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第1章 異世界転生
天照のちょっとしたお願い
しおりを挟む《お主の答え、しかと受け取った!試すような事を聞いて悪かったな。》
気持ちの良い風がまた吹き始め、動植物もまた静かにさわさわと騒ぐ
天照は微笑み、もとの優しく、日向ぼっこをしてるような暖かく心地よい声に戻っていた
しかし、表情は誰が見ても分かるくらい
申し訳なさそうな顔をしていた
(いえ、気にしないでください!言うのが遅くなりましたが、俺は天照さまには感謝してるんです!ほとんど寝たきりだった俺は色々な景色や“色”が見たかったんです。それを叶えてくれただけで感謝はすれど迷惑だなんて少しも思いません!…まぁいきなり人外だったのは驚きましたが…)
龍新は心の底から思っている事を天照に伝える。
その嘘偽りない言葉に天照は目を見開き、驚いた。
《(そういえば、直接感謝を言われたのは久方ぶりじゃの…)》
(????)
龍新の方は何も言わない天照を不思議に思い
少し首を傾げて
天照は目を閉じ、また微笑む
《いやなに、やはりお主は面白いなと思っただけだ》
(…それ褒められてるのでしょうか?)
( ´Д`)キュー…
《あ!そうじゃ!もう一つ頼みがあってな、
聞いてくれんか?》
(あ、話逸らしましたね?…まぁ良いです…
何でしょうか?)
今度はどんな事を言われるのだろうか
そう思いながら話を聞く
《それはのぉ、妾たちの社をこの世界に作って欲しいのじゃ!》
(………え?それだけですか??)
十分大変な事なのだが…
龍新の感覚は先ほど任された役割の事で麻痺していた
(社って…神社の事ですよね?)
《そうじゃな!祠(ほこら)程度でもあるのと無いのとでは力が全然違うのじゃ!
まぁ放置されてしまうと意味がないのじゃが…》
(…祠なら木材で作れるし…釘も本で読んだ
組み木方式にすれば必要ないから…大丈夫だと思います!そのくらいならばお任せください!)
《フフッ……やはりお主は面白いなぁ!…ふむ、そろそろ戻ろうかの。》
天照は少し笑いそう言うと太陽の光が強くなり、少しずつ姿が光で見えなくなってくる…
《お主の事、気に入った!この世界でお主が
何をするのか、しかと見届けよう!!あ、それと何かあればまた頼みに来るからの~》
そう言いながら天照は光に包まれると、次には
もう居なくなっていた。
…最後に不穏な事を伝えながら………。
(…え?最後の言葉…なんか嫌な予感がするんですが!?え、ちょ、天照さまーーーーーー!!!!)
キューーーーーー!!!!
太陽に向かって叫ぶ、一匹の小さな龍の声は
またもや大森林に響き渡った
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