醜いと評判の王子に嫁ぐ事になりましたが…彼は私の理想通りの方で、幸せになれました。

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醜いと評判の王子に嫁ぐ事になりましたが…彼は私の理想通りの方で、幸せになれました。

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「お姉様って本当に地味で存在感が無いわね。だから男に相手されないのよ?」

 私を見下す美人の義妹。
 まさか、この子と同時期に同じ国に…それも王家に嫁ぐ事になろうとは。

 私は兄の第一王子、義妹は弟の第二王子の妃になるのだ。

「あちらの国に行っても、仲良くしてあげるわ。そうじゃなきゃ、あなたが余りに憐れだし?だって、あの醜いと評判の第一王子がお相手って…。」

 あなたのお相手の第二王子は、美形と評判だものね…さぞや気分がいいでしょう。

 あの国に行く前は、そう思って居たのに…まさか、こんな事になるとは─。

※※※

「よく来てくれたな。我が息子の王子たちは、それぞれの部屋でお前たちの訪れを待って居る。王である私への挨拶が住んだら、早く行くがいい。」

「はい、王様!私、第二王子に会いたくて会いたくて…もう待ちきれなかったんです!」

 そう言って、義妹は王の元を去って行った。

「…第一王子のあの子は、大層醜くてな…。お前には申し訳ないが…。」

「いえ。どんな容姿であれ、私はこの国に、王子の元に来れて光栄です。私も、早速彼に会って参ります。」

 私は王に頭を下げ、玉座の間を後にした─。

「失礼します……?」

 部屋が真っ暗だわ…。

 すると、闇の中から若い男の声がした。

「来てくれてありがとう。俺は君の夫となる第一王子だ。でも、この醜い顔を見られたくなくて…。」

「王子…私は相手の容姿より、中身を大事にしたいと…そう思って居ます。ですから…部屋の灯りを付けて頂けないでしょうか?」

 ややあって、王子の分かったと言う声がした。

 すると、王子がランプを付けたのだろう…部屋の中が、パっと明るくなった。

 そして、私の視線の先に居たのは…まるで彫刻の様な、それはそれは美しい青年だった。
 
 何て素敵なの…。
 私と違い、目鼻立ちがハッキリしてて…。

 この彼のどこが醜いと言うのよ!?

「やはり、俺の顔は醜いか…?」

 驚き固まっていると、私がショックを受けそうなったのだと王子は思ったらしく、不安そうに声をかけて来た。

「とんでもないです!あなたは、まさに私の理想そのもの…あなたの妃になる事が出来て、本当に嬉しく思います。」

 そして王子と話す内に…この国は元居た国と、美醜の基準がかなり違う事が判明した。
 
 この国では、どうやら私のような地味顔でボヤッとした薄い顔の方が、美人、美形だと思われるらしい。

「こんなに美しい妃を持てて、俺は幸せだ…。」

「私も…こんなに素敵な方の妃になれるなど、夢のようです。」

 私たちは、まさにお互いが理想そのものだったのだ。

 あれ…そう言えば、義妹のお相手の第二王子は、この国一の美形と言われてたんじゃ…?

 と、言う事は─。

※※※
 
 翌朝、朝食を一緒に取る予定だったので、用意された部屋に行ってみれば…義妹は死んだような目をし、ぼうっと座っていた。

 そして、その傍らには…不機嫌な顔をした第二王子が─。

 彼は私を見るなり、義妹を怒鳴りつけた。

「やはり、姉の方が美人じゃないか!この大嘘つきが!」

「だ、だって私はこれまで、あの人より美しいと…どの娘よりも美しいと言われてきたのに~!」
 
 そう言って、義妹はポロポロと涙を零した。
 
 そして、私をキッと睨み付け叫んだ。

「何よ、そんな派手なドレスを着ちゃって!その顔で本当に似合ってると思ってるの?この国でちやほやされたからっていい気になってるんじゃないわよ、この勘違いブス!」

「あなた…まだ美人とかブスとかそんな事にこだわっているの?国が変われば価値基準も変わるのだから、そんな事─」

「うるさいわね…私みたいな女がちやほやされない国なんて、どうかしてるわ!?こんな国に来るんじゃなかった…いっその事、こんな国など滅んでしまえ─!」

 すると、それを聞いた第二王子と、部屋に入って来た第一王子、王が驚きの顔で義妹を見た。

「い、今、何と言った…?」

「お、王様!今のは、その…。」

「父上!こいつは確かに、国が滅べと言った!俺の妃になったというのに、何て女だ!」

「だ、だってあなたが、私の容姿を馬鹿にするから…。わ、私はね…あなたよりもこの第一王子の妃になりたいわ!醜い何て嘘じゃない!どうしてこうなるのよ~!」

「生憎だが…容姿だけで人を判断する女は好かない。彼女とは一晩中、色々な話をしたが…彼女と過ごす時間はとても楽しく幸せだった。高飛車で傲慢な君とは…とてもそんな時間は過ごせそうにないな。」

「そ、そんな…。」

 あっさり第一王子に振られてしまった義妹は、その場にガクリと崩れ落ちた。

「お前の様な娘は、第二王子の妃に在らず。この国を悪く言うお前を反逆者とみなし、この場で捕らえる!」

「王様!さっきのはつい勢いで…ちょっとお姉様、見てないで助けてよ!?」

「お断りです。あなたの人を見下した態度は、いつか身の破滅を呼ぶと思ってました…。私を不快にさせるならまだしも、国相手では…同情する事も庇う事も出来ませんよ。」

※※※

 そして義妹は王の命で捕らえられ、すぐに牢へと入れられた。
 彼女は、罰として暫く幽閉され…その後は国外追放…自国へと送り返される事となった。

 国に戻った彼女は、あの国がいかに酷い国で、自分は無実…被害者なのだと周りの者に訴えたそうだけど…元々美醜で人を見下していた彼女だったからちっとも同情されず、むしろいい気味だと笑い者になってしまったらしい。
 
 そのせいでいい縁に恵まれず、再婚する事も叶わず…しかも実家からも見放され、一人寂しく暮らしているそうだ。

 互いに王子のお相手に選ばれた時は、まさかこんな事になるとは思ってなかったわ。
 嫁ぎ先があの国でなかったら、絶対に起こらなかった逆転劇でしょうね─。
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