『Dystopia 25』 ~楽園~

シルヴァ・レイシオン

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Phase XIII

Confinement

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 上層階の中へと降りて、右へ、左へ。
 その奥の部屋でその女性は鍵を差し込む。

「・・・あのー、すいません」

 上層階の女性は、びくっと驚き振り返る。

「びっくりしたぁ・・・ああ、さっきの子ね。お母さんは?」

 女性は完全に先ほどの葬儀の親族の、その誰かの子供だと思っていた。亡くなった人の親族関係を把握していない所を見ると、友人かなにかとして参列していたらしい。

「あの、先ほどの件なんですが・・・時折、下から誰かがここへ上がってくる話ですか?」

 女性は辺りに誰も居ないことを確認すると、部屋の扉を開けてライトを中へ入る様に手を招いた。



 ライトの内心は少し緊張していたが、振る舞いは当たり前のように平静を装う。
 部屋の入口近くには椅子とポールハンガーが置いてあった。ライトはそこに座るようにと促された。

 内容は聞き取れなかったが女性は奥の方で誰かと話をしているようで、そして直ぐに戻ってくる。

「あんた、まだ子供だからわからないと思うんだけどねぇ、あんまりさっきの言わないで。ごめんね、変な事教えちゃったわね・・・あんた、いくつ?」

 この女性は子供に余計な事を言ってしまったと、自負の念に駆られて訂正と教育として招いてくれたようだった。

「十・・・三才です」

 ライトは体格差から考えて、大幅に鯖を読んでみた。

「そう・・・えっとね、ここの下の世界ってのは野蛮で危険なの。の話は知ってるでしょ?あの人たちは悪魔の使で、から関わってはいけないの。今日の人も、悪魔に呼ばれてしまったのよ・・・そういう意味だから、ね?」

 何だかお伺いを立てるような言い方だった。

「あの人は、下に行っちゃったの?それとも、下からその悪魔がきちゃったの??」

「みんなには内緒で、こっそり『下に行っちゃってた』みたい。そこで、悪魔にたぶらかされたのよ、きっとね」

「・・・下から、その悪い人とかが来ることもあるの?誰か、他にそんな人知ってる??」

「ええっと、今日ね、食堂に一人、見かけたわ。でも安心して。警備の良い人がちゃんとその悪い人捕まえて、下に返してあげてるから」

 見えないが、その白マントの下は優しい笑顔で話しかけていると思われるトーンだった。

「知らなかったけど、下から来るその悪い人ってそんなにいるんですか?」

「頻繁じゃないわよ。凄く稀に、道に迷ってきちゃう程度みたい」

「悪い人を見つけたり、捕まえたらみんなとりあえずここのどこに行くの?あまりその辺は恐いから行きたくないなぁ」

「OK、えらいねぇ。えっと、捕まえた人たちを閉じ込めてる部屋は大体、中央タワー側に設置してあるからこの辺の端っこは大丈夫」

「中央・・・奥の方、だね」


 ライトはお礼だけを言って、この女性の部屋を後にした。

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