『Dystopia 25』 ~楽園~

シルヴァ・レイシオン

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Phase XV

reproductive instinct

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「テンプル団員、つまりは管理者の多くがプローバー家族の取り決めにて活動をすることとなり、彼らの人権などの争点から決議にて配慮された管轄組織『ホラクシス』が結成された。私も当時はまだ子供だったけれど、叔母が死んで身寄りが無くなった状況というのもあって、まるでついでかのようにその組織に配属された。今の地位というかそこそこの自由と上層部との関与がこうやって許されて、現にあなた達と接触出来るような情報を得てそして、この場所へ来られるというのもそういった経緯ってわけ」

「なるほど、だから僕たちが侵入したこと、そして逃亡中だったことも知っててその目星も付けられたんだね。それでこんな場所も知ってているし、下の情報とかも早いんだ」

「まぁ、そんな所ね。そして私は簡単な給仕の仕事から・・・まぁほぼ雑用みたいなことをさせられ、母との距離も日中は離れた。その間に、母もまた同じプローバーと恋に落ち、再婚をしたんだ」

「良かったじゃないですか」

「・・・下は、色々とあるんでしょ?コロニーで分かれ、様々な特色があり森に住む人まで居るんですってね」

「ああ、そうだよ。でもフォレスターとセンターとの争いやコロニー間の考え方の違いでケンカしたり、そして今では大変なことになっているんだ」

「・・・そんな‟摩擦”も、ここの民からすれば羨ましい出来事・・・なのかもね」

「ええ?!争うことが、ですか?」

「だってここは・・・何も無いんだもの。見なさいよ、この殺風景な壁や天井。そして床も冷たい‟コンクリート”で固められただけの作り。土に触れる機会なんて、稀に来る下からの贈り物だけ。その土を植える場所もないために何かが巣食うことも育つことも無く、居るのは私たちの食事に群がる害虫と小さな害獣ばかり。そりゃ、空からやってくる綺麗な羽の鳥を崇拝しちゃう訳よね。・・・聞いたわよ。下には様々な動植物があって自然が豊かなんでしょ?娯楽として調合された色んな‟薬や飲み物”も作れて、遊べて、採取も出来て・・・この上層階には、そんなものも何もない。こんな何も無い世界でやることって、何だか分かる?」

「集会とか、お喋りとか・・・?」

「一番の娯楽は『セックス』、交尾、もしくは殺人よ」

「あ、え?ちょ!」
 ライトは顔が真っ赤になると共に、まるで真逆な事象が同時に現れ驚いた。

「子供ならちょっとした遊びの文化はここでも出来る範囲で楽しめるけれど、仕事を宛がわれないような暇な大人たちはただ食べて寝て、後はどうやって暇を潰すかを考えなければならない。今では下からの輸入品、酒や薬を使う者も増えてきたわね。昔はそういった趣向品は上層部が総取りし特定の者だけで楽しんでいたらしい。それがバレた今では色んな言い訳をしているみたいだけど。上階の民を堕落から救うためだとかなんとかね。その延長上線にあるのが今の状態の原因。偉そうな管理者はどんどんとプローバー化していく者から、廃人のようになる者が出てきて長らくそういった真実は隠ぺいされてきたけれど、いつまでもそうはいかなかった。組織はまた一掃され管理者一族は変わるが、今はその体制を整えるのに必死で細部にまで管理は行き届いていないのが現実。特にそれが顕著に表れるのがあなた達も見た、牢屋での出来事ね。犯罪者や無法者の教育なんてものに手なんで回らずに捕まえて後はほったらかし。処刑することすら怠けて、次々に第8エリア行きにするばかり」

「だから・・・下のいざこざだけでなく上層階のそういったことも、第8の暴走へと繋がったんだね」

「・・・おっとごめんね、話が逸れたわね。まぁそんな感じでここはとにかく皆が無関心で無責任、放置、怠惰、空虚で放蕩だけの空しくもえげつない世界なわけ。そんな中、例え大人しいといっても普通の人間としての本能や生態は残しているわけで、そういったプローバーが放置されると様々な欲望に‟見境が無くなる”。私の母は新しい男とずっと性行為を続け妊娠し、もう私の弟と妹が11人も生まれた」

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