ライト様を?」
「ライトとウェルバー殿は、センター教・・・いや、『セントラル教』から狙われておる。手配書が出回っていてな。こっちの都合と、ライト殿の事の双方を考えてその方が良いと判断した。恐らくチェバラ氏も上へと行った可能性が高い」
「その・・・じゃチェバラって人は誘拐などではなく『自ら上階へと行った』と、いう事、ですね?」
「その様だ」
マイオスは我が子だから、とつい余計なことまで言いそうになった。チェバラが元々は上層階出身だったということをライトから聞いている事を、この時はなんとなく口を閉ざした。男同士の約束、のようなものが一瞬心の中で勝っていた。
二人は積もる話は沢山あるが、お互いの立場や環境から言えない事も多く何を話せばいいか口を拱いていた。
パメラが気を利かせたというよりも、今、一番気になっている質問を投げかける。
「うーん、あまり確定し切った話ではないんだが・・・その点でも気になることがあってな。そんな意味でもライト殿を上層『界』へと送ったんだ」
「ええ?!何故?!」
「ライト、ウェルバー殿の二人は、父親代わりであったチェバラ氏を探していることは聞いているか?」
「はい」
「そのチェバラと、元第2代表の夫婦が正に突然『消えた』のだ」
「え?!」
「お前も、知っておろう。小さき頃に何度も会ったことがある」
「・・・はい。お二人ともにお優しい方たちだった記憶があります」
「それらが、さっきお前たちが言っていた『内部の行方不明者』と同じかどうかは知らぬが、わしらもそういった事件を調べておった所じゃ」
「フォレスター達からすると、そういったことが昔から続いているそうなんです。森の中と、そしてコロニア内部でも・・・・・・」
「各地のチーターやプローバー、そうじゃなくても一定コロニーに定住することなくコロニー間を浮浪する者や身寄り無き者も多く居る。各コロニーが組織的になり行動者と堕落者の差が明確になった今、そういった事件が浮き彫りになってきただけかもしれんけどな」
「では、お父様も、そう一般的じゃない失踪事件はある、と思っているのですね」
「・・・ああ」
「でもなぜ、ライト様を?」
「ライトとウェルバー殿は、センター教・・・いや、『セントラル教』から狙われておる。手配書が出回っていてな。こっちの都合と、ライト殿の事の双方を考えてその方が良いと判断した。恐らくチェバラ氏も上へと行った可能性が高い」
「その・・・じゃチェバラって人は誘拐などではなく『自ら上階へと行った』と、いう事、ですね?」
「その様だ」
マイオスは我が子だから、とつい余計なことまで言いそうになった。チェバラが元々は上層階出身だったということをライトから聞いている事を、この時はなんとなく口を閉ざした。男同士の約束、のようなものが一瞬心の中で勝っていた。
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