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1564 旅路
幸せな時間
しおりを挟むフランマの忠告に、アルバはその日一日、不安な気持ちでいる。舞台にも身が入らず、ダイモンに叱られた。しかしアルバは、叱られている間さえ上の空だ。ツィオは不安がる彼の様子に気がついていたが、今日は面倒くさい気分だったので、何も言わずに放っておく。
その夜、アルバはツィオより先に寝床に入る。シーツに身を埋め、そばに座って髪をほどいているツィオを見上げた。
「……ねえ、男同士で好きっておかしいの?」
しばし躊躇い、尋ねる。ツィオは少し驚いた顔でアルバを見た。
「そりゃ、おかしいだろ」
ツィオが躊躇いなく答え、アルバは胸を痛めた。目を潤ませ、ツィオの手を触る。
「だから、兄貴がキスしてくれることとか、言っちゃいけないの? 兄貴はちゃんとぼくのこと好きだよね?」
彼の不安げに震える声音に、ツィオはため息をつく。何か言おうとしたが、何を言っても面倒くさいことになりそうだと、口をつぐむ。代わりにアルバの隣に横になり、彼を抱きしめてやった。それでもアルバは泣き出しそうな表情のままだ。
「そんな顔すんな」
呆れたツィオは、アルバの両頬を掴む。ぐにぐにと頬を揉むと、アルバは変な顔になった。それを面白がり、「変な顔だな」とツィオが笑う。アルバが「ちゃんと話を聞いて」と言おうとすると、それを遮るようにキスをしてくる。しばらく唇を重ねてから顔を離すと、ツィオは「可愛い」とつぶやいた。
「もう一回するか?」
アルバが困っていると、ツィオが自身の唇に薬指を当てて、挑発的にアルバを見つめる。その視線に興奮してしまい、アルバは不安など吹っ飛んでしまった。こんなふうに自分を求めてくれるのだから、好きでいてくれるに違いない。そう思い、自分からツィオに唇を重ねる。体もぴったりと押し付けて、全身で彼を感じた。ツィオがアルバのくせ毛を撫でる。その優しい感触こそツィオの愛情だと、アルバは信じてやまない。
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