悪徳男爵はままならない〜転生した気弱な青年はチートで悪を貫く〜

涼月 風

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第6話 エルフって名前じゃないの?

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「どうして、ここに女の子がいるんだ? 」

ベッドに寝ていた少女を見ながら剥いだ布団を元に戻して考える。

(もしかして、エルフって子か?)

(親はどうした?)

(まだ、子供だぞ)

(まさか、俺がこの子を、お金を払って買ってしまったのか……)

俺は、背筋が寒くなる。

(さて、どうしよう、親も心配してるだろうし、事情を聞いて帰らせよう)

俺は、寝室のソファーで休む事にした。

すると、気配でその子が起きたようだ。

「ひっ! わ、わたし……」

俺の顔を見て少女は驚いている。

(俺でも起きてこの顔があったら、失神する程、怖いと思う……)

少しでも怖さを和らげようとして、笑顔を浮かべながら問いかけると

「起こしてしまったか、君は、エルフって子かい? 」

「ち、ちがいます、いいえ、そうです」

(さっきより怖がってるぞ。身体まで震えているし……)

この男の顔は笑顔に対応できないようだ。窓に映った自分の顔を見ると、引きつった笑顔を浮かべた悪人がそこにいた。

(これじゃあ、さっきより怖がるはずだ……)

俺は、取り繕った笑顔をやめて、少女に問いかけた。

「違うのか? 」

「エ、エルフは、種族名です。私は、リズと言います」

(種族名……そう言えば、耳が長いし、もしかして、ゲームとかのあの、エルフなの?)

「そうか、リズだな。君の両親は、どこに住んでるんだ? 」

「両親は……殺されました……」

「殺された? じゃあ、兄弟とか親戚は? 」

「わかりません……」

(これは、困った。行くとこが無いようだ。どうする? 俺……)

「ここには、どうやって来たんだ? 」

「盗賊みたいな人達に攫われました」

(全く、悪い奴らがいるもんだ。こんな小さな子を攫うなんて……)

「わかった。ここに、いても構わないが、何処かに行きたいならそうすれば良い」

「こ、ここに、います。ど、奴隷ですし……」

「えっ!? 今、奴隷って言った? 」

「は、はい。男爵様の奴隷です……」

(それって、俺か?)

「ちょっと、待ってくれる? 」

「はい」

 気持ちの整理が必要だ。

(えっ、もしかして、俺、奴隷を買ったの?)

(昼間来たガルバって商人は、もしかして、奴隷商人なわけ?)

(すると、リズを攫ったのって、こいつ、嫌、俺の指図なわけかよ……)

(あ~~考えたく無い。こんな事、もう、勘弁してほしい)

「わかった。奴隷を解放する。好きなところに行けば良い」

「あの~~、お金分、稼がないと、私、死罪になってしまいます」

(まさか、そんなシステムなのか?どうする、俺。こんな子供にお金が払えるわけない)

「わかった。好きにこの屋敷にいれば良い。ここで、家政婦として働きなさい。給金は、きちんと払おう」

「あ、ありがとうございます。それで、夜のおつとめは、これからなさいますか? 」

(夜のお勤めって、何?まさか、この子、性奴隷なのかーー!)

(マジ、無理!俺、童貞だし、それに、初体験の相手が年端もいかない子供となんて、絶対、無理!)

「それは、まだ、いい。まだ、寝てなさい」

「は、はい。あ、ありがとうございます」

(こいつ、こんな子供としてたのか?)

(マジ、ロリコンじゃん)

(ドSとかとも言ってたし、最低な奴だな、こいつ……あっ、俺か……)

この子が大きくなるまで、ここにいさせて、退職金がわりに奴隷を解放すれば、きっと罰則は平気なはずだ。

(仕方がないか……)

俺は、そう思いながら、寝室を出て書斎のソファーで休むのだった。

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