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砂漠の冒険
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それは小学校一年の冬の、とある土曜日のことだった。
「明日から小説を書くぞ!」
そのとき僕は固く決意した。
題はすでに決まっていた。
「砂漠の冒険」
何故にそのような題にしたのかはさっぱり覚えていない。
ともあれその日の夜、新聞の広告のチラシの裏に鉛筆で「さばくのぼうけん」と題名までを書き、続きは明日書こう、そう思った僕はそのチラシを鉛筆と並べてこたつの上に置き、それから布団に入った。
布団の中で作品のイメージがどんどん膨らんでいった…
主人公は僕と同じくらいの小学生数人。
ある日彼らは学校の帰り、時空の捩れによって突然、広大な砂漠へと迷い込んでしまう。
主人公らは最初そのことにとても当惑し、しかし皆で相談した結果、このまま先へ進む以外に助かる方法はないと悟り、それで彼らはその先へと進むことになった。
それから彼らがその広大な砂漠を延々と歩き続けると、突如彼らの目の前に現れたのは、巨大な蜘蛛のような…
そこまで考えたところで僕は豪快に眠くなり、ふわ~~と大あくびをしてから寝た。
次の朝…、とても寒い日曜日の朝。
僕は温かい布団の中でぬくぬくと寝ていた。
そしてふと柱時計を見ると思い切り昼前になっていたので、僕は起きて、そして早速こたつへと向かった。
こたつはすでに暖かかった。
だけど、そのこたつの上にあったのは、鉛筆が一本だけ。
なんと「さばくのぼうけん」と書いたはずのチラシが無い!
「ねえ、お母さん。ここに置いとったチラシは?」
「ああ、今朝は寒かったけん、七輪に火ば入れようと思うて、そのチラシば焚き付けに使うたとたい」
「それじゃそのチラシはもう無いと?」
「もう燃えてしもうたたい」
「もう燃えて…」
その言葉に、僕の心の中で何かが崩れ落ちた。
「あぁぁぁぁ、折角今日から小説ば書こうと思うとったとに!」
そう言うと僕はその鉛筆を真っ二つに折り、二本とも力強く投げ捨てて、そして布団に戻り、丸一日ふて寝をした。
そいう経緯があった関係で、「砂漠の冒険」という小説は、未だ、ただの一行も書けていない。
「明日から小説を書くぞ!」
そのとき僕は固く決意した。
題はすでに決まっていた。
「砂漠の冒険」
何故にそのような題にしたのかはさっぱり覚えていない。
ともあれその日の夜、新聞の広告のチラシの裏に鉛筆で「さばくのぼうけん」と題名までを書き、続きは明日書こう、そう思った僕はそのチラシを鉛筆と並べてこたつの上に置き、それから布団に入った。
布団の中で作品のイメージがどんどん膨らんでいった…
主人公は僕と同じくらいの小学生数人。
ある日彼らは学校の帰り、時空の捩れによって突然、広大な砂漠へと迷い込んでしまう。
主人公らは最初そのことにとても当惑し、しかし皆で相談した結果、このまま先へ進む以外に助かる方法はないと悟り、それで彼らはその先へと進むことになった。
それから彼らがその広大な砂漠を延々と歩き続けると、突如彼らの目の前に現れたのは、巨大な蜘蛛のような…
そこまで考えたところで僕は豪快に眠くなり、ふわ~~と大あくびをしてから寝た。
次の朝…、とても寒い日曜日の朝。
僕は温かい布団の中でぬくぬくと寝ていた。
そしてふと柱時計を見ると思い切り昼前になっていたので、僕は起きて、そして早速こたつへと向かった。
こたつはすでに暖かかった。
だけど、そのこたつの上にあったのは、鉛筆が一本だけ。
なんと「さばくのぼうけん」と書いたはずのチラシが無い!
「ねえ、お母さん。ここに置いとったチラシは?」
「ああ、今朝は寒かったけん、七輪に火ば入れようと思うて、そのチラシば焚き付けに使うたとたい」
「それじゃそのチラシはもう無いと?」
「もう燃えてしもうたたい」
「もう燃えて…」
その言葉に、僕の心の中で何かが崩れ落ちた。
「あぁぁぁぁ、折角今日から小説ば書こうと思うとったとに!」
そう言うと僕はその鉛筆を真っ二つに折り、二本とも力強く投げ捨てて、そして布団に戻り、丸一日ふて寝をした。
そいう経緯があった関係で、「砂漠の冒険」という小説は、未だ、ただの一行も書けていない。
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