双子の世界見聞録〜転生したら生まれた集落で忌子呼ばわりされたからとりま双子の妹と一緒に世界を回ることにした話〜

瑠璃川翡翠

文字の大きさ
76 / 186
弐章 蒸気の国・エンジーム

二十五話、風華に傷があれば処す。無くても処す

しおりを挟む
「おいナルシ野郎~」


「私の名はアデルバードだと何回言えば分かるんだい?ライハ」


「覚える気ねーし」


ボアを追っ払って、サンプル採って追っ払っての繰り返し…そろそろ飽きてくるんだが?やっぱ風華の方行けば良かったわ…


「そう言えば、ライハ。いつもの君の美しい剣技にキレが無いね。悩み事か?」


「んで分かんだよ!?キモいな!!」


「ふふ、この私の観察眼を見くびられたら困るね」


うへぇ…戦闘中妙にこっち見てたと思ったらそう言う事かよ。


「風華が最近冷たいんだよ」


「レディは日々成長して行くものだ。それを見守り、巣立ちを祝福するのも兄の務めだろう」


「まだ風華には早いっての!!!」


せめて十六…うん、譲歩してもそれくらいまでは彼氏許さん絶対!!


「しかし、彼女は美しいからね…いつ何処で恋が芽生えるか…なんて誰も予想は出来ないよ」


「風華が可愛くて綺麗で美しいのは俺が一番知ってっからな。はあ…」


「ふふ、美しい兄妹愛だね」


双子だけどな。まあ、俺のが数分早く産まれたらしいからちゃんと兄貴だ。お兄ちゃんです。


「んで?次の場所は?」


「東だね。数十分歩いた農村地区にボアの目撃情報だよ。イーブルギルドの方は動き無し。いつも通りだね」


「そのいつも通りを平和に戻す為に俺等は手伝ってんだろうがい」

ボア襲撃がいつも通りはもう物騒すぎんだわ。一応ジャックの指示通り、処さずに追い払ってるけど、マジでキリが無い。


「さあさあ、気を取り直して出発と行こうか」


「おー。ん…?あ、悪い。俺便所」


「もう少し綺麗な言葉使いにしてくれないか?ライハ」


小言を言ってくるナルシ野郎を無視して、近くの茂みにズンズン入ってく。…うし、此処なら大丈夫だろ。


「どした、ヴォルト」


普段大人しい此奴が、さっき俺を連れてくる為に動いてたからな。便所は嘘。抜ける為の口実だ。


「…んー…何か緊急事態ってのは分かったけどさ。何があったんだ?」


小さな静電気の様な音が続くけど、俺にはニュアンスしか分からん…はあ…風華が居てくれたらな…ってん?


「風華?風華が危ないのか?」


俺のその言葉に反応する様に、ヴォルトが大きく声を出した。俺の全身から血が引いていく感覚がする。風華が…危ない…?


「…ナルシ野郎!!」


シン…と返事は無い。クッソ、遠くへ来すぎたか…とりま走って伝えて戻るか!


「ナルシ野郎!」


「…何だいライハ。それと良い加減その変な渾名は辞めて欲しいのだけど…」


「今はんな事どうでもいいんだよ!!風華が危ねえ!俺はそっち行くからお前はその農村地区に行け!」


踵を返した俺の腕をナルシ野郎が掴んだ。んだよ!急いでんの!


「私も行こう。伝えてくる。少し待っていてくれ」


「早くしろ!」


ナルシ野郎が、他のギルドの奴等がいる方へと駆け出して行った。ヴォルトは姿を消したけど場所を伝えてくれてる。ありがとう、助かる。待ってろ風華…兄ちゃんが行くからな。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

無能と追放された俺の【システム解析】スキル、実は神々すら知らない世界のバグを修正できる唯一のチートでした

夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業SEの相馬海斗は、勇者として異世界に召喚された。だが、授かったのは地味な【システム解析】スキル。役立たずと罵られ、無一文でパーティーから追放されてしまう。 死の淵で覚醒したその能力は、世界の法則(システム)の欠陥(バグ)を読み解き、修正(デバッグ)できる唯一無二の神技だった! 呪われたエルフを救い、不遇な獣人剣士の才能を開花させ、心強い仲間と成り上がるカイト。そんな彼の元に、今さら「戻ってこい」と元パーティーが現れるが――。 「もう手遅れだ」 これは、理不尽に追放された男が、神の領域の力で全てを覆す、痛快無双の逆転譚!

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

『規格外の薬師、追放されて辺境スローライフを始める。〜作ったポーションが国家機密級なのは秘密です〜』

雛月 らん
ファンタジー
俺、黒田 蓮(くろだ れん)35歳は前世でブラック企業の社畜だった。過労死寸前で倒れ、次に目覚めたとき、そこは剣と魔法の異世界。しかも、幼少期の俺は、とある大貴族の私生児、アレン・クロイツェルとして生まれ変わっていた。 前世の記憶と、この世界では「外れスキル」とされる『万物鑑定』と『薬草栽培(ハイレベル)』。そして、誰にも知られていない規格外の莫大な魔力を持っていた。 しかし、俺は決意する。「今世こそ、誰にも邪魔されない、のんびりしたスローライフを送る!」と。 これは、スローライフを死守したい天才薬師のアレンと、彼の作る規格外の薬に振り回される異世界の物語。 平穏を愛する(自称)凡人薬師の、のんびりだけど実は波乱万丈な辺境スローライフファンタジー。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜

侑子
恋愛
 小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。  父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。  まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。  クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。  その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……? ※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

処理中です...