超絶ゴミ恩恵『消毒液』で無双する

びゃくし

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第八話 我が家へようこそ

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 ラーツィアとレオパルラとかいう女騎士を連れてきたのは、案の定というか、予想通りというか、もうすぐ手放さなければならなくなるかもしれない我が家だった。

 まあ、オレが案内できる安全な場所はここしかない。

「わぁ~~、凄いお家ですね、アル様。これは全部アル様が作ったんですか?」

「姫様。これは廃屋という物です。おい、バステリオ、姫様にこんな所しか用意できないのか!!」

 ラーツィアは無邪気に喜んでくれるのに、この女騎士は本当に態度が悪い。

「取り敢えず二人共中に入ってくれ。……これでも室内は綺麗なんだぞ」

 二人の愛馬であるシュヴァルを爺さんの作った馬小屋風の建物に連れていき、繋いでおく。

 幸いこの馬小屋兼物置小屋は、我が家の林に隣接して周囲からは目立たない。
 まあ、ここは街外れで誰もこないから心配する必要はないかもしれないけど、目撃されるリスクは低い方がいいから丁度良かった。

「す、凄い広いです! 色んな物がたくさんあって、わたしすごく気になります!」

「うむ。ごちゃごちゃとした家だな。そこらじゅう棚や物で溢れている。……まあ、姫様と私が暮らす分には申し分ない広さだけはある。褒めてやろう」

 おい、ナチュラルにオレを省くんじゃねぇよ。
 姫様は純粋で可愛いのに、本当にコイツは……。

「オレはどうするんだよ。除外するな」

「なっ!? お前、まさか姫様と一緒に寝泊まりするつもりか!? な、なんて不埒な奴だ! 姫様、すぐにここから立ち去りましょう!!」

 行く宛も馬車もないのに威勢がいいな。

「レオパルラ、我儘を言ってはいけませんよ。アル様のご好意でわたしたちはここに居させていただいているんです」

「ですが……」

「そうだっ! コイツはシュヴァルと一緒に寝かせましょう。そうすればシュヴァルも寂しくないし、私たちも安全です!」

「ダメです」

「そんな~~」

 コイツこんなに駄目な奴だったか?
 それともラーツィアが関わると変になるのか?
 世間知らずそうなラーツィアの方がしっかりしてるぞ。

「取り敢えず事情を聞かせてくれ。あの場所じゃあ落ち着いて話せなかったからな」

「いいだろう。そうだな。どこから話すか……」

「時間はある。全部話してくれ」

 オレの問いに女騎士はゆっくりと話しだした。

「……まず初めに私たちは王都から逃げてきたのは話したな」

「ああ」

「女王様の命で脱出してきた訳だが、女王様はこうも私たちに伝えた。それは――――」

 女騎士が語った内容では、どうやらラーツィアは帝国に狙われているらしい。

 帝国の重鎮で最古の貴族であるニッケルベルン公爵の若君に、婚約相手として望まれているそうだ。
 そして、その結婚を申し込んできた公爵の第一子がこれまた悪い噂の絶えない奴らしい。

「姫様は塔に半ば幽閉という形で軟禁されていたのに、どこで情報を仕入れたのか……」

「軟禁? こんなに可愛いのに?」

「ア、アル様。は、恥ずかしいことをおっしゃらないで下さい」

 ラーツィアはその膨大な魔力の暴走を恐れて、王城から離れた古塔で誰とも接触させて貰えず暮らしてきたそうだ。

 この吸魔の指輪の魔力は底すら見えない。
 こんな魔力の持ち主が暴走したら危険に思う気持ちはわからなくはないが……。

 それはそれとして王城の奴らはどうしようもない奴らだな。
 誰とも会わせないように仕向けて隔離するとは!

 そのため頼れる相手はこの女騎士一人だけ。
 二人して馬車に乗りここまで逃げてきたという。

「女王様は私たちを死んだことにして逃がすおつもりだった。王城では姫様の葬儀が執り行われ、私たちはその隙に逃げ出してきた。最初は平和だった旅だが……恐らくは帝国の公爵家の追っ手だろう。昼夜を問わず襲われることになった」

 女騎士は追っ手を一時的に退けはしたが、旅の途中も何度か襲撃があったため、危険を承知で魔物のテリトリーに入って撒こうと考えたらしい。
 いや、めちゃくちゃなこと考えるな。
 一歩間違えれば自分たちが死ぬぞそれ。

「そう言えばこんな辺境まで旅してきたのは何でなんだ? 身を隠すならもっと良い所があるだろ?」

「女王様からはランクルの街に頼れる人物がいると聞いていた。その人物に会いに来たのだがな」

「ふ~ん、名前は?」

「ジルバ、という男性らしい。以前は王城の庭師だったそうだ」

「ジルバ? わからんな」

 ジルバ、か。
 王都からここに来てここに住んでるなら有名人ってことだよな。
 そんな噂聞いたことがないけど……。

「まあいい、話は聞かせてもらった。今日はもう遅い。取り敢えず泊まっていけよ」

 オレの提案になぜかラーツィアが神妙な顔で話しかけてくる。
 
「あ、あのアル様。お願いがあるんですけど……」
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