『Dystopia 25』 ~楽園~

シルヴァ・レイシオン

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Final Phase 

Purification

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「『』回目の失敗、か」

「それは考え方、捉え方の違いだなぁ」

「おいおい、上にどう報告するつもりだ?」

「まぁ・・・上手い事するさ。だって、少なくとも今回は過去最高人数を大幅に更新している。桁違いにだよ。そりゃ上とその取引先、スポンサーも大喜びだろうよ」

「それは予算確保のルートとして、だろ?」

「はは、もう殆ど目的が変わっていると思うけどな」

「表向き・・・ってことかい?」

「だってそうだろう?今までに『研究結果の報告』を急かされたこと、あるか?」

「まぁ、確かに。ずっと健康診断結果とそのばかりだな」

「たまに、金持ちで昔の実験オタクが興味本位で関わってきて、今までの報告結果に大金を出すバカがいるけどな」

「それも、殆どがついでだろ?やっぱり利益としては‟あっち”には勝てんよ」

「まぁ、そんなモノ好きがいてこそのこの研究所だからな」

「どっかの国では侵略している自治区やら敵対している国やらを自分達の自由に変えれる法律を利用し、犯罪者とでっち上げたりしてまでドナー確保してるって噂が今の時代で未だにあるからな。この裏稼業もそんなに儲からなくなってくる一方だろうけどな」

「だから、一部の役員さんの中には危機感を持って躍起になっている人も要るからこそ、今回の‟リセット”の判断も早かったんじゃないかな」

「しかし、『』実験体の数が多い分、清掃も大変なんじゃないか?実際に、その分母の分『脱界者』が今回は三人も居たんだって?」

「ああ、それも貴重なデータだよ。どういった動機から経緯など、聞きたいことは沢山あるね」

「・・・あれ?『ロキッチ教授』!お久しぶりですぅ」

「・・・・あ、ああ、どうもどうも」

「どうですか?そちらの研究の方は、どうやら順調そうで」

「いやいや、丁度さっき、中断した所ですわ」

「え?どうしてです?あのインタビュー、見させて頂きましたよ」

「ああ、あれですか。まぁ、問題はなかったのですが最終局面で行き詰まりまして・・・失感情症(アレキシサイミア)などが起こりもう、中止せざるを得ることになりました」

「そうですか・・・我々も、上からさっき『』の命令が下されましてね・・・お互いに今夜の酒は不味いでしょうな」

「そちらは予算の配分が天地程に違うじゃないですかぁ。また直ぐに次の段取りに進むんでしょう?」

「ロキッチ先生も、もっと採算が取れる研究にすればいいじゃありませんか。変えるとまでは言いませんがせめて何か研究の副産物でも生まれてマネタイズに繋がるような・・・ねぇ?」

「そうですよ、我々も『副業』が無ければとっくの昔に中止だったと思いますよ」

「まぁそもそもに『ユニバース・楽園実験』はその歴史も違えば引き継ぐ人たちの数も違いますし、一大プロジェクトではありませんか。場合によっては人類の未来が掛かっている。莫大な資金が必要な宇宙開発や莫大な時間が掛かる遺伝子工学なんかよりもアナログであり、そして実質的な成果が目に見えて分かる。私の精神医療もまた、目に見えないモノを追ってます」

「いやいや、この研究もただ宇宙関連よりお金は掛からないだけであり、DNAよりもシンプルなだけです。結局は時間もお金も結構必要ですからね」

「ヒトゲノムの解析に関しては、人種的と宗教的なタブーが邪魔して開発に圧力が掛かっているって噂もありますよね」

「そんなのは都市伝説ですよ。あれでしょ?人類の根源や各人種のルーツが解明されると困ったり、経典が覆ったりするからって」

「ジャンク遺伝子とか言われている遺伝子の解明なんて、もう数十年前に終わってるらしいね。我々は専門外だから、あくまでも噂、でね。聞いたんだけどね」

「まぁでもロキッチ教授の研究テーマの利点は、その予算も人員も要らないからこそ直ぐに再開できるじゃありませんか。『洗脳と思い込みの解放』。その先は『改宗』、でしょ?もう少しプロモーションを変えれば、スポンサーも付きますよ。ただ、危ない人と関わることになるかもですが、ね」

「まぁまぁ、それはもっと先の話ですよ。今はまだ小ぢんまりとさせて頂きます。・・・それでは、また」

「ああ、すいません多忙な中呼び止めてしまって。お互い頑張りましょう。では・・・・・・」

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