妹を庇ったら婚約破棄された、なので私は自由の身です。

coco

文字の大きさ
1 / 2

妹を庇ったら婚約破棄された、なので私は自由の身です。<前>

しおりを挟む
「お前とは、婚約破棄こんやくはきだ!」

「シオン様…それじゃ、お姉様が可哀かわいそうですわ。」

「何ていい子なんだ…。君は、俺が守るから!」

「シオン様…!」

 …何、この茶番ちゃばん

※※※

 事の始まりは、私が妹をかばったことだった。

「危ない、エミリー!」

 ガシャン!

 妹の頭をめがけて落ちて来た、植木鉢うえきばち

 妹はひどおびえ、その日から私のそばはなれないようになった。

 それから、妹に数々の危険きけんが及ぶようになった。
 階段かいだんから突き落されそうになったり、歩いていたらみょう液体えきたいをかけられたり…。

 そのたびに、私は犯人はんにんを突き止めようとした。

 でも、肝心かんじんの妹がそれを拒否きょひしたのだ。

「そんなことしたら、お姉様がうらみを買ってしまいます。今だって私を守るために、こんな怪我けがをして。放っておけば、そのうちおさまるわ。だからそれまで、私から離れないで?」

 私は、妹の言葉通りにした。

 それからしばらくして、私は婚約者のシオン様に呼びだされた。

「おいメアリー、お前最近俺のことをけているだろう!このところ、デートもことわるし。」

「ごめんなさい。実は妹が…。」
 
 私はシオン様に、妹のことを話した。

「ほう…果たしてそれは、本当か?お前が男と遊んでいる、そんなうわさを耳にしたんだがな。今度、お前の妹にも聞いてみるか。」

 そう言って、シオン様は去って行った。

 それから、少ししてだ。
 妹とシオン様の距離きょりが、やたらと近くなったのは。

「…エミリー、今日もシオン様と会うの?」

「シオン様がね、男が傍に居た方が犯人も寄ってこないって。だからお姉様は、もう私を守ってくれなくてもいいわ。これでお姉様も、れて自由の身ね!これからは、好きなように過ごしてもらってかまわないわ。」

「エミリー、むかえに来たぞ。俺たちは出かけるから、メアリー、お前は好きにしろ。…何だ、また怪我したのか。本当に汚い顔になったな!」

 2人の背中せなかを見送る私。

 …これじゃあ、まるであの2人が婚約してるみたいじゃない。

 何で、こんなことになったの?
 私は妹を庇い続けたのに…一体、何でこんなことに!

※※※

「…分かりました。でもその前にエミリー、これを見て?」

 私はエミリーに、1枚の紙を差し出した。

「…こ、これ、どうしてお姉様が!?」

「見覚えがあるみたいね。これは、契約書けいやくしょよ。あなたが、ある人物と交わしたね。」

「おい、俺にも見せろ。…何だこれは?契約者エミリーを、死なない程度ていどに傷つけろ…?」

「エミリー、あなた男を金でやとって、自分をおそわせてたでしょう。」

馬鹿ばか言うな、何でエミリーがそんなことするんだ?」

「私とシオン様を引き離す為よ。そして、シオン様に自分を守ってもらう為。エミリー…あなたの思惑おもわく通り、私はシオン様との時間より、あなたを守ることを優先ゆうせんした。そしてあなたは言葉巧ことばたくみに、今度はシオン様に自分を守ってもらうように仕向けた。こうして私とシオン様は、すれちがうようになった。…私が男と遊んでるっていう噂。あれもエミリー、あなたの仕業しわざね。あなたを襲った男に、そんな噂を流すように命令めいれいしたんでしょ?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

特殊能力を持つ妹に婚約者を取られた姉、義兄になるはずだった第一王子と新たに婚約する

下菊みこと
恋愛
妹のために尽くしてきた姉、妹の裏切りで幸せになる。 ナタリアはルリアに婚約者を取られる。しかしそのおかげで力を遺憾なく発揮できるようになる。周りはルリアから手のひらを返してナタリアを歓迎するようになる。 小説家になろう様でも投稿しています。

せっかく家の借金を返したのに、妹に婚約者を奪われて追放されました。でも、気にしなくていいみたいです。私には頼れる公爵様がいらっしゃいますから

甘海そら
恋愛
ヤルス伯爵家の長女、セリアには商才があった。 であれば、ヤルス家の借金を見事に返済し、いよいよ婚礼を間近にする。 だが、 「セリア。君には悪いと思っているが、私は運命の人を見つけたのだよ」  婚約者であるはずのクワイフからそう告げられる。  そのクワイフの隣には、妹であるヨカが目を細めて笑っていた。    気がつけば、セリアは全てを失っていた。  今までの功績は何故か妹のものになり、婚約者もまた妹のものとなった。  さらには、あらぬ悪名を着せられ、屋敷から追放される憂き目にも会う。  失意のどん底に陥ることになる。  ただ、そんな時だった。  セリアの目の前に、かつての親友が現れた。    大国シュリナの雄。  ユーガルド公爵家が当主、ケネス・トルゴー。  彼が仏頂面で手を差し伸べてくれば、彼女の運命は大きく変化していく。

婚約者を奪うことが大好きな妹は最終的にその行いを皆に知られてしまい滅びました、ざまぁですよ。

四季
恋愛
婚約者を奪うことが大好きな妹は最終的にその行いを皆に知られてしまい滅びました、ざまぁですよ。 そして私は……。

悪妻と噂の彼女は、前世を思い出したら吹っ切れた

下菊みこと
恋愛
自分のために生きると決めたら早かった。 小説家になろう様でも投稿しています。

私は今、義妹と元婚約者の火遊びのお陰でとっても幸せです。

下菊みこと
恋愛
元婚約者に事実を伝えるだけ。ちょっと悪意のある毒舌?あとちょっとしたざまぁもあります。 主人公は、義妹に婚約者を取られる。でも、義妹も婚約者も勝手に落ちぶれたので特にざまぁ展開もなかった。なのにある日、偶然にも元がつくようになった婚約者と出先で出会ってしまう。そして今更愛を囁く彼に、事実を突きつけることにした。 小説家になろう様でも投稿しています。

大切にしていた母の形見のネックレスを妹に奪われましたが、それ以降私と妹の運は逆転しました!

四季
恋愛
大切にしていた母の形見のネックレスを妹に奪われましたが、それ以降私と妹の運は逆転しました!

悪役令嬢に仕立て上げられたので領地に引きこもります

下菊みこと
恋愛
ギフトを駆使して領地経営! 小説家になろう様でも投稿しています。

婚約者と間違われ、婚約破棄すると騒がれて迷惑を被りましたが、その後の展開は嬉しい驚きの連続でした

珠宮さくら
恋愛
婚約者も居ないのに婚約破棄するといきなり言われ、矢面に立つことになったラヴェンダー。 ありえない勘違いから始まったそれはラヴェンダーにとって、とばっちりでしかなかったはずが、運命をわける一大イベントを最大限に演出するために必要不可欠なもののようになっていく。 ※全3話。

処理中です...