異世界でエルフに転生したら狙われている件

紅音

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20.祝福

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「レオン、ちょっといいかしら」
「レオン、悪い。俺からも話あるわ」

「?…わかった」

「あ、あああアル。アルは、こっちでオレと先に朝飯食おうぜ。っと、無理しないでゆっくり歩いていいからな。」

「?…わかりました」

階段を下りて宿の食堂に入ると、もう先にミリアさん達が集まっていた。

どこか様子のおかしい三人に僕とレオンさんは顔を見合わせて首を傾げるが、言葉を交わす前にレオンさんはミリアさんとファルコンさんに。僕はリヒトに腕を引かれ、別々の場所に連れて行かれた。



「リヒト」

「ほぇ!?な、なんだ?どうかしたか?」

ただ肩を叩いただけなのに、あからさまに驚かれてしまった。
この反応…、なんだか既視感を感じる。

「ごめんなさい、驚かすつもりはなかったのですが…。リヒト、もしかして昨晩あんまり寝れてないのではないですか?目の下にクマが出来ています。」

そう言って僕がリヒトの目元に触れると、リヒトは大げさに肩をびくつかせて、あはは、と苦笑いを浮かべた・

「そんな心配されるようなことじゃないから、大丈夫だぜ。アルは優しいな」

「…いえ、そんなことはありません。」













一方その頃レオン達はというと。


「レオン、私達の言いたいことが何か、分かってるわよね。」

「………?」

「まさか昨日何がどうだったなんて言わせようと思ってんじゃねぇんだろうな?」

「…あ」

「「あ、じゃない!!」」

「い、いや、別にお前等に迷惑をかけるつもりはなく、ただ、その、成り行きでああいう雰囲気になってだな…―」

「言い訳はいいのよ!その行為自体はあまり問題ないの!でもね、場所をわきまえなさい!!」

「いや、行為も結構問題だけどな!?
お前等の隣の部屋にいた俺とリヒトがいったいどんな気持ちでいたと思うんだよ…。」

「……すまん」

「私だって突然アル女神のセクシーであんな声やこんな声が聞こえてきたからさすがにビビちゃって眠ってるどころの騒ぎじゃなかったんだからね、もう!!」

「……いや、…あれは女神と言うより天のつk――ンン"。本当にすまなかった。」

危うく口から出そうになった本音を咳払いでごまかし、二人に頭を下げるレオン。

それを見て、二人は大きなため息を吐き、

「大事にしろよ」

「大事にしなさい。傷付けたら、いくらレオンでも許さないからね」

と、呆れたように、けれどもしっかりと。

二人の関係を祝福した。
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