孤高のミグラトリー 〜正体不明の謎スキル《リーディング》で高レベルスキルを手に入れた狩人の少年は、意思を持つ変形武器と共に世界を巡る〜

びゃくし

文字の大きさ
32 / 177

第三十二話 同行者

しおりを挟む

 王都南東の狩り場の一つ。
 王都から歩いて一日かかる距離に魔力の影響が色濃く表れる深緑の森林地帯『フラッジラム大森林』が存在する。
 ゴブリン、オーク、オーガなど鬼系統や昆虫、動物系統の魔物が多数生息する領域。
 広大な面積は魔物に支配され未だその領域の奥深くには人類は到達していない。

 その大森林の中でも冒険者たちから『黒紫の森』と呼ばれる一帯の地域は、背の高い針葉樹の葉が所々紫掛かった特異な場所だ。
 植生も周辺とは僅かに変化していて至る所に毒草、毒茸が点在している。
 幸いにも空気中までは毒が漂っているわけではないが、解毒のポーションの用意は必須だろう。
  
「いや~、王都で同じ弓使いと出会うとは思わなかったな~」

 ミストレアより一回り小さく取り回しやすい弓の天成器を扱い、ホブゴブリンの率いる集団目掛けて矢を射るのは、今回の依頼を共に受けた同年代くらいの女性はイオゼッタ。
 軽装の革鎧に緑のローブをたなびかせ、次々と近づいてくるゴブリンの関節を射抜き足止めする。

「おいっ、お前ら! いい加減こっちにも援護射撃してくれ!」

「あはは、ごめんごめん」

「このっ! うっとおしいゴブリン共め!」

 襲いかかるゴブリンたちに大剣の天成器を振るいながら戦う男性はヴァレオさん。
 分厚い剣身の大剣を振り回しゴブリンたちを寄せ付けない。
 オーク集落壊滅依頼のリーダーでもあり、俺とラウルイリナが依頼に参加することを許可してくれた人物でもある。

 目的地までの道中でホブゴブリン率いる集団に襲われた俺たちは迎撃を余儀なくされていた。
 王都近辺は流石に魔物の強さも数も違った。
 ホブゴブリンを筆頭にゴブリン、ゴブリンアーチャー、ゴブリンシャーマンの混成部隊が襲ってくる。
 
「ヴァレオ! 左は押さえる。今の内だ!」

 ヴァレオさんの攻撃の隙を庇うように前に出て、ゴブリンの攻撃を二本の槍の天成器で受け止める細身の男性はカザーさん。
 驚いたことにカザーさんはイクスムさんやエクレアのように二対一組の天成器を操る。
 双槍は互いの長さが違っていて、二mほどの長槍とその半分の長さの短槍の組み合わせだが、カザーさんはその二本を巧みに扱い次々とゴブリンを仕留めていく。

「まったく、どこでもコイツラは沸きやがる。行くぞっ! モーウェン【変形:回転鋸大剣】!! おらぁっ!」

 ヴァレオさんの手元で大剣の天成器モーウェンさんが姿を変える。
 
「ギャァァァァァァッ!!」

 血飛沫が舞う。

 ヴァレオさんの掛け声と共にその両手に握る大剣は、剣身を高速で回転する細かい刃を備えた切断武器へと変貌した。
 
 胴で両断されたゴブリンたちの断末魔の声が辺りに響く。

 ……なんとも恐ろしい武器だ。
 独特の高音を響かせて回転する刃は、荒々しい動きでヴァレオさんが斬りつけることで、ゴブリンたちに確実に致命傷を与えていく。
 どうやら手前に刃が回転することで、ゴブリンが逃げようと距離を取ろうとしても、逆に引きつけられ吸い込まれるように切断されているようだ。

「ギャッ!」

「矢は射たせない。【サンドツイスター2】!」

 ホブゴブリンたちの後方で弓を構えていたゴブリンアーチャーの行動を阻害する砂塵の渦。
 それは、カザーさんの双槍の天成器から放たれ、ゴブリンたちの隊列を乱す。

「ギャギャ」

 すでに十体以上のゴブリンを倒しただろうか。
 それでも、次々とホブゴブリンの指示で現れては襲ってくるゴブリンたち。
 ゴブリンの上位個体ホブゴブリンをリーダーとする集団にはこの森に入ってからすでに三回も遭遇している。
 
 ホブゴブリンはゴブリンより筋肉質な体つきの身長百四十cm前後の人型の魔物だ。
 戦闘力はゴブリンとは比較にならず、筋力の増した身体は力任せに武器を振り回すだけで脅威になり得る。
 なにより、通常のゴブリンの他に、ゴブリンアーチャー、ゴブリンシャーマンなどを率いて集団で襲ってくるため、ホブゴブリンの支配圏ではより一層、奇襲への警戒が必要だ。

「せやあぁぁぁ!」

 ラウルイリナは弓で前衛の援護射撃をする俺とイオゼッタにゴブリンたちを寄せ付けないように護衛してくれる。
 振るう剣は以前の使い古された片手剣と違い、新たに武器専門店で購入した魔物素材でできた剣を使っている。
 マーダーマンティスの素材を金属で補強した赤色の剣は、片刃だが軽量な上に切れ味鋭い。

「ここから先へは行かせない!【闘技:円斬覇】!!」

 ラウルイリナの剣技は天成器を使っていないとは思えないほどの流麗さがある。
 彼女曰く長年剣技を磨いてきたそうで、動きに全く淀みがない。
 なにより、いままでより頑丈な新たな武器は継戦能力を高めていた。

 ただ、それでもマーダーマンティスの赤剣は天成器ほどの切れ味はない。
 ゴブリン相手には問題なく戦えても、前回の襲撃のときにホブゴブリンと相対したときはなかなか致命傷を与えられず、結果止めはヴァレオさんが刺すことになっていた。

 新たな剣から放たれる闘技。
 身体ごと円を描くように一回転しながら周囲を薙ぎ払う斬撃は、数体のゴブリンを巻き込んで切り裂く。

「皆! 一旦下がれ! 【アイスボール6】」

 押し寄せてくるゴブリンの集団にルインが氷魔法を放つ。
 ゴブリンの集団の中心で爆ぜた六つの氷球は、彼らを尽く凍り漬けにした。





 戦いも終わり、ゴブリンの討伐証明を剥ぎ取りながらヴァレオさんがカザーさんにウンザリしたように話し掛ける。

「カザー、ゴブリンの討伐証明なんて今更剥ぎ取る必要あるのか? 報奨金も少ないし早く先に進もうぜ」

「オーク集落まではまだ長い。
急いでもオークたちは逃げないさ」

「そうはいってもよぉ。せっかくクライとミストレアに索敵して貰って敵の大まかな位置が分るんだから、もっとサクサク進んだ方がいいんじゃないか?」

「この即席のメンバーの連携を深めるためにも、なるべく戦闘は避けない方がいい」

 この二人は普段は『晴嵐虎団』というパーティーを組んで活動しているそうだ。
 ヴァレオさんが敵に突撃して荒らし回り、カザーさんが槍と砂魔法で援護する。
 二人の息のあった戦い方は後方で援護射撃をしていても安心して見ていられる。

「それにしても、やはり『黒紫の森』ともなると魔物との遭遇が増えるな。今の所ゴブリンばかりだからいいが、この先はもっと強い魔物が増える。……クライ、ラウルイリナ。どうだ、やっていけそうか?」

 カザーさんが真剣な表情で質問してくる。
 合同依頼に参加するときもカザーさんがヴァレオさんの説得に力を貸してくれた。
 この依頼に参加した冒険者は俺とラウルイリナ以外はCランクなので心配してくれているのだろう。

「クライの弓の腕は保証するよ。オーク集落でもきっと活躍してくれる。なにより、狩人をしていただけあって索敵も気配遮断もお手の物だ。……まあ、ラウルイリナも弾除けくらいにはなるし……連れていってもいいんじゃない」

 イオゼッタが褒めてくれるのは嬉しいけど、どうもラウルイリナへの当たりが強い。
 王都で活動していたなら彼女の悪い噂を聞いたのかもしれない。
 それでも、こうして共に依頼に行くことを了承してくれた。
 イオゼッタにもいまのラウルイリナのひたむきさを知ってもらえれば……。

「二人とも十分戦力になっているよ。ボクたちとの連携も段々と上手くなってきている。Eランクとは思えない強さの弓使いに、Dランクの天成器を使わない冒険者。王都へ来てよかった。こんなにも興味を唆る人たちに会えるんだからね」

 爽やかな笑顔を浮かべているのは、氷魔法と大槍の天成器ヘンリットを扱うルイン。
 輝くばかりの白髪は肩口まで伸びていて男性物の服装の割にはどこか女性的な部分も感じさせる。
 イオゼッタと違ってラウルイリナに対する態度にも特に棘はないが、好奇心旺盛なようで道中も頻繁に彼女や共に合同依頼に参加するメンバーに質問していた。

 それと、イオゼッタもルインもソロの冒険者として活動していたようだ。
 二人とも自身の戦い方を確立していて、Cランク冒険者としての実力を備えている。
 イオゼッタの弓の腕は正確で、特に動きながらの射撃は流れるような連射で獲物を追い詰める。
 ルインの氷魔法は威力と範囲に優れ、大槍の天成器での接近戦もある程度こなせる。

「そうだな。この先はヴァレオも俺もサポートする。二人なら大丈夫だろう」

「……すまない。私が……もっと強ければ……」

「……まあ、いいんじゃない。少なくとも闘技は使えるんだし」

「フフッ、イオゼッタ、君も素直じゃないね。そういう時は守ってくれてありがとうと言えばいいんだよ」

「うるさいっ、少しは戦えるんだから。もっと堂々としてればいいのに……まったく」

 心配する必要はなかったかもしれない。
 ルインに指摘されたのが恥ずかしいのかイオゼッタはそっぽを向いてしまった。
 
「お前らっ! リーダーのオレばっかり剥ぎ取りさせるんじゃねえよ! さっさと手伝え!」

「はいはい、悪かったよ。さあ、ボクたちも早く討伐証明を取って先に進もう。まだ、オーク集落まで二日はかかる。リーダーをこれ以上待たせる訳にも行かないしね」

「クライとラウルイリナは周囲の警戒を頼む。解体中に魔物に襲われるのは勘弁してほしいからな」

 カザーさんの号令で皆ゴブリンの解体を始める。
 
 周囲を見渡しているとラウルイリナがおずおずと話し掛けてきた。

「それにしても、良かったのか。どうやらイクスムさんの話では家族に反対されたようだが……」

「……それは問題ないです」

 ラウルイリナの質問に苦い記憶が脳裏に浮かぶ。
 王都から出発するときは本当に大変だった。





「本当に行ってしまうのか? 何もこんなに早く出て行かなくてもいいではないか?」

「……ごめん、母さん」

 縋り付くように近づいてくる母さんには悪いけど素直に謝るしかない。

 冒険者登録を済ませ、ニールへの無事を伝える伝言も残した。
 イクスムさんの案内でラウルイリナと新しい装備も調達することができ、合同依頼のメンバーとも顔合わせを済ませ、王都から出立する準備は整った。

 ただ……。

「なあ、誰かに代わりに行って貰えばいいじゃないか。一週間近く王都を出るなんて長すぎる。学園に通うかもまだ決まっていないんだろう」

「……はい。でも、ラウルイリナと共に戦うと約束しましたから」

「むぅ、そうはいってもだな。せっかく親子で過ごせる時が来たんだぞ。もう少し落ち着いてだな」

 確かに、この屋敷に来てから三日程度しか経っていない。
 それでも……力に成りたいと思ったから。

「……すみません」

「クライを困らせたい訳じゃないんだ……ふぅ、仕方ない。なら、帰ってくるのを待つとしよう。ただそうだな、学園に通うことも前向きに検討して欲しい。……冒険者として活動していくにしても、プラスになることの方が多い。世界を知ることはクライの財産にもなるぞ」

「……わかりました。」

「……」

「いや、わかったよ」

 無言のプレッシャーの掛け方はエクレアとすっかり同じだ。
 胡乱げな視線だけで思わず頷いてしまう。
 すると、さっきまで黙って佇んでいたエクレアが、唐突に隣に控えるイクスムさんに提案する。

「……イクスム、兄さんを助けてあげて」

「そ、それはっ!?」

「……お願い」

「で、ですが、私にはお嬢様の護衛としての責務が……」

「……」

 苦悶の表情を浮かべるイクスムさん。
 やはりエクレアから離れるのは本意ではないんだろう。

「その……エクレア。イクスムさんに無理は言わない方が――」

「――私がっ! クライ様をお守りします!」

「……そう、ありがとう。危険な時だけでいいから」

「勿体ないお言葉です」

 恭しく頭を下げていたイクスムさんの視線がエクレアからこちらに移る。

「……そうですね。旅には同行しますが基本的に私は手助けしません。本当に危険な場面に遭遇した時のみ手出しすることにいたしましょう。……エクレアお嬢様、それでよろしいでしょうか?」

「……それでいい」

 え、本当に着いてくるつもりなのか?

「その……そうはいっても合同依頼に参加するにはリーダーのヴァレオさんの許可がないと……」

「なら、エディレーンに紹介して貰いましょう。最近はほとんど依頼を受けていないとはいえ私もBランク冒険者です。その人物も断りはしないでしょう」

「イクスムが着いていってくれるなら私も安心できる。頼んだぞ」

「はい、御当主様。私にお任せ下さい」

 満足そうに頷く母さんに自信満々に答えるイクスムさん。
 一気に不安になってきた。
 イクスムさんの強さは信頼できるけど、強引なところは信頼できない。





「おし、あらかた剥ぎ取り終えたな。先に進むぞ」

 ヴァレオさんの号令でゴブリンの解体を切り上げて再び『黒紫の森』を進む。
 ゴブリンの討伐証明をマジックバックに仕舞いながらヴァレオさんがコソコソと小声で話し掛けてくる。

「それで、クライ。あのイクスムとかいう金髪のエルフは何者なんだ? 私はただの見学だから報奨はいらない、とかいって着いて来てるけど、一応お前らのパーティーメンバーだろ」

「その……すみません。戦ったら強いんですけど、ちょっと事情があって……」

「さあ、目的地まで急ぎますよ。まだまだ遠いんですから。そうだっ! 今夜の夕食も楽しみにしていて下さい。腕によりをかけて作りますよ」

「おお~、楽しみだね。イクスムさんは戦わないけど、昨日の夕食は最高に美味しかったからね」

 俺とヴァレオさんのやり取りは聞こえていないのか、先頭を歩きルインと話が盛り上がるイクスムさん。

「解体とか野営の準備をしてくれるのは、ありがたいっちゃあありがたいけどよぉ。はぁ~、まあ今更か、お前らの参加だって許可したんだからな」

 頭をガシガシと掻きながらヴァレオさんがため息を吐く。

「疑問だったんですけど、なんで許可を出してくれたんですか?」

「なんでって……なんでだろうな。カザーが賛成してたのもあるが……王都で魔物の集落を壊滅させる依頼なんて誰も受けやしねぇ」

「そうなんですか?」

「魔物の素材や魔石は大量に手に入るが、当然普通の討伐依頼より命の危険はある。普段協力することのない冒険者同士で合同で依頼を受けることも稀だ。冒険者はパーティー以外と連携を取ることは滅多にないからな。……それに、地方では魔物の集落は危険視されてるが、王都には騎士団本部がある。もし集落が拡大しても騎士団が出張ってきてなんとかすると王都の冒険者たちは考えてるんだ」

 騎士団が実力者揃いなのは聞いたことがある。
 王都では騎士団本部があることでほとんど魔物の脅威にさらされないから、安心しきっているのだろうか。

「それを別に目的があるとはいえ、威勢のいいガキ二人が参加させてくれとわざわざ言ってくるなんて……な」

「その……すみません。無理を言って」

「まあ、いい安心しろ。今更帰れなんていわねぇよ。それにちゃんと約束通りウェポンスライムの素材はくれてやる。その分はしっかり働いて貰うぞ」

「……はい、ありがとうございます」

 ぶっきらぼうな言い方だが、そこには確かにヴァレオさんの不器用な優しさがあるように感じた。

「なに二人してコソコソと話をしてるんですか? ほら、早くいきますよ」

 やたらと元気のいいイクスムさんに急かされる。
 
 オーク集落までの道程はまだ長い。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

転生先はご近所さん?

フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが… そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。 でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

処理中です...