2 / 2
婚約者と幸せになりたいと思ってましたが、結果彼だけが不幸になりこの地を去りました。<後>
しおりを挟む
「あの家に住んでいるのは、城の王子を自分のものにしようとした悪女だ。元は城に仕えていた使用人の女だが、王子に恋するあまり周りの女を敵視するようになり…終いには怪しい呪術を用い呪い殺そうとまでした。それに恐れをなした王子は彼女を城から追い出し、あの屋敷に住まわせたんだ。」
「だからこの辺りの者は、あの女を呪いの魔女と呼んでいるの。」
「じゃあ初めて会った時、俺を王子だと、迎えに来てくれたと言ったのは…。」
「あの女はまだ王子の事を諦めてはいない。その虚しさや寂しさを、お前という男で埋めているのだろう。そこでだ…お前に王子からの命を言い渡す。あの女と共に、この地を出て行くがいい。」
「それはまさか…追放という事か!?」
「そうだ、この先ずっと王子に代わりお前があの女の相手をするんだ。別に嫌ではないだろう?お前は彼女に、いつも愛を囁いていたと言うじゃないか。」
「お、俺にはせっかく手に入れた今の地位が…それにもうすぐ彼女と結婚を─」
「私、もうあなたと結婚はしません。婚約は破棄させて貰います。」
「何!?」
「あなたが女の、しかもあの魔女の所に行ってるなんて思いませんでした。あんな恐ろしい女と愛を交わしていた男と結婚?冗談じゃないわ。それに父も大変なお怒りです、お前のような男はどこへなりとも行ってしまえと。罪人と浮気者…中々お似合いだと思うわよ?」
「そ、そんな…俺は心を入れ替える、だから─!」
※※※
彼は涙を流し反省の言葉を述べたけど、私はそれを受け入れなかった。
浮気男なんて要らないし、何より王子の命令だもの…逆らって私まで罰を受けるのはご免だわ。
結局彼は、あの女と共に辺境の地へと追放された。
荒れた土地に建てられた小屋に、彼女と2人ひっそりと暮らしているそうよ。
出来心で浮気しこんな結果になった事を毎日嘆いていると、国の使者が言っていた。
私はその話を、新しい婚約者が決まった後に聞いた。
2人揃って幸せになりたいと思ってたけど…結局幸せになれたのは、私だけだったみたいね─。
「だからこの辺りの者は、あの女を呪いの魔女と呼んでいるの。」
「じゃあ初めて会った時、俺を王子だと、迎えに来てくれたと言ったのは…。」
「あの女はまだ王子の事を諦めてはいない。その虚しさや寂しさを、お前という男で埋めているのだろう。そこでだ…お前に王子からの命を言い渡す。あの女と共に、この地を出て行くがいい。」
「それはまさか…追放という事か!?」
「そうだ、この先ずっと王子に代わりお前があの女の相手をするんだ。別に嫌ではないだろう?お前は彼女に、いつも愛を囁いていたと言うじゃないか。」
「お、俺にはせっかく手に入れた今の地位が…それにもうすぐ彼女と結婚を─」
「私、もうあなたと結婚はしません。婚約は破棄させて貰います。」
「何!?」
「あなたが女の、しかもあの魔女の所に行ってるなんて思いませんでした。あんな恐ろしい女と愛を交わしていた男と結婚?冗談じゃないわ。それに父も大変なお怒りです、お前のような男はどこへなりとも行ってしまえと。罪人と浮気者…中々お似合いだと思うわよ?」
「そ、そんな…俺は心を入れ替える、だから─!」
※※※
彼は涙を流し反省の言葉を述べたけど、私はそれを受け入れなかった。
浮気男なんて要らないし、何より王子の命令だもの…逆らって私まで罰を受けるのはご免だわ。
結局彼は、あの女と共に辺境の地へと追放された。
荒れた土地に建てられた小屋に、彼女と2人ひっそりと暮らしているそうよ。
出来心で浮気しこんな結果になった事を毎日嘆いていると、国の使者が言っていた。
私はその話を、新しい婚約者が決まった後に聞いた。
2人揃って幸せになりたいと思ってたけど…結局幸せになれたのは、私だけだったみたいね─。
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
16
この作品の感想を投稿する
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる