だいすきなひと

突然の悲劇

 なんでもない日常がものすごく幸せだった。でもその幸せが一気に悲しみに溢れたのだ。

今までふみふみには彼女がいなかった。ふみふみは誰のものでもないという勝手な安心感を持っていた。 
 そうだ。私は自分のことしか考えていなかったのだ。ふみふみに好きな人がいるかもしれないなんて考えてこなかった。ある言葉を言われるまでは。

幹事と恋愛話をした時のことだった。好きな人いないの？と聞かれたので、ふみふみとりょうちゃんがタイプと言った。
 幹事はりょうちゃんいいじゃん！仲良いしお似合いだよ！と言ってきた。
 ふみふみは？と聞くと、
あいつ今いい感じの女の子いるんよ。で、その女の子はふみふみのこと好きなんだよね～
と返ってきた。
辛い。辛すぎる。何も知らなかった。その場を動揺せず乗り切れたかはわからない。そうなんだ～ふみふみも春が目の前なんだね！とか言ってごまかした。
 
今までにない悲しみの底に落とされた。ふみふみがモテるのは当たり前だと思ってた。しかし、その子のことを気になってたなんて…知らなかった。

その話を聞かされてからふみふみに会いたくなくなった。好きだから。会うと辛いから…
私は距離を置くことにした。
今までのことを全て忘れてしまいたいくらい落ち込んだのだ。