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第一章
第4話
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着替えて練習場へ向かうと、黒い制服を着た第3騎士団の人達が練習をしていた。
(意外と人数いるのね!)
「ルーチェ来たか。」
「うん。」
「剣を選びなさい。」
と言うとルーチェに何本かの木剣を見せた。
「これがいいです。」
とルーチェが選んだのは、装飾のないシンプルな剣だった。
(何も着いていない方が使いやすそうだもの。)
「分かった、これにしよう。」
と言うと、やっと剣術の練習に入った。レンディス(父)が手本を見せると、
「やってみなさい。」
と言って、ルーチェにやらせた。
(そんな一回見ただけで出来るわけないでしょ…。でも、できるだけ再現してみよう!)
ルーチェは再現しようと頑張ったが、
「剣はまっすぐ振るわないと折れるぞ。」
や、
「もっとしっかり剣を持たないと飛ぶぞ。」
など、ルーチェは色々注意された。
(やっぱり難しいのね…。でも何としても剣術を身につけないと!)
ルーチェは自分なりに言われたことを直そうとしていたが、そもそも子供だから力が足りず、重い木剣を持つのはかなり大変なことだった。そのため、ルーチェはちょこちょこ休憩を挟みながら練習を続けた。
「今日はここまでにしよう。」
「はい!」
「剣は重くはなかったか?」
と、レンディスは心配そうに言った。
「最初は重かったけど、慣れたわ!」
と、ルーチェは笑って答えた。
「それなら良かった。」
これはルーチェが後で知ったことだが、あのルーチェが選んだ剣には、中に鉄の塊が入っていた。だから普通の木剣と比べ物にならないぐらい重いものをルーチェは初日から振り回していた。
(中に鉄が入っているならあの重さは納得ね。でもなんで…?)
という疑問を抱えたままルーチェは練習を重ね、剣術を磨いてきた。
そしてある日、第3騎士団が南部に出た魔物を狩りに行くことがルーチェの耳に入った。
(パパも行くのかしら…。騎士団の皆が言ってしまったらかなり寂しくなるわね…。嫌だな。)
気づくと、ルーチェは自分の父親の部屋に向かっていた。それも早歩きで。
「パパ!南部に行くって本当?」
「突然どうした?」
「噂できいたから…。」
「噂か…。そうだ。南部にしばらく行くことになる。」
「そっか…。」
とルーチェは寂しそうな表情をする。
「リンデン侯爵に剣術を見てもらうようには言っている。だが、剣術を休みたいと言うなら止めはしない。お前の好きにしなさい。」
リンデン侯爵は、帝国の第2騎士団長で、いわゆる白騎士と呼ばれる人物だ。
(言い方は少し冷たいけど、やっぱりパパは優しい…。)
「うん、ありがとうパパ。」
とルーチェが言うと、レンディスは付け足すように、
「無理はしないように。」
と、心配そうに言った。
「大丈夫!わかっているわ。」
とルーチェが堂々と言う。
(意外と人数いるのね!)
「ルーチェ来たか。」
「うん。」
「剣を選びなさい。」
と言うとルーチェに何本かの木剣を見せた。
「これがいいです。」
とルーチェが選んだのは、装飾のないシンプルな剣だった。
(何も着いていない方が使いやすそうだもの。)
「分かった、これにしよう。」
と言うと、やっと剣術の練習に入った。レンディス(父)が手本を見せると、
「やってみなさい。」
と言って、ルーチェにやらせた。
(そんな一回見ただけで出来るわけないでしょ…。でも、できるだけ再現してみよう!)
ルーチェは再現しようと頑張ったが、
「剣はまっすぐ振るわないと折れるぞ。」
や、
「もっとしっかり剣を持たないと飛ぶぞ。」
など、ルーチェは色々注意された。
(やっぱり難しいのね…。でも何としても剣術を身につけないと!)
ルーチェは自分なりに言われたことを直そうとしていたが、そもそも子供だから力が足りず、重い木剣を持つのはかなり大変なことだった。そのため、ルーチェはちょこちょこ休憩を挟みながら練習を続けた。
「今日はここまでにしよう。」
「はい!」
「剣は重くはなかったか?」
と、レンディスは心配そうに言った。
「最初は重かったけど、慣れたわ!」
と、ルーチェは笑って答えた。
「それなら良かった。」
これはルーチェが後で知ったことだが、あのルーチェが選んだ剣には、中に鉄の塊が入っていた。だから普通の木剣と比べ物にならないぐらい重いものをルーチェは初日から振り回していた。
(中に鉄が入っているならあの重さは納得ね。でもなんで…?)
という疑問を抱えたままルーチェは練習を重ね、剣術を磨いてきた。
そしてある日、第3騎士団が南部に出た魔物を狩りに行くことがルーチェの耳に入った。
(パパも行くのかしら…。騎士団の皆が言ってしまったらかなり寂しくなるわね…。嫌だな。)
気づくと、ルーチェは自分の父親の部屋に向かっていた。それも早歩きで。
「パパ!南部に行くって本当?」
「突然どうした?」
「噂できいたから…。」
「噂か…。そうだ。南部にしばらく行くことになる。」
「そっか…。」
とルーチェは寂しそうな表情をする。
「リンデン侯爵に剣術を見てもらうようには言っている。だが、剣術を休みたいと言うなら止めはしない。お前の好きにしなさい。」
リンデン侯爵は、帝国の第2騎士団長で、いわゆる白騎士と呼ばれる人物だ。
(言い方は少し冷たいけど、やっぱりパパは優しい…。)
「うん、ありがとうパパ。」
とルーチェが言うと、レンディスは付け足すように、
「無理はしないように。」
と、心配そうに言った。
「大丈夫!わかっているわ。」
とルーチェが堂々と言う。
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