私の人生リスタート

雷衣

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第三章

第38話

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ルーチェは、3回ドアをノックした。
「入りなさい。」
ルーチェはいつものように椅子に座ると
「どうしたの?」
と、レンディスに訊いた。
するとレンディスは、
「この腕で、騎士団の仕事をするのは困難だと分かった。そして私が眠っていた数日、お前は本当によく仕事をこなしていた。今度の制圧が終わったら、お前に爵位を譲ろうと思う。殿下の婚約者発表の時はチュトラリー公爵として出席しなさい。」
ルーチェは、戸惑った。
「…パパ。私は帝国の守護者にふさわしくない…。」
ルーチェは悔しそうに言った。
「どうしてそう思う?」
レンディスは、ルーチェに優しく問いかけた。
ルーチェはその優しさのおかげで泣きそうになっていた。
「私は隣にいた人も守れなかった。そんな私が帝国の守護者とも呼ばれる、チュトラリー公爵にふさわしいと思う?」
幼い頃、ランデルとセリーナで町に行った時の事だった。
帝国の社交序列トップ3の家門の者が護衛もつけず遊びに行ったのだから、当然と言えば当然。殺されかけたのだ。
目の前に来たナイフを避けきれなくて刺さりそうになった時、ランデルが横から押して守った。おかげで手は血まみれ。
それに脅えて、ナイフを捨てて殺そうと試みた人達は逃げていった。
今は傷跡も残っていないが、今も自分のせいで怪我をした、と罪悪感が残っているのだ。
「…そうか。それなら、私も公爵にふさわしくないな。」
「…え?」
ルーチェは、下を向いていた顔をあげた。
「私も隣にいた、ルーチェの母親を守れなかった。公爵にふさわしくないか?」
ルーチェは激しく首を横に振った。
「ならば、問題なかろう。」

「…パパ。1つ…。」
「なんだ?」
「リンデン侯爵に教えていただいたんだけど、貴族派が私とパパを暗殺しようとしているって。だから、これ肌身離さず持ってて。」
と、ルーチェが差し出したのは、銀色の何も飾りの着いていないネックレスだった。
「これは…?」
「保護魔法と変形魔法をかけてあるの。暗殺者などによって保護魔法が発動した時にこれが剣になるように魔法をかけているの。剣さえあれば勝てるかなって思って。」
レンディスはそのネックレスを首につけながら
「ありがとう。気をつけるよ。ルーチェも気をつけて。」
「うん、ありがとう。」

(今回失敗したから次も何らかの手で暗殺しに来るだろう…。気を引き締めないと。)
「はぁ、あと少しで制圧かぁ…。行事が重なりすぎだよ…。」
「ほんとだよな。」
と、後ろから声がした。
「ラ、ランデル?!」
ランデルは
「読んでも無視するしとも思ったらいきなり喋り出すし、どうしたんだよ。」
(ランデルには刺客のことは言ってない。言わなくてもいいか。)
「ちょっと考え事していて。」
「相談乗るよ?」
と、心配そうにランデルが言った。
「別にそこまで深刻じゃないし、大丈夫よ。」
と、ルーチェは笑顔をつくってみせた。
「…そっか。」
「何か話があって来たんでしょ?」
「まぁ、だけど終わったから大丈夫。」
「え?どういうこと…?」
ランデルは少し小さな声で
「お前の安否を確認しに来たんだ。」
ルーチェはクスッと笑って
「わざわざありがとう。」
と言った。
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