同僚の妻がパンツ濡らして待ってるから

横尾

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腹黒

謀略

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「有能な人材は、存分に能力を発揮出来る所へ」。遠い血がお互い入っている猿顔部長さんに俺が熱心に進言したのは、3年前だ。これ、俺の謀略以外の何物でもない。不倫に関わる一番の障害ってのは、やっぱ旦那ょ。2に子供、3に世間の眼かな。

上の思い付きで、〇〇に支店出して、新規開拓したらどうよと。猿顔部長が言い出しっ屁。俺はここぞとばかりにEを推したね。間髪入れず推した。彼以外にいねえわと。誰がいるよと。これに何の横やり発言も無く、幹部会議で10分かかってないで決定になった。

面白かったねこれ。白羽の矢のEが5人の部下連れてさ、地方巡業に回されたのが首都圏に近い某地。首都圏に近い地方ての、これ可笑しな話だけど。うちは地方に本社を置く古い企業だから、地方の本社が中央な訳だ。東京のもんを、田舎もんと呼ぶ(笑)。

何年行かせるかの明確なものはなかった。E妻はどうするか。旦那に付いて行くか。俺はE妻に行った。「単身赴任だよな。お前もが、都会で羽を伸ばしてくれた方が幸せだろ。」

長男は野球部の寮に入ったばかり。長女は既に自立してた。会社での話っぷりからしたら、Eは当然E妻が一緒に行ってくれるものと、疑ってなかった。俺はE妻を説得したね。付いて行くなって。こっちで、2人でしっぽり遣り込むには、又とない絶好の機会だからって。

俺の執拗さにとうとうE妻が泣いたね「そんな..一人で行かせるの可哀そう..」。子供二人には手がかからない。付いて行けない理由が無いじゃないって。長い事話し合ったけど、どうしても旦那に付いて行きたいって言う。これじゃ俺の謀略が成就しない。E妻に俺は言った。「じゃあ冬はこっちにいろよ。家が雪で埋まっちまうってことで。」

かくして、夫婦は3年前、転勤してったんだが、待ちに待った冬。いいや、冬を待つ前に俺は行ったよ、支店へ(笑)。E妻の剛毛マンゴが恋しくて。「よぉ、こっちの生活はどうよ?」。Eは「色々と難しいけど、何とかやってるよ」と、笑顔で言った。俺は「奥さん一緒で、夫婦水入らずでいいなオィ」茶化してやった。
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