踏み出した一歩の行方

たがわリウ

文字の大きさ
7 / 8

堪能し、満たされる

しおりを挟む
「睦月……?」

俺の姿を見た空は、絶望的な顔をした。
もうこれは、何も聞こていないフリなんてできないな、と覚悟を決める。

「悪い、声かければ良かったな」
「いや、俺も、鍵開けてたし……」

空は顔を手で隠すと、大きく息を吐き出した。

「引いたよね……」
「いや、べつに引いたとかじゃ……」

引いたわけではない。俺だって性欲処理をするのは同じだ。
けれどそれに自分が使われていたのは驚きだった。
驚きは大きいが、空が俺で抜けるのは、なんというか少し嬉しいとも感じる。

「お前にその気があるなら、してもいい、けど」

付き合っているのだし、両想いなわけだし。
空はきっと俺の事を気遣って切り出してはこないだろうから、いつか伝えようと思っていたことを言ってみる。
少し緊張を感じている俺に、空は不満げに眉を寄せた。

「……俺、睦月のこと好きすぎて余裕ないんだから、そんなこと軽く言わないでよ」

その言葉で、あぁ、空は俺が思ってた以上に、俺の事が好きで、俺の事を大切にしてくれているんだなぁと伝わってきた。

「軽くなんて言ってない。本気で思ってるから言ったんだ」

空と同じように俺だって空のことが好きだ。
いつかは関係をまたひとつ進められたらと思っている。
この気持ちが伝わるようにと真っ直ぐに空を見つめると、俺が本気であることをわかってくれたようだった。

「ほんとに、いいの?」

躊躇いながらも本当にいいのか訊ねてくる空に、頷きを返した。



「っ、空、もういいって」
「ん、もうすこし。俺が満足するまで待って」
「あっ」

それっていつだよ、と思っても声に出す余裕はない。
空のベッドの上、仰向けに寝ている俺に、空が覆いかぶさっていた。
下着と服を取り払われた俺のものを、空が繰り返し擦る。それと同時に、ぴちゃぴちゃと音をたてながら胸の先端を舐められていた。

「ん、あっ」
「睦月、かわいい。声もっと聞かせて?」
「となり、聞こえるだろ……ふ、っぁ」
「隣は会社員の人だから、今はいないよ」
「あぁっ」

いちいち堪能するかのように俺の反応を確認して、空は刺激を繰り返す。
特に反応を見せた触り方や箇所を執拗に責め立てるため、俺は限界に手が届きそうなほどになっていた。

「じゃあ指いれるね」
「ん……」

下に差し込まれた枕で持ち上がった腰、その奥に手が移動する。
いつの間にか手に取っていたローションが塗りたくられ、行き来していた指が少しずつ入ってきた。
空の指がそこにある事に、恥ずかしさが込み上げる。

「どう、痛い?気持ちいい?」
「よく、わかんねぇ」

異物感はあるが気持ち悪いとも気持ち良いとも言えない。
俺が痛がらないのを確認しながら、空は指を抜き差ししだした。

「どうしよう、興奮する」

こちらが恥ずかしくなるほど空は俺の顔と体から視線を外さない。その熱っぽい視線、興奮を隠さない瞳に、ぞわっとした物が駆け抜けた。

「んっ……空、入れてみて」
「いいの?大丈夫?」
「あぁ」
「……痛かったらすぐ言ってね」

急いで乱雑に服を脱ぎ捨てた空は、急く手つきで用意していたコンドームを付ける。
俺の様子を見ていただけの空のものも大きくなっていて、恥ずかしさと嬉しさが広がる。

「いくよ」

先端が押し付けられる。そしてゆっくり、徐々に俺の中に空が入ってきた。

「睦月の中に入れてるなんて、夢みたい」
「さっきも、想像、してた?」
「うん、してたよ。今まで何度もした。こうやって睦月を抱くことを」

体を屈めてきた空が俺の唇に吸い付いてくる。激しいキスを繰り返しながら、少しずつ腰の動きが始まった。

「ん、んっ」
「睦月っ、睦月っ」

呼吸も絡めとるような深いキス、そして動く腰の刺激にどんどん快感が積もっていく。
空は俺を求め、俺も空を求めた。

「はぁっ、そら、はげしっ」
「睦月、かわいい」
「あ、あっ、ん」
「好きだよ、睦月。一緒にいこう?」
「ん、ん、……っ!」

自分の声が恥ずかしいと思う余裕をなくした俺は、はしたない声を何度も上げてしまう。
引かれた腰が一気に奥に進められたと同時に、俺の頭は真っ白になった。

「はぁっ、睦月、いってる」
「はぁっ、はぁっ、」
「俺も、いっちゃった」

耐えきれず熱を出す俺をうっとりと見つめる空も、腰の動きをやめて大きく息を吐き出した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

無能と呼ばれた婚約者は王を完成させる〜替え玉婚約者のはずが、強すぎる王太子に手放してもらえません〜

統子
BL
兄の身代わりとして王太子の婚約者になった伯爵家次男リュシー。 嘘の名を名乗ったはずが、冷静で誠実な王太子リオンは彼を「力の装置」としてではなく、対等な伴侶として扱おうとする。 本物になりたいと願う替え玉と、完成された王太子の静謐な王宮ロマンス。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

僕はただの平民なのに、やたら敵視されています

カシナシ
BL
僕はド田舎出身の定食屋の息子。貴族の学園に特待生枠で通っている。ちょっと光属性の魔法が使えるだけの平凡で善良な平民だ。 平民の肩身は狭いけれど、だんだん周りにも馴染んできた所。 真面目に勉強をしているだけなのに、何故か公爵令嬢に目をつけられてしまったようでーー?

幼馴染がいじめるのは俺だ!

むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに... 「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」 「はっ...ぁ??」 好きな奴って俺じゃないの___!? ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子 ーーーーーー 主人公 いじめられっ子 小鳥遊洸人 タカナシ ヒロト 小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。 姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。 高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、 脳破壊。 千透星への恋心を自覚する。 幼馴染 いじめっ子 神宮寺 千透星 ジングウジ チトセ 小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。 美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている) 転校生の須藤千尋が初恋である

告白現場に遭遇したら、まさかの俺の推しだった

花魁童子
BL
配信者である主人公の浅葱は、推しの告白現場に居合わせてしまった。そしてそれと同時に推しには好きな人が⁉ それを知ってしまって、推しとまさかの付き合うことになってしまう。偽りの恋人だけどなぜか嬉しく感じる。高校生活を送っていくうちに芽生える思い‼ 二人の気持ちはどうなるのか⁉

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...