双子の世界見聞録〜転生したら生まれた集落で忌子呼ばわりされたからとりま双子の妹と一緒に世界を回ることにした話〜

瑠璃川翡翠

文字の大きさ
170 / 186
肆章 氷雪の国・スノーメイル

三十三話、退屈だ

しおりを挟む
「せんせー」


「しつこいぞオマエ」


「だってさあ!」


風華とマキアが調査に朝早く出かけて行った。依頼は暫く止めにして、俺とヴィクトールは療養に集中しろだとさ。せんせーに何度目かの暇を訴えたらレオンにジト目で返された。解せぬが?


「お前は落ち着いて寝るって事を知らねえのかよ」


「風華のお陰で元気だが!?」


「完全に治ってないって言われてんだろが」


「いっっったッ!?」


ブーブー言ってたら頭をせんせーに殴られた。いつも思うんだけど俺だけ扱い雑じゃね!?


「…」


「ん?レオンどうした?」


「ハルツゲの竜は邪竜になってしまうのか?」


レオンの耳はいつもの様な元気は無く、ペタンと垂れていた。確かに此奴、此処に来てからあんま元気無いな。


「まあそうなるかもって事だろ」


「…オレサマも獣属に属してる。だから分かるんじゃ。人に恐れられて、それが身体を…命すら蝕んで、自分が変わっていく怖さ」


「…詳しく聞かせてくれ」


ヴィクトールが真剣な目でレオンに言った。俺もせんせーも椅子に座って、俯いているレオンに視線を向ける。


「オレサマはニンゲンと獣が混ざった獣人だ。獣人は純粋な獣よりニンゲンの感情に左右されない。でも、長老みたいに長い時間ニンゲンに祀られてると、その分蝕まれる強さが強くなるんじゃ。だから、長老より長い間人に祀られてたハルツゲの竜は…きっと今、邪竜になる寸前だと思うんじゃ」


「何でそう思う?」


「オマエが精霊の感情が分かる様に、オレサマもこの国に住む獣の感情が分かるんじゃ。オレサマが感じてるのがハルツゲの竜のものかは分からぬ。じゃが、拒絶は…この国に来てずっと感じてる」


「拒絶…か。それは人を拒んでるのか?」


「違う」


レオンがはっきりと言い切った。俺達の目を見て真っ直ぐに。いつも笑って拗ねてるイメージしかないレオンの真剣な表情に俺は無意識に息を呑んだ。


「嫌だ…変わりたくない。自分で居たい。居場所を失いたくない。嫌わないで…これがハルツゲの竜の声なら、此奴は今必死に抗ってる。邪竜にならない様に、必死に」


「場所は分かるか?」


「分からぬ。でも…生きてて、此処にいるのは分かる。それはフウカを頼るしか無い。何となく分かる。フウカは獣と分かり合える」


…?俺と風華じゃ無くて、風華限定なのか?しかも獣と分かり合えるって…風華は可愛い人間の子だが!?


「そう言う事じゃ無い。マヌケ」


「んだと!?」


「フウカは多分だけど、何と無く獣の言葉が分かる筈じゃ。それが何故かは分からぬ。だからオレサマはフウカが竜に会いに行くのを止めなかった。ライハだったら死ぬ気で止めた」


…何か風華に関する謎が増えた様な気がする…
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

無能と追放された俺の【システム解析】スキル、実は神々すら知らない世界のバグを修正できる唯一のチートでした

夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業SEの相馬海斗は、勇者として異世界に召喚された。だが、授かったのは地味な【システム解析】スキル。役立たずと罵られ、無一文でパーティーから追放されてしまう。 死の淵で覚醒したその能力は、世界の法則(システム)の欠陥(バグ)を読み解き、修正(デバッグ)できる唯一無二の神技だった! 呪われたエルフを救い、不遇な獣人剣士の才能を開花させ、心強い仲間と成り上がるカイト。そんな彼の元に、今さら「戻ってこい」と元パーティーが現れるが――。 「もう手遅れだ」 これは、理不尽に追放された男が、神の領域の力で全てを覆す、痛快無双の逆転譚!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

処理中です...