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Phase XIV
a counterattack
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ウェルバー達は急ぎ早に、第6コロニーを去ることにした。
それはオーヴィルに迷惑をかけない為が一番だが、彼は彼でやってもらわなければならないことがある。第6ではヘクトール率いるセントラル教から見れば「密会」とも見えてしまうウェルバー、レイアとの接触は、これだけにしなければならない。
再度、再会のプラン、約束をしてお互いに検討を祈った。
ウェルバーとレイアはもう一晩だけ、ノーマッド達に匿って貰いながら第6外壁エリアに留まることとなった。
その理由は第5コロニーへの侵入の際にノーマッド達に扮して入ろうということで、団長はそれも快く引き受けてくれて家畜などの撤退準備が必要とのことである。
二人は密やかにだがその夜、久しぶりの二人きりの状況に心躍らせた。
熱い口づけを交わし、馬小屋に敷かれ積み上げた藁のベッドの上で愛し合おうとしたその時
「・・・しっ・・・・・・」
レイアはウェルバーの口を押えて聞き耳を立てる。
二人ともが半裸状態にまで進展していたので、レイアは身を整えて匍匐で小屋の入口の方向へと音を立てずに前進した。
二人が現在いる場所は小屋の二階部分で休んでいた。
いつもなら下には何らかの動物がいるのだが、ノーマッド達が外へと移動させた後だったために誰も何も無いはずである。
ウェルバーはレイアを見ながら、流石、隠密のプロだ・・・と感心しながらも、レイアとは一歩遅れて行動を追う。
レイアが見下ろしている隣へと、引っ付く様にやってくると小屋の入口の方で微かな光源が動くのを見つけた。
「・・・誰かが来る」
「ノーマッドの誰かじゃないのか?」
「・・・・・・」
外に一つの松明を持った者が一人。その微かな灯りを背後に一つの人影が小屋の内部へと、明らかにコソコソとした隠密行動で様子を伺いながら入ってくる。
ウェルバーとレイアは目線だけで会話して、ウェルバーはそのまま入口方向の上部。レイアは反対側、梯子の上へと陣取った。
馬小屋の内部を探っている者が一階部分を調べ終えて、レイアの眼下である梯子に気が付く。
・・・ギィ・・・ギィ・・・ギィ・・・・・・
ゆっくりと梯子を上ってくる音が、より緊張を際立たせる。
・・・ドン!
「!!うぅあぁ・・・・・・」
影が梯子を登り切った所で、レイアは影の胴を梯子からひっぺ剥がすように蹴りを入れた。
・・・ドスンッ!!
「うっ!!・・・ぐあぁぁぁぁ」
七メートルほどの高さから勢いよく地面に叩き落とされ、確実に腰や背骨が折れてもう身動き一つ取れない状況が伺える。
入口で見張りでもしていたであろう者が衝撃音や叫びを聞いて、松明を持ってかけ入ってこようとした。
ウェルバーはその光に目掛けて飛び出し、落下の勢いのまま胴体を蹴り踏みつけた。
「ぐぼあぁぁぁ!!」
口から血を巻き散らし、肋骨の粉砕と内臓の破裂で間もなく即死する。
小屋周辺を警戒しながら一回りするが、他に暗殺部隊と思われる気配は疎か一般人の姿すら無かった。
「・・・なんで私たちの居場所がバレた?もしかして・・・・・・」
息絶えたセンター教の死体を片付けながら、二人は考察を始める。
「・・・いや、そんな訳はないよ。オーヴィルが俺たちを裏切る訳がない。信じてくれ」
「だったら、ノーマッド達の中に敬虔なセンター、もしくはセントラル教の者が居る」
「在り得るのか?そんなことが」
「ノーマッドは来る者拒まず、去る者は追わず。どんな者も受け入れるのさ。・・・ただ、逆にセンター教信者の方がこんな生活はしたくないはずだが」
「・・・情報、か」
「なるほど。確かに、ノーマッドほどこのコロニア全体のことを広く知っている者はいない。ノーマッドがセンター中心へと深く関わらない分、自分達の情報は届きにくく、世界の風俗を知れる格好の情報網って訳か」
「・・・ってなると、朝までのんびりしている場合ではないな。この暗殺の失敗が朝にはバレる。多くの人員が動員されて押し寄せて来るな」
「そうなると、ノーマッド達にも迷惑がかかる」
「・・・行こう」
レイアとウェルバーの二人は身支度を開始した。
それはオーヴィルに迷惑をかけない為が一番だが、彼は彼でやってもらわなければならないことがある。第6ではヘクトール率いるセントラル教から見れば「密会」とも見えてしまうウェルバー、レイアとの接触は、これだけにしなければならない。
再度、再会のプラン、約束をしてお互いに検討を祈った。
ウェルバーとレイアはもう一晩だけ、ノーマッド達に匿って貰いながら第6外壁エリアに留まることとなった。
その理由は第5コロニーへの侵入の際にノーマッド達に扮して入ろうということで、団長はそれも快く引き受けてくれて家畜などの撤退準備が必要とのことである。
二人は密やかにだがその夜、久しぶりの二人きりの状況に心躍らせた。
熱い口づけを交わし、馬小屋に敷かれ積み上げた藁のベッドの上で愛し合おうとしたその時
「・・・しっ・・・・・・」
レイアはウェルバーの口を押えて聞き耳を立てる。
二人ともが半裸状態にまで進展していたので、レイアは身を整えて匍匐で小屋の入口の方向へと音を立てずに前進した。
二人が現在いる場所は小屋の二階部分で休んでいた。
いつもなら下には何らかの動物がいるのだが、ノーマッド達が外へと移動させた後だったために誰も何も無いはずである。
ウェルバーはレイアを見ながら、流石、隠密のプロだ・・・と感心しながらも、レイアとは一歩遅れて行動を追う。
レイアが見下ろしている隣へと、引っ付く様にやってくると小屋の入口の方で微かな光源が動くのを見つけた。
「・・・誰かが来る」
「ノーマッドの誰かじゃないのか?」
「・・・・・・」
外に一つの松明を持った者が一人。その微かな灯りを背後に一つの人影が小屋の内部へと、明らかにコソコソとした隠密行動で様子を伺いながら入ってくる。
ウェルバーとレイアは目線だけで会話して、ウェルバーはそのまま入口方向の上部。レイアは反対側、梯子の上へと陣取った。
馬小屋の内部を探っている者が一階部分を調べ終えて、レイアの眼下である梯子に気が付く。
・・・ギィ・・・ギィ・・・ギィ・・・・・・
ゆっくりと梯子を上ってくる音が、より緊張を際立たせる。
・・・ドン!
「!!うぅあぁ・・・・・・」
影が梯子を登り切った所で、レイアは影の胴を梯子からひっぺ剥がすように蹴りを入れた。
・・・ドスンッ!!
「うっ!!・・・ぐあぁぁぁぁ」
七メートルほどの高さから勢いよく地面に叩き落とされ、確実に腰や背骨が折れてもう身動き一つ取れない状況が伺える。
入口で見張りでもしていたであろう者が衝撃音や叫びを聞いて、松明を持ってかけ入ってこようとした。
ウェルバーはその光に目掛けて飛び出し、落下の勢いのまま胴体を蹴り踏みつけた。
「ぐぼあぁぁぁ!!」
口から血を巻き散らし、肋骨の粉砕と内臓の破裂で間もなく即死する。
小屋周辺を警戒しながら一回りするが、他に暗殺部隊と思われる気配は疎か一般人の姿すら無かった。
「・・・なんで私たちの居場所がバレた?もしかして・・・・・・」
息絶えたセンター教の死体を片付けながら、二人は考察を始める。
「・・・いや、そんな訳はないよ。オーヴィルが俺たちを裏切る訳がない。信じてくれ」
「だったら、ノーマッド達の中に敬虔なセンター、もしくはセントラル教の者が居る」
「在り得るのか?そんなことが」
「ノーマッドは来る者拒まず、去る者は追わず。どんな者も受け入れるのさ。・・・ただ、逆にセンター教信者の方がこんな生活はしたくないはずだが」
「・・・情報、か」
「なるほど。確かに、ノーマッドほどこのコロニア全体のことを広く知っている者はいない。ノーマッドがセンター中心へと深く関わらない分、自分達の情報は届きにくく、世界の風俗を知れる格好の情報網って訳か」
「・・・ってなると、朝までのんびりしている場合ではないな。この暗殺の失敗が朝にはバレる。多くの人員が動員されて押し寄せて来るな」
「そうなると、ノーマッド達にも迷惑がかかる」
「・・・行こう」
レイアとウェルバーの二人は身支度を開始した。
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