呪われし偽物令嬢と嫌われてましたが…ある出会いにより、幸せを手にする事が出来ました。

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呪われし偽物令嬢と嫌われてましたが…ある出会いにより、幸せを手にする事が出来ました。

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「婚約者が呪われし偽者似令嬢とは…全く嫌になる!」

「申し訳ありません…。」
 
 私は婚約者である男に、頭を下げ詫びた。

 呪われし偽物令嬢か─。
 
 そりゃあ、こんな髪の色と目の色をしてればね。
 一族で、こんな容姿を持つのは私だけだもの。

 呪われた子、実はこの家の娘ではない…いつしかそう噂される様になり、付いたあだ名が「呪われし偽物令嬢」だった。

「…下がれ、お前が近くに居ると気分が悪くなる!」

 私はもう一度彼に頭を下げると、その場を去った─。

※※※

「あらお姉様、また彼を怒らせちゃったの?」

 すると妹が玄関に立って居て、私に話しかけて来た。

 この子…また遊びに来たのね。

「全く…婚約者の機嫌一つ取れないでどうするのよ?そんなんじゃ、彼の婚約者の座は私のものになるわよ。」
 
 そう言って、妹はご機嫌な様子で彼の元へと向かった。

 私は気分転換に庭に出ると、噴水のほとりに腰掛けた。
 その水面には、こちらを見つめ返す自身の顔。

「どうして私は、こんな髪と目の色をしているの…?私も、妹と同じなら良かったのに…。そしたら、彼にもあんな事を言われず、大事にして貰えたかもしれないのに…!」

 その時、屋敷の門の前に、誰かが倒れている事に気付いた。

 彼は領主だから…もしかしたら、領民が彼を頼り、ここへ来たのかも─!

 そう思った私は、慌ててその人物の元へと駆け寄った─。

「大丈夫ですか?しっかりして下さい!」

 そこに居たのは、全身ボロボロの服を纏ってはいるが、とても美しい男の人だった。

 というか…この人の髪の色、私そっくりだわ。

「…うっ。」

「気が付かれました…?あっ─!」

 目覚めた彼が、私を見た瞬間…私は驚きの声を上げた。

 嘘…瞳の色まで私と同じだわ!

 すると彼も、私を見て一瞬驚いた顔をし…そして、涙を流した。

「やっと会えた…、俺の運命の相手に─!」

※※※

「ねぇ~、お姉様とはいつ別れてくれるの?」

「もうすぐさ。今裏で根回しをしてるから、待っててくれよ。」

「あぁ…金で雇った男たちにお姉様を襲わせ、不貞を働いた事にするっていう?」

「男たちには話は付けてある。後はそれを実行するだけさ。」

 俺だって、あんな気味の悪い女とは、早くおさらばしたいんだ。

 だが…俺の父親は何故か反対して。

 というのも、あの女の髪や目には、神聖な力が宿っている。
 あれは、神に愛された娘の証拠だ…などど、根拠もない事を言い張るのだ。

 全く…年寄の世迷言に、これ以上付き合ってられるか。

「あんな女とは早く婚約破棄し、君と結ばれたいよ。」

 俺は、笑みを浮かべる妹を抱き締めようとしたが…それは叶わなかった。

「では、もうこの場で婚約破棄しましょう。」

「お、お前…いきなり入って来るな…何だ、その汚いらしい男は。おいお前、変な病気でも持ってないだろうな!?」

「お姉様ったら…いくら彼に相手にされないからって、そんな浮浪者─」

「彼は、この国の第三王子…浮浪者などではありませんよ。」

「だ、第三王子は、病で亡くなったんじゃ…?」

「俺は病に罹ったが…奇跡的に命を取り留めた。そして死の淵で、この地の守護神と会話をした。それはこの国のどこかに、俺の運命の相手が居るというものだ。そして神は、こうも言った。目が覚めた時、お前の髪と目の色は、その運命の相手の娘と同じ色に変化していると─。」

「確かに…二人共同じ色だわ…。そんな、お姉様が王子の運命の相手だなんて…。お、王子!姉ではなく私の方が若くて美しいです!是非私の方を─」

「悪いが俺は、君の様に見た目で人を判断する人間は好かない。大体…そんな人間に妃は務まらない。」

「そ、それは…。」

「お、お前は俺と婚約するんだろう!これだから尻軽女は…!おい、俺はお前がそんな立派な女とは知らなかったんだ…だから、このまま婚約を─」

「お断りです。さっきの話…この耳でちゃんと聞きました。あなたのやろうとした事は、立派な犯罪です。そんな男と、この先添い遂げたいと思う訳がないでしょう?」

「うっ…!」

「彼女は俺の妃となる身だ。そんな彼女に危害を加えようと計画したお前たちを、見逃す訳にはいかない。お前たちには王家への反逆罪、不敬罪で罰を与える事にしよう。」

「何!?」

「そんな…!」

※※※

 その後二人は、駆けつけた憲兵によって、身柄を拘束…その後牢に入れられた。
 そして厳しい拷問を受けた後に、この国からの追放を受けた。

 一方私は、王子と共にお城に行く事となり…その後、彼の妃となった。

 そんな私の髪と瞳の色を見て、もう誰も呪いがかけられているとは言わなない。
 
 私自身、王子とお揃いのこの髪と目の色を、今ではとても気に入っているし、誇りに思っているわ─。
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