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エルフの里~リイルーン~
小話:全く休まらない、ある日の午後のひと時 ☆
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「あ、ルー洗い物ありがとう~全魔法食器洗機はホント便利だよねぇ」
「いえいえ、今日も美味しい食事を作って頂いたのですから当然ですよ」
世の中の、共働きなのに奥さんがほとんど家事やってますって家が聞いたら泣くセリフだわ。せめてお茶くらい用意しようか。
「ちょっとそこのティーポットを取って……ん?」
くんくん……
「うん?私の体になにかついていますか?」
「ふふ。ルー、さっき外で魚焼いてもらったけど、香ばしい匂いが服に移っちゃったねぇ。今ルーは珍しく焼き魚の匂いがするよ」
「おや、そうなのですか?では、アオイはどうでしょうか……」
スンスン……
「ちょっ!首回り嗅がないでよ」
「加齢臭がしますね」とか言われたら速攻出て行くしかないな
「はぁ……アオイも、、、美味しそうな匂いがしますね。ちょっと食べてみたくなってしまうような香りがします」
「は?なぜ私が齧られなきゃいけないのよ。どうせ食べても贅肉と脂身ばかりで胃もたれするのが落ちじゃないの?」
「ふふ。胃もたれはしませんが、常に胸はジュージュー焦がしております……♡」
「やかましいわ!」
まぁ、とりあえず座ってお茶にしましょうよ。各自ティーカップを持ち、テーブルへ移動した
「そう言えばさ、ちょっと聞いてみたかったんだけど……ルーって逆枯れ専なの?」
「逆枯れ専???とは?」
「いや……言いたくはないけど、こんなおばさんが好きだって言うからさ、年下ではあるけど年上とか、老けた容姿が好みとかなのかなと思いまして」
「ああ、そういうことですか。どうなのでしょう?異性を好きになったことがそもそも初めてなもので」
「おお……枯れた扉を開いちゃったかもしれない的な?じゃあさ、仮に私が若かったら好きにならない可能性も高いよね?」
「そんなまさか!!最高に愛でるに決まっているじゃないですか!?」
「ええっ!?どのバージョンもいけるってこと?」
やっぱり、単にストライクゾーンが果てしなく広い男なのだろうか……
「現在のアオイですか?今も愛でていいのでいたら、デロデロに愛でさせて頂きますが……これは許可が出たと取っても宜しいのでしょうか?」
「出てない、出てない!間に合ってまーす」
「それは残念ですね……私はアオイがアオイであるのなら極端な話、例え骨だろうと愛せる自信がありますけど」
「ひぃぃぃ!!もうそれ私じゃないし!ちょっとルーはヤンデレの素質あるんじゃない?」
怖ーい!怖いよー!!愛でる方向性がおかしくなってるぞー。正しい目的地にナビをセットし直して!
「でも、このままいけばアオイの方が先に寿命を迎えるのですよ?アオイの骨は私以外の誰が管理するというのです?他の者には絶対に渡しませんよ」
「ギャーーーホラーじゃん!ヤバイわっ死んでからじゃ逃げられないじゃない私っ!」
できれば死後くらいは心穏やかに過ごさせて頂きたい。もういっそ灰にして地中深く埋めておいて欲しいんだけど、ダメかな?
「ルーって結構ヤバイ人だったんだね。みんな見た目に騙されてる…」
「やっ、そんな…見た目がカッコいいだなんて、アオイに言われると照れますね。でも大丈夫ですよ、他の女性からどう見られようと、私はアオイ一筋ですからね」
「いや、そこを心配してるんじゃなくてね……」
「あっ、そんなに心配でしたら結婚しましょう!今すぐにでも!!」
また話が通じない病気が再発したか……
「ごめん、話が通じない人とは話す気になれないので、自分の部屋へ引き籠もってもいい?」
「お待ち下さい。ちょっとしたエルフジョークでしたのに、照屋さんですね!そんなところも可愛らしいのですが」
「本格的に治療院行く?里に戻って養生したら?」
「何を言っているのですか!アオイのいるところが私の帰るところですよ。それに最近は色んなものを、バランスよく食べさせて頂いておりますので、健康そのものですし。宜しければ確認してみますか?」
おい、なんで上を脱ぎだしてんのよ!?ってこら!下まで脱ぐ気!?
「おばチョーーーーーップ!!身体強化ver」
――ゴツッ!!!
「痛いっ!!普通の人族なら死にますよ!」
玄関のドアを開放し、チョイチョイっと外に出るよう手招きする。
「ちょっと君、そこの木の前に立って。そう、背中をピッタリつけてね。そのまま目を閉じて100数えといて」
「…98、99、100。あれ、アオイ?なぜ私は木に縛られているのでしょうか?そういう遊びですか?」
「しばらくそこで自分を見つめ直しておいて。ある程度たったら解いてあげるから」
<1時間後>
「縛る木を失敗したわ……家の中が見える位置だから、ずっと私を見ている…こわっ!ヤンデレでストーカー気質?見つめ直せって言ったのに、見つめるとこ間違ってるし!!」
これ以上悪化しても恐ろしいので、早々に解放することになったけど、ルーは嬉々として『もうおしまいですか?外からアオイを見つめ直しておりましたのに』とやはり怖いことを言っていた。
今後の関わり方を非常に悩む、休まらないある日の午後のひと時であった
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