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★優勝決定戦、そして…
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それからバナナ監督は、ベンチで旨そうにバナナを食べていたギューリキ君に声を掛けたんだ。
「おいギューリキ、もはや無邪気にバナナなんぞを食べておる場合ではないのじゃ。さすれば今現在、お前は何馬力なのだ?」
「すすす…、すみません。試合が長くなって腹減って。で、バリキ? あの、僕、ギューリキですが、監督、僕をお忘れですか?」
「分からん奴やなあ。そういう意味ではない。ティーバッティングは何本打ったかって事だ!」
「ティー…、ああそういう事ですか。え~と、昨日までで九万九千九百、え~と…」
ギューリキ君はお尻のポケットから手帳を出し、これを見ながら答えた。彼は意外に几帳面なところがあった。
「え~と、え~と、九万九千九百九十九本です!」
「おう、そんなに打ったのか」
「ええ、一応…、へへへ」
「さすれば行け! 十万馬力打法だ!」
〈やったねギューリキ君。ティーバッティングをやってたかいがあったじゃん!〉
僕は思った。もっとも、代打を出された僕は引込められる事になったけれど。でも、僕の代打がギューリキ君なら文句はない。ずっと一緒に練習を頑張ってきた仲間に、いよいよ出番が来たんだ。
僕にはそれが、自分の事のように嬉しかった。
それからギューリキ君は喜色満面で打席に向かった。
でも、その笑みはぎんぎんにこわばってもいた。
それを見て僕はとても不安になった。
だけどポアシもぎんぎんに緊張していたようだ。「良いイメージ」の僕ではなく、初めて対戦するいかにも怪力の持ち主って感じの打者だから。
そう考えるとお相子だ。
そういう訳で、いよいよ「ぎんぎん対ぎんぎん」の勝負が始まった。ギューリキ君の迫力に恐れおののいた外野手たちはフェンスに張り付いていた。
そしていよいよ最後の最後の勝負が始まった。
それからポアシはギューリキ君に初球を投げた。だけどその初球はポアシ本来の素晴らしい球だった。どういう訳かポアシは、最後の最後になって見事に復活していたんだ。
それを見たセリア君は、僕の横でつぶやいた。
「こういう状況で開き直って、冷静になれるのが本物のエースだ!」
そういう訳で、ギューリキ君はバットを振る暇もなく、いきなりツーストライクに追い込まれた。
ギューリキ君はあまりの球の速さに、小さな目をぱちぱちするしかなかった。
だけどセリア君も僕も、ギューリキ君に打って欲しかったので、僕らはギューリキ君に向かって、大声でこう言ったんだ。
「ギューリキ君! ティーバッティング十万本目だぞ! 行けぇぇぇぇ~~~~~!」
僕らの声に気付いたギューリキ君は一度僕らを見てにこりとして、それから打席を外し、三回ぶんぶんぶんと素振りをしてから打席に戻り、そして構え、そして吠えた。
「さぁ来い!!」
そしてその時のギューリキ君は、いつものティーバッティングの構えに戻っていた。
彼の大きな背中が頼もしかった。
そしてこれで、本当の意味での「お相子」になったんだ。
それからポアシはゆっくりとモーションを起こし、いつも通りの足の上げ方で、いつもどおりのフォームで快速球を投げた。
最後の最後の勝負球の、渾身のストレートだ。
そしてギューリキ君も、いつもどおりのティーバッティングのスイングで、そのボールを思い切り叩いた。
ぐわしゃん!という、ボールが潰れるような物凄い音がした。
ギューリキ君の十万本目のスイングだ。
打球はセンターの頭上へ高々と上がった。
大きな当たりだ!
やった!
逆転満塁ホームランか?
スタンドは悲鳴と歓声に包まれた。
みんなベンチから飛び出した…
だけど、ポアシの気持ちのほうが、ほんの少し上回っていたようだった。
ボールはフェンスのほんの少し手前でやや失速した。
それはフェンス一杯の、大きなセンターフライだったんだ。
こうして僕らのシーズンは終わった。
やがてシリウスの胴上げが始まった。
紙吹雪が舞っていた。
シリウスの本拠地だから、みんな大喜びだ。
スタンドにエリアちゃんの姿も小さく見えた。〈喜んでいるのかな? お兄さんがMVPピッチャーだもんね。でも僕らは負けたから、少しは悲しんでくれるかな?〉
それから僕らプロキオンズの選手全員はベンチ前に並んで胴上げを見た。
セリア君も手に包帯をして、胴上げを見ていた。
包帯は血で真っ赤。目も真っ赤だった。
「ごめんねセリア君。僕のせいで爪を…」
「何を言っているんだい。全然構わないよ。あれも運命さ」なんて、セリア君らしかった。
〈そうか、オーラム星では「怨みっこなし」だったもんね!〉
そしてシリウスの胴上げが終わり、それから、みんなはベンチで後片付けなんかを始めた。
だけどベンチの隅でギューリキ君がぎゃ~ぎゃ~泣き崩れていた。
「うわ~~~~、僕のせいで負けたんだ。これで田舎へ帰される。田舎のみんなになんて言おう。まだどこも壊れていないのにぃ!」
そんなギューリキ君を見て、バナナ監督は彼に声をかけた。
「いい打球だったが…、あ~、惜しかったな。あと少しだぞ。だから来年までに二十万馬力になって来い。また使ってやるよ」
〈良かったね、ギューリキ君。クビにならなくて〉
ギューリキ君のクビが繋がって僕はほっとしていたら、バナナ監督が踵を返し、僕を捕まえてこんな事を言った。
「それからダイスケ! お前は来年までにポアシのあのパームボールを打てるようになって来い。それとシーズンオフは守備の特訓だ!」
「はい!わかりました!」
僕はそう答えたけれど、だけど僕、来シーズンはもう…
僕はずっとこの仲間と野球がやりたかった。
こんなに楽しい仲間と出逢えたのは、これが初めてだった。
だから来年も一緒にやりたかったんだ。
だけどそれはかなわぬ夢だ。
仕方がない。
僕は半年で、地球へ帰らないといけないのだから。
でも僕もみんなも頑張ったから、全然悔いはなかった……、という事にしておくね。
それからみんなで「スコーピオン」へ行き、盛大に「残念会」をやった。
もうみんなは笑っていた。
僕もセリア君もそしてみんなも、いつものにこにこ顔だった。
それからエリアちゃんも来てくれた。
「惜しかったけど、みんなも、そしてダイスケ君も、頑張ったもんね♡」
エリアちゃんは僕にそんな事を言ってくれた。
そして僕はエリアちゃんと一緒にバルコニーに出て、そして星を見た。
約束どおりカシオペアを見たんだ。
季節が過ぎ、夜中にはカシオペアが昇っていた。
驚いた事に、カシオペアは「ダブリュー」ではなかった。
星が一つ多くて、「ジグザグ」になっていた。
★ ★ ★
★ ★ ☆
それでその一つ多い星が僕らの太陽だ。
それは少しオレンジ色がかっていた。確かにあれは僕らの太陽の色だと思った。
そして地球はあの周りを廻っているんだと思うと、何だか不思議な気持ちになった。
それから僕は地球の事を思い出した。
〈みんなどうしているのかな。お父さんも、お母さんも、妹も。そしてお父さん、助かるかな?やっぱり心配だな…〉
それから僕は考えた。
〈それにしてもちっぽけな地球…、その中でどうして民族とか宗教とか政治思想が違うとかそういう理由で、互いに殺し合わないといけないのかな? ねえ地球人さんたち! もうばかだなぁ…〉
ちょうどその頃、スコーピオンの中ではギューリキ君たちの笑い声が響いていた。
また盛大にぶどうジュースの鏡割りでもやっているのだろう。
ギューリキ君、もうすっかり立ち直ったみたい。
その夜、プロキオンズのみんなは、朝までジュースで飲み明かした。
僕はエリアちゃんと星を見ながら…
そしてシーズンオフへとつづく
「おいギューリキ、もはや無邪気にバナナなんぞを食べておる場合ではないのじゃ。さすれば今現在、お前は何馬力なのだ?」
「すすす…、すみません。試合が長くなって腹減って。で、バリキ? あの、僕、ギューリキですが、監督、僕をお忘れですか?」
「分からん奴やなあ。そういう意味ではない。ティーバッティングは何本打ったかって事だ!」
「ティー…、ああそういう事ですか。え~と、昨日までで九万九千九百、え~と…」
ギューリキ君はお尻のポケットから手帳を出し、これを見ながら答えた。彼は意外に几帳面なところがあった。
「え~と、え~と、九万九千九百九十九本です!」
「おう、そんなに打ったのか」
「ええ、一応…、へへへ」
「さすれば行け! 十万馬力打法だ!」
〈やったねギューリキ君。ティーバッティングをやってたかいがあったじゃん!〉
僕は思った。もっとも、代打を出された僕は引込められる事になったけれど。でも、僕の代打がギューリキ君なら文句はない。ずっと一緒に練習を頑張ってきた仲間に、いよいよ出番が来たんだ。
僕にはそれが、自分の事のように嬉しかった。
それからギューリキ君は喜色満面で打席に向かった。
でも、その笑みはぎんぎんにこわばってもいた。
それを見て僕はとても不安になった。
だけどポアシもぎんぎんに緊張していたようだ。「良いイメージ」の僕ではなく、初めて対戦するいかにも怪力の持ち主って感じの打者だから。
そう考えるとお相子だ。
そういう訳で、いよいよ「ぎんぎん対ぎんぎん」の勝負が始まった。ギューリキ君の迫力に恐れおののいた外野手たちはフェンスに張り付いていた。
そしていよいよ最後の最後の勝負が始まった。
それからポアシはギューリキ君に初球を投げた。だけどその初球はポアシ本来の素晴らしい球だった。どういう訳かポアシは、最後の最後になって見事に復活していたんだ。
それを見たセリア君は、僕の横でつぶやいた。
「こういう状況で開き直って、冷静になれるのが本物のエースだ!」
そういう訳で、ギューリキ君はバットを振る暇もなく、いきなりツーストライクに追い込まれた。
ギューリキ君はあまりの球の速さに、小さな目をぱちぱちするしかなかった。
だけどセリア君も僕も、ギューリキ君に打って欲しかったので、僕らはギューリキ君に向かって、大声でこう言ったんだ。
「ギューリキ君! ティーバッティング十万本目だぞ! 行けぇぇぇぇ~~~~~!」
僕らの声に気付いたギューリキ君は一度僕らを見てにこりとして、それから打席を外し、三回ぶんぶんぶんと素振りをしてから打席に戻り、そして構え、そして吠えた。
「さぁ来い!!」
そしてその時のギューリキ君は、いつものティーバッティングの構えに戻っていた。
彼の大きな背中が頼もしかった。
そしてこれで、本当の意味での「お相子」になったんだ。
それからポアシはゆっくりとモーションを起こし、いつも通りの足の上げ方で、いつもどおりのフォームで快速球を投げた。
最後の最後の勝負球の、渾身のストレートだ。
そしてギューリキ君も、いつもどおりのティーバッティングのスイングで、そのボールを思い切り叩いた。
ぐわしゃん!という、ボールが潰れるような物凄い音がした。
ギューリキ君の十万本目のスイングだ。
打球はセンターの頭上へ高々と上がった。
大きな当たりだ!
やった!
逆転満塁ホームランか?
スタンドは悲鳴と歓声に包まれた。
みんなベンチから飛び出した…
だけど、ポアシの気持ちのほうが、ほんの少し上回っていたようだった。
ボールはフェンスのほんの少し手前でやや失速した。
それはフェンス一杯の、大きなセンターフライだったんだ。
こうして僕らのシーズンは終わった。
やがてシリウスの胴上げが始まった。
紙吹雪が舞っていた。
シリウスの本拠地だから、みんな大喜びだ。
スタンドにエリアちゃんの姿も小さく見えた。〈喜んでいるのかな? お兄さんがMVPピッチャーだもんね。でも僕らは負けたから、少しは悲しんでくれるかな?〉
それから僕らプロキオンズの選手全員はベンチ前に並んで胴上げを見た。
セリア君も手に包帯をして、胴上げを見ていた。
包帯は血で真っ赤。目も真っ赤だった。
「ごめんねセリア君。僕のせいで爪を…」
「何を言っているんだい。全然構わないよ。あれも運命さ」なんて、セリア君らしかった。
〈そうか、オーラム星では「怨みっこなし」だったもんね!〉
そしてシリウスの胴上げが終わり、それから、みんなはベンチで後片付けなんかを始めた。
だけどベンチの隅でギューリキ君がぎゃ~ぎゃ~泣き崩れていた。
「うわ~~~~、僕のせいで負けたんだ。これで田舎へ帰される。田舎のみんなになんて言おう。まだどこも壊れていないのにぃ!」
そんなギューリキ君を見て、バナナ監督は彼に声をかけた。
「いい打球だったが…、あ~、惜しかったな。あと少しだぞ。だから来年までに二十万馬力になって来い。また使ってやるよ」
〈良かったね、ギューリキ君。クビにならなくて〉
ギューリキ君のクビが繋がって僕はほっとしていたら、バナナ監督が踵を返し、僕を捕まえてこんな事を言った。
「それからダイスケ! お前は来年までにポアシのあのパームボールを打てるようになって来い。それとシーズンオフは守備の特訓だ!」
「はい!わかりました!」
僕はそう答えたけれど、だけど僕、来シーズンはもう…
僕はずっとこの仲間と野球がやりたかった。
こんなに楽しい仲間と出逢えたのは、これが初めてだった。
だから来年も一緒にやりたかったんだ。
だけどそれはかなわぬ夢だ。
仕方がない。
僕は半年で、地球へ帰らないといけないのだから。
でも僕もみんなも頑張ったから、全然悔いはなかった……、という事にしておくね。
それからみんなで「スコーピオン」へ行き、盛大に「残念会」をやった。
もうみんなは笑っていた。
僕もセリア君もそしてみんなも、いつものにこにこ顔だった。
それからエリアちゃんも来てくれた。
「惜しかったけど、みんなも、そしてダイスケ君も、頑張ったもんね♡」
エリアちゃんは僕にそんな事を言ってくれた。
そして僕はエリアちゃんと一緒にバルコニーに出て、そして星を見た。
約束どおりカシオペアを見たんだ。
季節が過ぎ、夜中にはカシオペアが昇っていた。
驚いた事に、カシオペアは「ダブリュー」ではなかった。
星が一つ多くて、「ジグザグ」になっていた。
★ ★ ★
★ ★ ☆
それでその一つ多い星が僕らの太陽だ。
それは少しオレンジ色がかっていた。確かにあれは僕らの太陽の色だと思った。
そして地球はあの周りを廻っているんだと思うと、何だか不思議な気持ちになった。
それから僕は地球の事を思い出した。
〈みんなどうしているのかな。お父さんも、お母さんも、妹も。そしてお父さん、助かるかな?やっぱり心配だな…〉
それから僕は考えた。
〈それにしてもちっぽけな地球…、その中でどうして民族とか宗教とか政治思想が違うとかそういう理由で、互いに殺し合わないといけないのかな? ねえ地球人さんたち! もうばかだなぁ…〉
ちょうどその頃、スコーピオンの中ではギューリキ君たちの笑い声が響いていた。
また盛大にぶどうジュースの鏡割りでもやっているのだろう。
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