踏み出した一歩の行方

たがわリウ

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恥ずかしい、けど

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「睦月、いい?」
「ん……っ」

はぁ、と吐き出された熱い息が耳に触れる。
俺の部屋に、俺と空のふたりだけ。そんなことは今まで何度もあったのに、空の気持ちを知り、自分の気持ちも自覚してからでは、今までと同じようにはいられない。
ベッドに座る俺は、後ろから空に抱きしめられていた。心臓が破裂しないかと心配をしながら、その体勢のまま他愛もない話しをしていた俺達の間に沈黙が落ちたところで、腹の前で組まれていた空の手が移動した。
そしてさっきの言葉と共に、俺の腰の中心をゆっくりと撫で付けた。空の息がくすぐったいと思った耳に、生ぬるい感触が訪れる。

「睦月、好きだよ」
「あっ……!」

耳元で声を落とす空は、舌で俺の耳をなぞる。舌先で輪郭をなぞられ、唇が耳たぶを食む。
それと同時に、デニムのチャックが開けられ、下着の上に手が這った。

「っそら……んんっ」
「はぁ、睦月、気持ちいい?」

下着の上から形をなぞって動かされていた手が、ゆっくりと撫で付け、指先がつつくように刺激する。
気持ちよさはあるものの、焦れったさを感じる俺は、空の手に押し付けて腰を浮かす。

「ん、あぁっ」
「これ、ずらしちゃおっか」

履いていたデニムと下着に手がかかり、下にずらされる。下着がなくなり何も纏わないそこは、硬くなって刺激を求めていた。
すぐに空の手に包まれて、優しく扱かれる。吐息をもらす俺の後ろで、俺の姿に興奮する空の荒い息が繰り返される。

「睦月、ここどう?」
「んんっ……っぅ、あっ」

全体的に扱く手はそのままに、指先が先端をぐりぐりと押す。頭に駆け抜けた快感と共に、ひときわ高い声を上げてしまった。

「俺の手で気持ちよくなってる睦月かわいい」
「んっ、そら、そこっ」
「睦月は先を触られるの好きだよね」
「あっ、ん、あぁっ」

どんどん快感が張り詰めていく。はぁはぁと短い息を吐きながら持ち上げた視線の先のものに、いっきに体温が上昇する。あまりの恥ずかしさに顔を覆いたかった。

「空、鏡、どかすから……っふ、」
「このままじゃダメ?どうなってるか、ちゃんと見て」
「っ、恥ずかしい、だろ」
「恥ずかしい方が気持ち良いよ」
「ん、んっ、空、やだ、はずかしっ」

俺のベッドには向かい合うように鏡が置いてある。そこに映る、空の手で気持ちよくなっている俺の姿に、恥ずかしさが込み上げた。
自分がどうなっているかなんて恥ずかしくて見たくないのに、空は鏡をどかすことを許さない。
空は左手で扱き続け、右手を俺のシャツの中に侵入させた。そのまま上の方までたどり着くと、胸の先端を刺激する。指の腹で擦られ、指と指でつままれる。

「んっ、はぁっ」

空の手が繰り返す刺激、そして鏡に映る、はしたなく声を上げる自分の姿に、体の奥の熱がずん、と大きくなる。

「ん、ん、」
「睦月、気持ちよさそう」
「はぁっ、きもち、いいっ」
「俺といっぱい気持ちよくなろうね」
「あっ……っ!」
「いきそう?いっていいよ、ほら」

上げる声が大きくなってきた俺は気持ちよさで頭がぼんやりとしてくる。そんな俺を促すかのように、空はますます激しく手を動かした。

「あ、あ、いくっ」
「いって、睦月」
「ん、そらっ、そらっ……あぁっ」

胸の先にぐりぐりと指が押し付けられ、熱に触れる手の動きも速くされると、ついに俺は限界に達して白い液体を吐き出した。
はぁはぁ、と短く息を吐く俺の顔は、とろけきっている。
ベッドのそばにあるティッシュを取った空は、俺のものを綺麗に拭いてくれた。恥ずかしいし、自分でできると言いたいのに、体を動かしたくない気持ちもある。

「睦月、ごめん」

拭き終わった空は謝りながら俺を抱きしめた。後悔の滲む声が後ろから聞こえる。

「なにが?」
「睦月が嫌だって言ったのに、俺、強引に進めちゃった」
「あぁ……」

あれのことか、と鏡を見た俺の視線が鏡越しに空のものと合う。空は本気で後悔しているのか、眉が下がりきっていた。

「嫌だとは言ったけど、まぁあれは、恥ずかしいからで、本気で嫌がってたわけじゃないというか……」
「ほんとに?」

まぁ俺もいったわけだし。気持ちよくなっていたのは分かるはずなのに、空は、本当に?と確認を繰り返す。

「本当に」
「俺のこと嫌いになってない?」
「なるわけないだろ」

嫌いになってないと言えば、空は良かった、と安心して息を吐いた。俺に嫌われることをそこまで恐れているのかと、くすぐったい気持ちが生まれ、きゅっと左胸が軋む。

「あのさ、睦月……」

そわそわとした空に、今度はなんだ、と思う。そんな俺の腰に空の腰が押し付けられた。たっていて、硬くなっているのがわかる。
空の言いたいことがわかった俺は、自分からシャツを脱ぎ、膝までずらされていただけの下着に指をかける。
するすると下着を落とす俺に、空がごくりと喉を鳴らしたのがわかった。
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