6 / 12
06.ぴーちゃん
しおりを挟む
シアンが玄関のドアを開けると、そこにはディシュリーンが立っていた。
「こんにちは。ぴーちゃんの様子を見に来たの。今、いい? あ、誰かお客様?」
玄関にある靴を見て、言ったようだ。
「うん。レコルトが来てるんだ。いいよ、上がって」
これが別のクラスメートだったら「なぜディシュリーンがシアンの家へ?」となってまずかったりするのだが、レコルトは事情を知っているから気を遣う必要がない。
「おっ邪魔しまーっす」
「やっぱり、ディシュリーンか。元気な声がすると思ったんだ」
「死にそうな声より、ずっといいでしょ。ねぇ、ぴーちゃんは元気?」
ディシュリーンの言葉に、レコルトは首をかしげる。
「ぴーちゃんって……このひなのこと?」
「そうよ。あー、元気そうねー」
ディシュリーンを見て、ディシュリーン曰くの「ぴーちゃん」は、元気よく鳴き声を上げる。
「こいつ、そういう名前なの? 誰がネーミングしたんだい?」
「あたしよ。だって、名前ないと呼びにくいじゃない」
そう言われてみれば、ひなに名前を付けていなかったな、とシアンは遅ればせながら思った。
「ぴーぴー鳴くから、ぴーちゃん? 単純すぎない? ディシュリーンはもう少しネーミングセンスがある……と思ってたんだけど」
「だって、まだオスかメスかもわからないんだもの。ちゃんとした名前を付けられないじゃない。レコルト、その子、どっちだかわかる?」
問われて少しひなの身体を調べたレコルトは、首を横に振った。
「……わからない」
「レコルト、獣医志望なんでしょ。そんなのもわからないの?」
ディシュリーンが不満そうに言う。
「目立って判別できるものがないんだ。時々、いるんだよ。ひなの、と言うか子どもの時には性別がわからなかったり、環境によって初めて性別が確定したりする動物が」
これもまた、シアンは気にしていなかった。種類のわからない鳥のひな、というだけで。ひよこに限らず、鳥の性別なんて考えたこともなかった。
「へぇ、そういうのがいるのか。やっぱり宇宙って、広いんだなぁ。それじゃ、大人になるまでどっちになるか、本人にもわからない訳?」
「そういうこと。雌雄同体ってことはないだろうけど。ってことは、どっちに転んでも差し支えのない『ぴーちゃん』は、案外いい名前かもね」
レコルトは最後のセリフを、笑みを含みながら言った。
「なーんとなく、バカにされてる気がするんだけど。あ、シアン。ごめんね。あたし、勝手に名前をつけちゃったけど。もしかして、シアンはちゃんとした名前、付けてた? それなら、そっちの名前で呼ぶから」
「いや、ぼくは付けてないよ。完全に忘れてたんだ。それに、飼い主が見付かるまでだろ。ちゃんとした名前を付けると情が移って、別れる時に淋しくなるかも知れないしね」
「そうなの? よかった」
拾い方が特殊すぎたので、本当に飼い主が見付かるか、という不安はあるのだが。
「それで、レコルト。ぴーちゃんが何の鳥かっていうの、わかった? あたしが来るまで、見てたんでしょ」
シアンが何も命名していなかったので「ぴーちゃん」があっさり定着してしまったようだ。
「ごめん、わからなかった」
「え……レコルト。それって、冗談抜きで?」
ディシュリーンが、レコルトにずいっと詰め寄る。
「悪いけど、冗談抜き。鳥に関しての経験や勉強が、まだまだ不足してるな。たいがいの鳥は知ってるつもりだったけど、ぴーちゃんに関してはわからないよ」
シアンとディシュリーンは、二人してちょっとがっかりする。レコルトなら、この鳥が何かというのを答えてくれる、と期待していたのだ。
「ぴーちゃんって、そんなに特殊な鳥? レコルトにもわからないってことなら、そんじょそこらにいるような鳥じゃないとか……。んー、そんな鳥のたまごが、自動販売機の下に落ちてるはずはないか」
「どんな鳥でも、自販機の下にたまごが落ちてるってことは少ないと思うけど……。このぴーちゃん、こういう種類だって決め手がないんだ。大きくなれば、もっとしっかりした特徴が現れるはずだから、それまで……ってその時には引き取られてるかな」
自分のことが話題にされているとも知らず、ぴーちゃんはエサをつつき、かまってほしいのか、時々シアンやディシュリーンに向かってぴーぴーと鳴く。
「普通の鳥のエサ、やってるの?」
小皿に入れられたエサを見て、レコルトがシアンの方に顔を向ける。
「何を食べさせていいのかわからなくて。だけど、やる物全て、しっかり食べるんだ。思いっ切り雑食だね。昨日、ごはん粒やそぼろをやったら食べたし」
「そぼろ? それって肉だろ。ぴーちゃん、肉も食べるのか?」
「あら、鳥って虫を食べるじゃない」
「虫と人間が食べる肉じゃ、違うだろ。猛禽類じゃあるまいし、肉を食べるような鳥には思えないけど」
「ぼく、もしかしておかしな味を覚えさせた?」
雑食ぴーちゃんは、つぶらな瞳で不安顔のシアンを見つめ、ぴーぴーとのんきそうに鳴いていた。
☆☆☆
次の日。
珍しく早い時間に目が覚め、朝食の後に少し時間ができたシアンは新聞を読んでいた。
その目が、ある記事の見出しで止まる。
そこには「数日前に星砂鳥のたまごが盗まれていた」という記事が載っていた。保護センターがチェックしていた数より明らかに少なくなっている、という内容だ。
星砂砂漠には、星砂鳥以外の生物は生存しておらず、故にたまごを狙う天敵となる動物はいない。割れたりしたのなら、その殻が残るはず。
だから、食われたのでもない。盗まれた以外に考えられない、ということのようだ。
シアンはこの記事で初めて、ファルグにしかいない鳥のことを知った。鳥の性質も、おおまかに書かれている。
たまごが盗まれた。たまごって……あのたまご、かなぁ。
シアンがたまごを拾った時期と、盗まれたらしい時期がとても近い。色や形も、拾ったたまごの状態にそっくりだ。
横には、何も知らずにエサをついばんでいるぴーちゃんがいた。
そんなすごい鳥には見えないんだけど……。
新聞の記事を頭の中で繰り返し思い出しながら学校へ行き、シアンはレコルトにその話をした。
本当なら、一番にディシュリーンにこの話をしたかったのだが、シアンが直接ディシュリーンに話をするのはためらわれた。
シアンはあの「自転車にディシュリーンを乗せた件」で、彼女のことに関してはクラスの男連中に目をつけられているのだ。
「そうか。ぴーちゃんが星砂鳥だったとはね。あの鳥は特別で、センターがしっかり保護しているんだ。一般の人間は見ることはあっても、触る機会は滅多にないんだよな」
レコルトは星砂鳥について、かいつまんで説明してくれた。
「ぼくもひなは見たことがないし、親鳥だって触ったことがない。ぴーちゃんの正体がわからなかったはずだよ。あ、ディシュリーン」
友達としゃべりながら教室へ入って来たディシュリーンを、レコルトが呼んだ。レコルトが彼女と話をする場合に限り、目をつけられないのだ。
「ぴーちゃんの正体がわかったよ」
「……レコルト、ぴーちゃんが怪物みたいな言い方、やめてくれよ」
シアンの訴えは無視して、レコルトはディシュリーンに星砂鳥のたまごが盗まれていた話と、恐らくぴーちゃんが星砂鳥のひなであろう、ということを話した。
「あ、そうそう。今朝のニュースで出てたわ。星砂鳥のひなが、街の外れでたくさん見付かったって」
出掛ける間際にそのニュースが聞こえ、テレビの方を振り向いた時にはもう次の話題に変わっていた。
「映像を観損ねたから、ひながどんな感じかはわからなかったんだけど……。そっか。観られていたら、きっとぴーちゃんの団体がいたって訳ね」
「……まさか、ぼくがたまごを盗んだ犯人だなんて思われない、よね?」
動かぬ証拠のぴーちゃんが、シアンの家にはいる。特別な鳥なのだ、単なる窃盗罪程度では済まないかも知れない。
「大丈夫よ、そんな心配しなくっても。拾ってすぐ、警察に届けてあるんだから。それに、あたしが証人になれるわ。警察には信用あるから、大丈夫」
ディシュリーンにそう言ってもらえると、少し安心する。それに、似ているからと言って、絶対にぴーちゃんがそうだとはまだ言い切れない。
「とりあえず、星砂鳥のひながどんな姿形なのか、しっかり確かめないとね。実は違う鳥なのに、拾いました、なんて報告したら、質の悪いいたずらだとか何とか言われて叱られかねないから。とりあえず、俺が調べてみるよ」
「それで、もしぴーちゃんがその星砂鳥だったら?」
「その時は、警察と保護センター両方に連絡することになるわね。あの鳥の管理は保護センターの管轄だけど、シアンは落とし物として届けてるでしょ。順番はどっちが先になるか、あたしもわからないけど。星砂鳥は、一般の人が勝手に捕まえたり、飼育しちゃいけないことになってるの」
「そうなんだ……。あーあ、来て早々にすごいたまごを拾っちゃったなぁ」
シアンがファルグへ来て、まだ一ヶ月も経っていない。それなのに、この星の人だってじっくり見る機会のない、特別な鳥と関わってしまった。
これは運がいいのか、悪いのか。
「こんにちは。ぴーちゃんの様子を見に来たの。今、いい? あ、誰かお客様?」
玄関にある靴を見て、言ったようだ。
「うん。レコルトが来てるんだ。いいよ、上がって」
これが別のクラスメートだったら「なぜディシュリーンがシアンの家へ?」となってまずかったりするのだが、レコルトは事情を知っているから気を遣う必要がない。
「おっ邪魔しまーっす」
「やっぱり、ディシュリーンか。元気な声がすると思ったんだ」
「死にそうな声より、ずっといいでしょ。ねぇ、ぴーちゃんは元気?」
ディシュリーンの言葉に、レコルトは首をかしげる。
「ぴーちゃんって……このひなのこと?」
「そうよ。あー、元気そうねー」
ディシュリーンを見て、ディシュリーン曰くの「ぴーちゃん」は、元気よく鳴き声を上げる。
「こいつ、そういう名前なの? 誰がネーミングしたんだい?」
「あたしよ。だって、名前ないと呼びにくいじゃない」
そう言われてみれば、ひなに名前を付けていなかったな、とシアンは遅ればせながら思った。
「ぴーぴー鳴くから、ぴーちゃん? 単純すぎない? ディシュリーンはもう少しネーミングセンスがある……と思ってたんだけど」
「だって、まだオスかメスかもわからないんだもの。ちゃんとした名前を付けられないじゃない。レコルト、その子、どっちだかわかる?」
問われて少しひなの身体を調べたレコルトは、首を横に振った。
「……わからない」
「レコルト、獣医志望なんでしょ。そんなのもわからないの?」
ディシュリーンが不満そうに言う。
「目立って判別できるものがないんだ。時々、いるんだよ。ひなの、と言うか子どもの時には性別がわからなかったり、環境によって初めて性別が確定したりする動物が」
これもまた、シアンは気にしていなかった。種類のわからない鳥のひな、というだけで。ひよこに限らず、鳥の性別なんて考えたこともなかった。
「へぇ、そういうのがいるのか。やっぱり宇宙って、広いんだなぁ。それじゃ、大人になるまでどっちになるか、本人にもわからない訳?」
「そういうこと。雌雄同体ってことはないだろうけど。ってことは、どっちに転んでも差し支えのない『ぴーちゃん』は、案外いい名前かもね」
レコルトは最後のセリフを、笑みを含みながら言った。
「なーんとなく、バカにされてる気がするんだけど。あ、シアン。ごめんね。あたし、勝手に名前をつけちゃったけど。もしかして、シアンはちゃんとした名前、付けてた? それなら、そっちの名前で呼ぶから」
「いや、ぼくは付けてないよ。完全に忘れてたんだ。それに、飼い主が見付かるまでだろ。ちゃんとした名前を付けると情が移って、別れる時に淋しくなるかも知れないしね」
「そうなの? よかった」
拾い方が特殊すぎたので、本当に飼い主が見付かるか、という不安はあるのだが。
「それで、レコルト。ぴーちゃんが何の鳥かっていうの、わかった? あたしが来るまで、見てたんでしょ」
シアンが何も命名していなかったので「ぴーちゃん」があっさり定着してしまったようだ。
「ごめん、わからなかった」
「え……レコルト。それって、冗談抜きで?」
ディシュリーンが、レコルトにずいっと詰め寄る。
「悪いけど、冗談抜き。鳥に関しての経験や勉強が、まだまだ不足してるな。たいがいの鳥は知ってるつもりだったけど、ぴーちゃんに関してはわからないよ」
シアンとディシュリーンは、二人してちょっとがっかりする。レコルトなら、この鳥が何かというのを答えてくれる、と期待していたのだ。
「ぴーちゃんって、そんなに特殊な鳥? レコルトにもわからないってことなら、そんじょそこらにいるような鳥じゃないとか……。んー、そんな鳥のたまごが、自動販売機の下に落ちてるはずはないか」
「どんな鳥でも、自販機の下にたまごが落ちてるってことは少ないと思うけど……。このぴーちゃん、こういう種類だって決め手がないんだ。大きくなれば、もっとしっかりした特徴が現れるはずだから、それまで……ってその時には引き取られてるかな」
自分のことが話題にされているとも知らず、ぴーちゃんはエサをつつき、かまってほしいのか、時々シアンやディシュリーンに向かってぴーぴーと鳴く。
「普通の鳥のエサ、やってるの?」
小皿に入れられたエサを見て、レコルトがシアンの方に顔を向ける。
「何を食べさせていいのかわからなくて。だけど、やる物全て、しっかり食べるんだ。思いっ切り雑食だね。昨日、ごはん粒やそぼろをやったら食べたし」
「そぼろ? それって肉だろ。ぴーちゃん、肉も食べるのか?」
「あら、鳥って虫を食べるじゃない」
「虫と人間が食べる肉じゃ、違うだろ。猛禽類じゃあるまいし、肉を食べるような鳥には思えないけど」
「ぼく、もしかしておかしな味を覚えさせた?」
雑食ぴーちゃんは、つぶらな瞳で不安顔のシアンを見つめ、ぴーぴーとのんきそうに鳴いていた。
☆☆☆
次の日。
珍しく早い時間に目が覚め、朝食の後に少し時間ができたシアンは新聞を読んでいた。
その目が、ある記事の見出しで止まる。
そこには「数日前に星砂鳥のたまごが盗まれていた」という記事が載っていた。保護センターがチェックしていた数より明らかに少なくなっている、という内容だ。
星砂砂漠には、星砂鳥以外の生物は生存しておらず、故にたまごを狙う天敵となる動物はいない。割れたりしたのなら、その殻が残るはず。
だから、食われたのでもない。盗まれた以外に考えられない、ということのようだ。
シアンはこの記事で初めて、ファルグにしかいない鳥のことを知った。鳥の性質も、おおまかに書かれている。
たまごが盗まれた。たまごって……あのたまご、かなぁ。
シアンがたまごを拾った時期と、盗まれたらしい時期がとても近い。色や形も、拾ったたまごの状態にそっくりだ。
横には、何も知らずにエサをついばんでいるぴーちゃんがいた。
そんなすごい鳥には見えないんだけど……。
新聞の記事を頭の中で繰り返し思い出しながら学校へ行き、シアンはレコルトにその話をした。
本当なら、一番にディシュリーンにこの話をしたかったのだが、シアンが直接ディシュリーンに話をするのはためらわれた。
シアンはあの「自転車にディシュリーンを乗せた件」で、彼女のことに関してはクラスの男連中に目をつけられているのだ。
「そうか。ぴーちゃんが星砂鳥だったとはね。あの鳥は特別で、センターがしっかり保護しているんだ。一般の人間は見ることはあっても、触る機会は滅多にないんだよな」
レコルトは星砂鳥について、かいつまんで説明してくれた。
「ぼくもひなは見たことがないし、親鳥だって触ったことがない。ぴーちゃんの正体がわからなかったはずだよ。あ、ディシュリーン」
友達としゃべりながら教室へ入って来たディシュリーンを、レコルトが呼んだ。レコルトが彼女と話をする場合に限り、目をつけられないのだ。
「ぴーちゃんの正体がわかったよ」
「……レコルト、ぴーちゃんが怪物みたいな言い方、やめてくれよ」
シアンの訴えは無視して、レコルトはディシュリーンに星砂鳥のたまごが盗まれていた話と、恐らくぴーちゃんが星砂鳥のひなであろう、ということを話した。
「あ、そうそう。今朝のニュースで出てたわ。星砂鳥のひなが、街の外れでたくさん見付かったって」
出掛ける間際にそのニュースが聞こえ、テレビの方を振り向いた時にはもう次の話題に変わっていた。
「映像を観損ねたから、ひながどんな感じかはわからなかったんだけど……。そっか。観られていたら、きっとぴーちゃんの団体がいたって訳ね」
「……まさか、ぼくがたまごを盗んだ犯人だなんて思われない、よね?」
動かぬ証拠のぴーちゃんが、シアンの家にはいる。特別な鳥なのだ、単なる窃盗罪程度では済まないかも知れない。
「大丈夫よ、そんな心配しなくっても。拾ってすぐ、警察に届けてあるんだから。それに、あたしが証人になれるわ。警察には信用あるから、大丈夫」
ディシュリーンにそう言ってもらえると、少し安心する。それに、似ているからと言って、絶対にぴーちゃんがそうだとはまだ言い切れない。
「とりあえず、星砂鳥のひながどんな姿形なのか、しっかり確かめないとね。実は違う鳥なのに、拾いました、なんて報告したら、質の悪いいたずらだとか何とか言われて叱られかねないから。とりあえず、俺が調べてみるよ」
「それで、もしぴーちゃんがその星砂鳥だったら?」
「その時は、警察と保護センター両方に連絡することになるわね。あの鳥の管理は保護センターの管轄だけど、シアンは落とし物として届けてるでしょ。順番はどっちが先になるか、あたしもわからないけど。星砂鳥は、一般の人が勝手に捕まえたり、飼育しちゃいけないことになってるの」
「そうなんだ……。あーあ、来て早々にすごいたまごを拾っちゃったなぁ」
シアンがファルグへ来て、まだ一ヶ月も経っていない。それなのに、この星の人だってじっくり見る機会のない、特別な鳥と関わってしまった。
これは運がいいのか、悪いのか。
0
あなたにおすすめの小説
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
【完結】ジュリアはバツイチ人生を謳歌する
ariya
恋愛
エレン王国の名門貴族・アグリア伯爵家に嫁いだジュリア・アグリア(旧姓ベルティー)。
夫のアベル・アグリア伯爵は、騎士として王妃の護衛任務に没頭し、結婚翌日からほぼ別居状態。
社交界のパーティーでは妻のエスコートを代理人に任せ、父の葬儀にも顔を出さず、事務的な会話と手紙のやり取りだけの日々が続く。
ジュリアは8年間の冷遇に耐え抜いたが、ある朝の食事中、静かに切り出す。
「私たち、離婚しましょう」
アベルは絶句するが、ジュリアは淡々と不満を告げる。
どれも自分のしでかしたことにアベルは頭を抱える。
彼女はすでに離婚届と慰謝料の用意を済ませ、夫の仕事に理解を示さなかった「有責妻」として後腐れなく別れるつもりだった。
アベルは内心で反発しつつも、ジュリアの決意の固さに渋々サイン。
こうしてジュリア・アグリアは、伯爵夫人としての全てを置き去りにし、バツイチ人生を開始する。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
どうぞお好きに
音無砂月
ファンタジー
公爵家に生まれたスカーレット・ミレイユ。
王命で第二王子であるセルフと婚約することになったけれど彼が商家の娘であるシャーベットを囲っているのはとても有名な話だった。そのせいか、なかなか婚約話が進まず、あまり野心のない公爵家にまで縁談話が来てしまった。
第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ企画進行「婚約破棄ですか? それなら昨日成立しましたよ、ご存知ありませんでしたか?」完結
まほりろ
恋愛
第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ企画進行中。
コミカライズ化がスタートしましたらこちらの作品は非公開にします。
「アリシア・フィルタ貴様との婚約を破棄する!」
イエーガー公爵家の令息レイモンド様が言い放った。レイモンド様の腕には男爵家の令嬢ミランダ様がいた。ミランダ様はピンクのふわふわした髪に赤い大きな瞳、小柄な体躯で庇護欲をそそる美少女。
対する私は銀色の髪に紫の瞳、表情が表に出にくく能面姫と呼ばれています。
レイモンド様がミランダ様に惹かれても仕方ありませんね……ですが。
「貴様は俺が心優しく美しいミランダに好意を抱いたことに嫉妬し、ミランダの教科書を破いたり、階段から突き落とすなどの狼藉を……」
「あの、ちょっとよろしいですか?」
「なんだ!」
レイモンド様が眉間にしわを寄せ私を睨む。
「婚約破棄ですか? 婚約破棄なら昨日成立しましたが、ご存知ありませんでしたか?」
私の言葉にレイモンド様とミランダ様は顔を見合わせ絶句した。
全31話、約43,000文字、完結済み。
他サイトにもアップしています。
小説家になろう、日間ランキング異世界恋愛2位!総合2位!
pixivウィークリーランキング2位に入った作品です。
アルファポリス、恋愛2位、総合2位、HOTランキング2位に入った作品です。
2021/10/23アルファポリス完結ランキング4位に入ってました。ありがとうございます。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる