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王女の部屋でエリルを介抱する
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オレはベットのエリルを抱きかかえると、まがまがしい鏡の方へ歩き、彼女を鏡面を通して、鏡の向こうへと運んだ。
鏡の向こう側につくと、通路を閉じる呪文を唱える。
ひとまずは安全は安全だが、もとの部屋の鏡はどうなるだろうか?
この豪華な部屋はどこなのだろうか? だれか人はいないだろうか? どんな人がこの部屋の持ち主なのだろう。 敵ではないような気はする。 もし鏡の向こう側が敵で、エリルが鏡の価値を正確に知っていたとしたら、鏡を運ぶこと自体が非常に危険な行為で、そんなことをエリルがするとは思えなかったからだ。 つまり、この部屋はエリルの味方のものである可能性が高いとオレは思った。
と部屋の扉が突然開く、現れたのは部屋の調度品から推測はしていたが若い貴族のような格好をした女性だった。
「エリル! こんなにボロボロになって!」
女性の第一声はエリルを心から案じるものだった。どうやらオレは賭けに勝ったらしい。女はベルを鳴らす。その美しい鈴の音が合図だったのだろう、小間使いが部屋に入ってきた。
「治療師を呼んで! 急ぎよ」
小間使いは礼をして部屋を出ていく、すぐに女の治療魔術師が姿を見せる。
「王女さま、いかがなされましたか?」
「この女性を治して」
「……これは」
治療魔術師はエリルの額に手をあてる、そして魔法語を唱えた
だがその言葉はオレには正確にはわからなかった。魔法語になまりがあるように思えた。意味はわかる。
「わが心をこの者に与えん」
みたいな意味のような気がする。
「いまマナをこの女性に与えました。おそらく魔法の使いすぎによる消耗でしょうね。命には別状ございませんし、すぐ元気になるでしょう」
とエリルが瞳を開いた……。
「アルくん……、ここは! いけない! 王女様!」
「エリル安心なさい。あなたの恩人を、咎めるような真似はしませんから」
と王女は言った。よく見ると彼女は街でみかける肖像画の人物と同じ外見だ。おれの住んでいるイリス王国の王女であるリファイア姫だ。
エリルは立ち上がると言葉を発した。
「アルくん、驚かないの?」
「あ、ああ。不思議だが、なんかこうなる気がしていた」
「ねぇ、なんで鏡を使えたの? 魔法つかえるなんて、知らなかったよ?」
「オレも、知らなかった。いや、ごめん、隠していたわけではないんだ」
「いいの。 わたしもずっとずっと、アルくんに隠し事してた」
王国でときどき言われていたことだ。巡業の芸人は王国の密偵なのではないかと。それはどうやら真実だったのだろう。
「知らなかったんだ。信じてもらえるかわからないけど」
そう、知らなかった。オレが魔法を、なぜか、使えることを。
だって庶民は魔法語なんて目にすることも聞くこともないのだから。
「巻き込みたくなかったの」
とエリルは言った
「わかっているよ」
王女が割り込んだ。
「あなたがアルさんなのですね?」
「はい、そうです。リファイア様」
「リファイアでいいですよ。エリルからはリアと呼ばれています。あなたもリアでいいですよ」
「本当にいいんですか? そんな軽々しい呼び方で」
「ええ」
「では、リア。聞きたいことが色々あります」
「どうぞ」
そうして僕は、エリルが一体なにをしようとしていたのかをリファイア姫から聞くことになった。エリルの使命は非常に危険なことだった。恋人として聞くのがつらいこともあった。だがオレがエリルを護るために絶対必要な情報だから、真剣に聞き逃しのないように、リアが話すことを頭に入れていった。
鏡の向こう側につくと、通路を閉じる呪文を唱える。
ひとまずは安全は安全だが、もとの部屋の鏡はどうなるだろうか?
この豪華な部屋はどこなのだろうか? だれか人はいないだろうか? どんな人がこの部屋の持ち主なのだろう。 敵ではないような気はする。 もし鏡の向こう側が敵で、エリルが鏡の価値を正確に知っていたとしたら、鏡を運ぶこと自体が非常に危険な行為で、そんなことをエリルがするとは思えなかったからだ。 つまり、この部屋はエリルの味方のものである可能性が高いとオレは思った。
と部屋の扉が突然開く、現れたのは部屋の調度品から推測はしていたが若い貴族のような格好をした女性だった。
「エリル! こんなにボロボロになって!」
女性の第一声はエリルを心から案じるものだった。どうやらオレは賭けに勝ったらしい。女はベルを鳴らす。その美しい鈴の音が合図だったのだろう、小間使いが部屋に入ってきた。
「治療師を呼んで! 急ぎよ」
小間使いは礼をして部屋を出ていく、すぐに女の治療魔術師が姿を見せる。
「王女さま、いかがなされましたか?」
「この女性を治して」
「……これは」
治療魔術師はエリルの額に手をあてる、そして魔法語を唱えた
だがその言葉はオレには正確にはわからなかった。魔法語になまりがあるように思えた。意味はわかる。
「わが心をこの者に与えん」
みたいな意味のような気がする。
「いまマナをこの女性に与えました。おそらく魔法の使いすぎによる消耗でしょうね。命には別状ございませんし、すぐ元気になるでしょう」
とエリルが瞳を開いた……。
「アルくん……、ここは! いけない! 王女様!」
「エリル安心なさい。あなたの恩人を、咎めるような真似はしませんから」
と王女は言った。よく見ると彼女は街でみかける肖像画の人物と同じ外見だ。おれの住んでいるイリス王国の王女であるリファイア姫だ。
エリルは立ち上がると言葉を発した。
「アルくん、驚かないの?」
「あ、ああ。不思議だが、なんかこうなる気がしていた」
「ねぇ、なんで鏡を使えたの? 魔法つかえるなんて、知らなかったよ?」
「オレも、知らなかった。いや、ごめん、隠していたわけではないんだ」
「いいの。 わたしもずっとずっと、アルくんに隠し事してた」
王国でときどき言われていたことだ。巡業の芸人は王国の密偵なのではないかと。それはどうやら真実だったのだろう。
「知らなかったんだ。信じてもらえるかわからないけど」
そう、知らなかった。オレが魔法を、なぜか、使えることを。
だって庶民は魔法語なんて目にすることも聞くこともないのだから。
「巻き込みたくなかったの」
とエリルは言った
「わかっているよ」
王女が割り込んだ。
「あなたがアルさんなのですね?」
「はい、そうです。リファイア様」
「リファイアでいいですよ。エリルからはリアと呼ばれています。あなたもリアでいいですよ」
「本当にいいんですか? そんな軽々しい呼び方で」
「ええ」
「では、リア。聞きたいことが色々あります」
「どうぞ」
そうして僕は、エリルが一体なにをしようとしていたのかをリファイア姫から聞くことになった。エリルの使命は非常に危険なことだった。恋人として聞くのがつらいこともあった。だがオレがエリルを護るために絶対必要な情報だから、真剣に聞き逃しのないように、リアが話すことを頭に入れていった。
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