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三章【転校生襲来】

お前ら前方に気を付けろ下さい

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皆様こんにちは。アリア・ローゼリッタです。本日は本格的な学園祭準備という事で、私はマギィとミシェルさんと、部室の倉庫へ来ております。


「此処です。部長もわざわざすみません」


「良いのよ。私もついでだから。ゆっくり見て行って」


「ありがとうございます!」


部長は前回の事件の事と、自身の用事で倉庫まで着いて来て下さいました。優しい方ですね。


「これが衣装?」


「はい、そこら辺一帯は全て衣装です。反対側が小物やアクセサリー類ですね」


「凄い…本当に手作りなんですか?」


先輩方の腕は凄いですからね。私も入部当初は既製品と間違えた事も多々あります。


「全て先輩方の努力の結晶ですよ。演劇部に貸し出している物も多いので、本来はもっとありますが」


「じゃあ、ちゃちゃっと衣装借りてこうか!」


「私はソーイングセットを持って来ますので、お2人は衣装の回収をお願いします」


3人入ると流石に少し狭いですからね。私は先に採寸合わせで使うであろうソーイングセットを回収します。


「アリアさんのクラス、面白い出し物なんですってね」


「はい。生徒会長の妙案でして」


「ふふ、私も是非見に行くわ」


あんまり嬉しくないです部長…何が嬉しくて部活の先輩方や友人にコスプレ姿を見せないといけないんでしょうか。


「採寸し直した衣装はそのまま戻しておいて大丈夫よ。ボロボロな物があったら、古着の方に入れておいて貰えると助かるわ。流石に使えない物は遠慮なく捨ててちょうだいね」


「分かりました。衣装、本当にありがとうございます。お陰で一から作る手間が大幅に減りました」


「気にしないで良いのよ。あの子達も着て貰えないのは悲しいだろうし、また誰かに喜んで着て貰えたら本望な筈よ」


部長は本当にお洋服への愛が強い方ですね。あんなに素晴らしいお洋服や小物を作れるのも頷けます。


「そうですね。皆さんの大切な作品、大切に使わせていただきます」


「そうして。衣装作りも行き詰まったら言ってちょうだい。出来る範囲で手伝うから」


「分かりました。なるべく無いように努めますけれど」


クスクスと笑っている先輩は本当に優しくて綺麗で…女神様なのではないですかね?その内この人天界に帰ったりしませんか?


「アリア!終わった!」


「リーネ先輩、ありがとうございました…!」


「お役に立てて何よりだわ。戻りましょうか」


私と先輩の手にはソーイングセットが。マギィとミシェルさんの手には山の様な衣装や小物があり、道を私達が先導します。2人を前に歩かせたら流石に不安ですし…何なら後ろでもフラフラしてるんですよね…


〈〈〈お前ら前方に気を付けろ下さい!!〉〉〉
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