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デビルはどこへ? そして…
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それで茶トラ先生は、デビルが事故にでも巻き込まれたのではないかと、とても心配した。
だからデビルを探しに行かなければいけない。
空間がひずんで地割れでも出来て、その中へ落ちていないのかとか、建物が壊れて下敷きになったのではないかとか、だからいっそ、時の制御を止めるべきなのか…などなど、茶トラ先生はいろいろ気をまわしているようだった。
だけどぼくは何となく、というかほとんど確信を持って、デビルは学校の運動場にいると思った。
それで、さっそく茶トラ先生と急いで学校へと向かった。
それから誰も動いていない学校を見て回り、そして運動場へ行くと、やっぱりデビルは運動場にいるのが遠くから見えた。
よりによってデビルはゆりちゃんの目の前に!
「え~、やばいよね。デビルがゆりちゃんに近づいたら、落雷並みの電流が流れるんだったよね。だから命が危ないんだよね」
「おそらく多少近づくだけではそうはならないだろうが、もしあまりにも接近すれば、それはとても危険だ」
「だからいずれにしてもやばいよ」
それでぼくは大声でデビルに言った。
「お~いお~い、田中君~~、ゆりちゃんにあまり近づいちゃダメだぞ~~!」
茶トラ先生も大声を出した。
「お~~い田中君~~、近づくのはやめなさ~~い!」
だけどそのとき、ぼくらの警告を無視するかのように、デビルはじっとしているのをいいことに、ゆりちゃんへどんどん近づき、しかもゆりちゃんの顔に自分の顔を近づけ、とにかくもうどんどん近づけ…
「やばいよ。デビルったらゆりちゃんにちゅーしようとしてるよ!」
「それは危ない。下手をすると大電流が…」
「そうだよね、で、それって、落雷くらいの電流が流れるんだったよね。やばいよね」
「そうだ。もしそうなれば、二人の命にかかわる」
「田中君だめだよ~~! やめるんだ~~~!」
「田中君、やめたまえ~~!」
でも、ぼくらの忠告は全く無駄だった。
デビルはいよいよゆりちゃんの顔に、自分の顔が触れんばかりに近づき、そして何と、自分から目出し帽を外し…
そしてその次の瞬間、デビルの顔とゆりちゃんの顔の間で、パチッ!と火花が飛んだ。
そしてその直後、デビルもそのままその状態で固まってしまったんだ。
それから二人は、ずっとずっとそのままの状態で…
「どうやら最悪の事態は回避されたようだ。わしが危惧していたほどの大電流ではなかった。せいぜい静電気の大きいやつくらいだったようだ。そしてデビル君が固まったということは、彼は瞬時にして制御された時間へと安全に移行したと考えられる。つまり物理的には、もはや彼に身に危険は及ばないであろうということだ」
「物理的にもはや身の危険は及ばないって? え~、冗談じゃないよ。だってデビル、ゆりちゃんにちゅーを…、それで、ええと、ええと、実はゆりちゃん、空手の達人なんだよな。ゲシュタルト先生のところで習ってるんだ」
「空手の達人? そうだったのか。それじゃやっぱりデビル君は物理的に大変危険な状態と言えるな。ゲシュタルト先生に習っておるとはいえ、思わずぶん殴れば、寸止めともいかんだろう。しかも状況が状況だ」
「だけど考えてみると、デビルにとっては今がいちばん幸せな瞬間なんだよね。だったらいっそ、このままず~~~っとず~~~っと、そっとしといてあげようよ♪」
「時を制御するタイムエイジマシン」 完
次回から新しいエピソードに入ります。
よろしく
だからデビルを探しに行かなければいけない。
空間がひずんで地割れでも出来て、その中へ落ちていないのかとか、建物が壊れて下敷きになったのではないかとか、だからいっそ、時の制御を止めるべきなのか…などなど、茶トラ先生はいろいろ気をまわしているようだった。
だけどぼくは何となく、というかほとんど確信を持って、デビルは学校の運動場にいると思った。
それで、さっそく茶トラ先生と急いで学校へと向かった。
それから誰も動いていない学校を見て回り、そして運動場へ行くと、やっぱりデビルは運動場にいるのが遠くから見えた。
よりによってデビルはゆりちゃんの目の前に!
「え~、やばいよね。デビルがゆりちゃんに近づいたら、落雷並みの電流が流れるんだったよね。だから命が危ないんだよね」
「おそらく多少近づくだけではそうはならないだろうが、もしあまりにも接近すれば、それはとても危険だ」
「だからいずれにしてもやばいよ」
それでぼくは大声でデビルに言った。
「お~いお~い、田中君~~、ゆりちゃんにあまり近づいちゃダメだぞ~~!」
茶トラ先生も大声を出した。
「お~~い田中君~~、近づくのはやめなさ~~い!」
だけどそのとき、ぼくらの警告を無視するかのように、デビルはじっとしているのをいいことに、ゆりちゃんへどんどん近づき、しかもゆりちゃんの顔に自分の顔を近づけ、とにかくもうどんどん近づけ…
「やばいよ。デビルったらゆりちゃんにちゅーしようとしてるよ!」
「それは危ない。下手をすると大電流が…」
「そうだよね、で、それって、落雷くらいの電流が流れるんだったよね。やばいよね」
「そうだ。もしそうなれば、二人の命にかかわる」
「田中君だめだよ~~! やめるんだ~~~!」
「田中君、やめたまえ~~!」
でも、ぼくらの忠告は全く無駄だった。
デビルはいよいよゆりちゃんの顔に、自分の顔が触れんばかりに近づき、そして何と、自分から目出し帽を外し…
そしてその次の瞬間、デビルの顔とゆりちゃんの顔の間で、パチッ!と火花が飛んだ。
そしてその直後、デビルもそのままその状態で固まってしまったんだ。
それから二人は、ずっとずっとそのままの状態で…
「どうやら最悪の事態は回避されたようだ。わしが危惧していたほどの大電流ではなかった。せいぜい静電気の大きいやつくらいだったようだ。そしてデビル君が固まったということは、彼は瞬時にして制御された時間へと安全に移行したと考えられる。つまり物理的には、もはや彼に身に危険は及ばないであろうということだ」
「物理的にもはや身の危険は及ばないって? え~、冗談じゃないよ。だってデビル、ゆりちゃんにちゅーを…、それで、ええと、ええと、実はゆりちゃん、空手の達人なんだよな。ゲシュタルト先生のところで習ってるんだ」
「空手の達人? そうだったのか。それじゃやっぱりデビル君は物理的に大変危険な状態と言えるな。ゲシュタルト先生に習っておるとはいえ、思わずぶん殴れば、寸止めともいかんだろう。しかも状況が状況だ」
「だけど考えてみると、デビルにとっては今がいちばん幸せな瞬間なんだよね。だったらいっそ、このままず~~~っとず~~~っと、そっとしといてあげようよ♪」
「時を制御するタイムエイジマシン」 完
次回から新しいエピソードに入ります。
よろしく
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