60 / 121
デビルはどこへ? そして…
しおりを挟む
それで茶トラ先生は、デビルが事故にでも巻き込まれたのではないかと、とても心配した。
だからデビルを探しに行かなければいけない。
空間がひずんで地割れでも出来て、その中へ落ちていないのかとか、建物が壊れて下敷きになったのではないかとか、だからいっそ、時の制御を止めるべきなのか…などなど、茶トラ先生はいろいろ気をまわしているようだった。
だけどぼくは何となく、というかほとんど確信を持って、デビルは学校の運動場にいると思った。
それで、さっそく茶トラ先生と急いで学校へと向かった。
それから誰も動いていない学校を見て回り、そして運動場へ行くと、やっぱりデビルは運動場にいるのが遠くから見えた。
よりによってデビルはゆりちゃんの目の前に!
「え~、やばいよね。デビルがゆりちゃんに近づいたら、落雷並みの電流が流れるんだったよね。だから命が危ないんだよね」
「おそらく多少近づくだけではそうはならないだろうが、もしあまりにも接近すれば、それはとても危険だ」
「だからいずれにしてもやばいよ」
それでぼくは大声でデビルに言った。
「お~いお~い、田中君~~、ゆりちゃんにあまり近づいちゃダメだぞ~~!」
茶トラ先生も大声を出した。
「お~~い田中君~~、近づくのはやめなさ~~い!」
だけどそのとき、ぼくらの警告を無視するかのように、デビルはじっとしているのをいいことに、ゆりちゃんへどんどん近づき、しかもゆりちゃんの顔に自分の顔を近づけ、とにかくもうどんどん近づけ…
「やばいよ。デビルったらゆりちゃんにちゅーしようとしてるよ!」
「それは危ない。下手をすると大電流が…」
「そうだよね、で、それって、落雷くらいの電流が流れるんだったよね。やばいよね」
「そうだ。もしそうなれば、二人の命にかかわる」
「田中君だめだよ~~! やめるんだ~~~!」
「田中君、やめたまえ~~!」
でも、ぼくらの忠告は全く無駄だった。
デビルはいよいよゆりちゃんの顔に、自分の顔が触れんばかりに近づき、そして何と、自分から目出し帽を外し…
そしてその次の瞬間、デビルの顔とゆりちゃんの顔の間で、パチッ!と火花が飛んだ。
そしてその直後、デビルもそのままその状態で固まってしまったんだ。
それから二人は、ずっとずっとそのままの状態で…
「どうやら最悪の事態は回避されたようだ。わしが危惧していたほどの大電流ではなかった。せいぜい静電気の大きいやつくらいだったようだ。そしてデビル君が固まったということは、彼は瞬時にして制御された時間へと安全に移行したと考えられる。つまり物理的には、もはや彼に身に危険は及ばないであろうということだ」
「物理的にもはや身の危険は及ばないって? え~、冗談じゃないよ。だってデビル、ゆりちゃんにちゅーを…、それで、ええと、ええと、実はゆりちゃん、空手の達人なんだよな。ゲシュタルト先生のところで習ってるんだ」
「空手の達人? そうだったのか。それじゃやっぱりデビル君は物理的に大変危険な状態と言えるな。ゲシュタルト先生に習っておるとはいえ、思わずぶん殴れば、寸止めともいかんだろう。しかも状況が状況だ」
「だけど考えてみると、デビルにとっては今がいちばん幸せな瞬間なんだよね。だったらいっそ、このままず~~~っとず~~~っと、そっとしといてあげようよ♪」
「時を制御するタイムエイジマシン」 完
次回から新しいエピソードに入ります。
よろしく
だからデビルを探しに行かなければいけない。
空間がひずんで地割れでも出来て、その中へ落ちていないのかとか、建物が壊れて下敷きになったのではないかとか、だからいっそ、時の制御を止めるべきなのか…などなど、茶トラ先生はいろいろ気をまわしているようだった。
だけどぼくは何となく、というかほとんど確信を持って、デビルは学校の運動場にいると思った。
それで、さっそく茶トラ先生と急いで学校へと向かった。
それから誰も動いていない学校を見て回り、そして運動場へ行くと、やっぱりデビルは運動場にいるのが遠くから見えた。
よりによってデビルはゆりちゃんの目の前に!
「え~、やばいよね。デビルがゆりちゃんに近づいたら、落雷並みの電流が流れるんだったよね。だから命が危ないんだよね」
「おそらく多少近づくだけではそうはならないだろうが、もしあまりにも接近すれば、それはとても危険だ」
「だからいずれにしてもやばいよ」
それでぼくは大声でデビルに言った。
「お~いお~い、田中君~~、ゆりちゃんにあまり近づいちゃダメだぞ~~!」
茶トラ先生も大声を出した。
「お~~い田中君~~、近づくのはやめなさ~~い!」
だけどそのとき、ぼくらの警告を無視するかのように、デビルはじっとしているのをいいことに、ゆりちゃんへどんどん近づき、しかもゆりちゃんの顔に自分の顔を近づけ、とにかくもうどんどん近づけ…
「やばいよ。デビルったらゆりちゃんにちゅーしようとしてるよ!」
「それは危ない。下手をすると大電流が…」
「そうだよね、で、それって、落雷くらいの電流が流れるんだったよね。やばいよね」
「そうだ。もしそうなれば、二人の命にかかわる」
「田中君だめだよ~~! やめるんだ~~~!」
「田中君、やめたまえ~~!」
でも、ぼくらの忠告は全く無駄だった。
デビルはいよいよゆりちゃんの顔に、自分の顔が触れんばかりに近づき、そして何と、自分から目出し帽を外し…
そしてその次の瞬間、デビルの顔とゆりちゃんの顔の間で、パチッ!と火花が飛んだ。
そしてその直後、デビルもそのままその状態で固まってしまったんだ。
それから二人は、ずっとずっとそのままの状態で…
「どうやら最悪の事態は回避されたようだ。わしが危惧していたほどの大電流ではなかった。せいぜい静電気の大きいやつくらいだったようだ。そしてデビル君が固まったということは、彼は瞬時にして制御された時間へと安全に移行したと考えられる。つまり物理的には、もはや彼に身に危険は及ばないであろうということだ」
「物理的にもはや身の危険は及ばないって? え~、冗談じゃないよ。だってデビル、ゆりちゃんにちゅーを…、それで、ええと、ええと、実はゆりちゃん、空手の達人なんだよな。ゲシュタルト先生のところで習ってるんだ」
「空手の達人? そうだったのか。それじゃやっぱりデビル君は物理的に大変危険な状態と言えるな。ゲシュタルト先生に習っておるとはいえ、思わずぶん殴れば、寸止めともいかんだろう。しかも状況が状況だ」
「だけど考えてみると、デビルにとっては今がいちばん幸せな瞬間なんだよね。だったらいっそ、このままず~~~っとず~~~っと、そっとしといてあげようよ♪」
「時を制御するタイムエイジマシン」 完
次回から新しいエピソードに入ります。
よろしく
0
あなたにおすすめの小説
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
アガルタ・クライシス ―接点―
来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。
九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。
同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。
不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。
古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
下宿屋 東風荘 7
浅井 ことは
キャラ文芸
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..☆
四つの巻物と本の解読で段々と力を身につけだした雪翔。
狐の国で保護されながら、五つ目の巻物を持つ九堂の居所をつかみ、自身を鍵とする場所に辿り着けるのか!
四社の狐に天狐が大集結。
第七弾始動!
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..☆
表紙の無断使用は固くお断りさせて頂いております。
裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する
克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる