8 / 43
第8話
しおりを挟む
8
それじゃ、もう少しコントロールを良くするためにはどうするか。
いつまでも豪快に「コントロールには全く無責任に(キリッ!)」とかも言っていられないし。だって少しは球を捕る先輩のことも…
そもそも僕は振りかぶって投げることが出来なくて、いつもセットポジションで投げていた。コントロールを良くする定番の方法だけど、そう思ってやっていた訳ではない。いつのまにやらそうやっていたのだけど、それはあまり考えたことないし、まあそういうことはどうでもいい。
で、セットで投げたらコントロールが良くなるなんて甘いよ! 僕はそのセットで暴投しまくっていたんだから。
それはいいけれど、とにかくセットで構えて、左足を上げて(僕は右投げだから)、そして軸足一本で立つ。このとき本当にバランスよく、それはもう王選手の一本足打法のように、美しく安定して立たなければいけないと思ったんだ。
それから僕は以前に、こんな感じのこと書いたぞ。
「コントロールは小手先でやるものではなく、フォーム全体でやるものだ」
これはとある200勝投手が本に書いていた。
これを僕なりに勝手に解釈すると、例えば映写機を映すとき、スクリーンの真ん中にうまく映らなかったら、レンズの向きではなく、映写機自体を動かして真ん中に映るように調節する。
分かるかな?
「あそこへ投げる」という意識を持ったらモーションを起こし、テイクバックしてステップして…
だからそのステップして設置した左足の位置こそが、その「ピッチングフォームという名の映写機」の置き方だったじゃん。
それを考えてみると、モーションを起して左足を上げたときに、「軸足一本で安定して立つ」ことがいかに大切か分かるだろう?
軸足一本で安定して立てるが故に、ステップした足が正しい位置に接地できるはずなんだ。
毎回毎回!
そしてこれは、コントロールのための、まさに「第一歩」なんだ。これ、前にも言ったし。
それでともかく僕は、軸足一本でぴたりと立ち続けるための練習をした。それに必要なのはバランス感覚。だから目をつぶって延々と片足で立つ練習をやった。これはどこででも出来る。揺れる電車の中ででも。
それから体育館で平均台の上を延々と静々と歩くとかね。(体育の先生がけげんな顔をして僕を見ていた)
そこで問題は、球数を投げて足が疲れてきたときでも、それが続けられるかということ。
よく、ある回から突然ストライクが入らなくなるという投手がいる。その原因はいろいろあるだろうけれど、その一つはもしかして、足が疲れて軸足でぴたりと立てなくなったからではないかと、僕は思っている。
ぴたりと立てずにぐらぐらするから、それから後の投球フォームがでたらめになるんだ。
だから長い回を投げてもコントロールが安定するためには、いつまでもいつまでも軸足一本で安定して立てる足の持久力が必要だと、僕は考えるようになったんだ。
そしてそれが出来れば、長いイニングでも安定して軸足一本で立てて、だから正しい位置にステップし続けることが出来るのではないのか。つまりコンスタントに同じフォームで投げられるのではないか。
とにかくそういうわけで、僕はあっさりと考えを改め、投手の足には持久力も必要だという結論に到達したんだ!
以前僕は、投手はパワーが大切だと思って、ダッシュとかを中心にやっていたけれど、そういうわけで、やっぱり投手は長い距離を走る必要もあると、僕は考えを改めたんだ。
つまりコントロールに必要なのは、バランス感覚プラス持久力だってね。もちろん体に浸み付いた正しいフォームもだけど。
それで僕は持久力のために週何回か、10キロとか15キロとかの距離を走るようにした。といってもグラウンドをぐるぐる回るのも単調で退屈だし、目も回りそうだったので、それで僕はよく学校近くの河川敷の堤防の道を、景色を楽しみながらロードワークに出ることにしたんだ。
もちろん軸足で安定して立ち続けるために、目をつぶって軸足一本で延々と立つという練習も続けた。(平均台も)
こうして僕はコントロールのために、徹底的にバランス感覚と持久力の両方を養ったんだ。
それじゃ、もう少しコントロールを良くするためにはどうするか。
いつまでも豪快に「コントロールには全く無責任に(キリッ!)」とかも言っていられないし。だって少しは球を捕る先輩のことも…
そもそも僕は振りかぶって投げることが出来なくて、いつもセットポジションで投げていた。コントロールを良くする定番の方法だけど、そう思ってやっていた訳ではない。いつのまにやらそうやっていたのだけど、それはあまり考えたことないし、まあそういうことはどうでもいい。
で、セットで投げたらコントロールが良くなるなんて甘いよ! 僕はそのセットで暴投しまくっていたんだから。
それはいいけれど、とにかくセットで構えて、左足を上げて(僕は右投げだから)、そして軸足一本で立つ。このとき本当にバランスよく、それはもう王選手の一本足打法のように、美しく安定して立たなければいけないと思ったんだ。
それから僕は以前に、こんな感じのこと書いたぞ。
「コントロールは小手先でやるものではなく、フォーム全体でやるものだ」
これはとある200勝投手が本に書いていた。
これを僕なりに勝手に解釈すると、例えば映写機を映すとき、スクリーンの真ん中にうまく映らなかったら、レンズの向きではなく、映写機自体を動かして真ん中に映るように調節する。
分かるかな?
「あそこへ投げる」という意識を持ったらモーションを起こし、テイクバックしてステップして…
だからそのステップして設置した左足の位置こそが、その「ピッチングフォームという名の映写機」の置き方だったじゃん。
それを考えてみると、モーションを起して左足を上げたときに、「軸足一本で安定して立つ」ことがいかに大切か分かるだろう?
軸足一本で安定して立てるが故に、ステップした足が正しい位置に接地できるはずなんだ。
毎回毎回!
そしてこれは、コントロールのための、まさに「第一歩」なんだ。これ、前にも言ったし。
それでともかく僕は、軸足一本でぴたりと立ち続けるための練習をした。それに必要なのはバランス感覚。だから目をつぶって延々と片足で立つ練習をやった。これはどこででも出来る。揺れる電車の中ででも。
それから体育館で平均台の上を延々と静々と歩くとかね。(体育の先生がけげんな顔をして僕を見ていた)
そこで問題は、球数を投げて足が疲れてきたときでも、それが続けられるかということ。
よく、ある回から突然ストライクが入らなくなるという投手がいる。その原因はいろいろあるだろうけれど、その一つはもしかして、足が疲れて軸足でぴたりと立てなくなったからではないかと、僕は思っている。
ぴたりと立てずにぐらぐらするから、それから後の投球フォームがでたらめになるんだ。
だから長い回を投げてもコントロールが安定するためには、いつまでもいつまでも軸足一本で安定して立てる足の持久力が必要だと、僕は考えるようになったんだ。
そしてそれが出来れば、長いイニングでも安定して軸足一本で立てて、だから正しい位置にステップし続けることが出来るのではないのか。つまりコンスタントに同じフォームで投げられるのではないか。
とにかくそういうわけで、僕はあっさりと考えを改め、投手の足には持久力も必要だという結論に到達したんだ!
以前僕は、投手はパワーが大切だと思って、ダッシュとかを中心にやっていたけれど、そういうわけで、やっぱり投手は長い距離を走る必要もあると、僕は考えを改めたんだ。
つまりコントロールに必要なのは、バランス感覚プラス持久力だってね。もちろん体に浸み付いた正しいフォームもだけど。
それで僕は持久力のために週何回か、10キロとか15キロとかの距離を走るようにした。といってもグラウンドをぐるぐる回るのも単調で退屈だし、目も回りそうだったので、それで僕はよく学校近くの河川敷の堤防の道を、景色を楽しみながらロードワークに出ることにしたんだ。
もちろん軸足で安定して立ち続けるために、目をつぶって軸足一本で延々と立つという練習も続けた。(平均台も)
こうして僕はコントロールのために、徹底的にバランス感覚と持久力の両方を養ったんだ。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる