ただの遊び相手が欲しくてかまちょしてたら専属メイドになった～ただ、遊んでもらってただけなのに！！！～

どうして

頭がいたい。
どうしてなんて考えることもできない。
ただ、悲しくて。
「ジャスミン、しっかりしなさい！！」
誰かの叫び声を遠くに聞きながら、体が冷えてきた。
寒いなくるしい、寒いなくるしいな。
私は。
一人ぼっちはやだよ。


「起きたのね」
目が覚めて最初に見えたのは、会いたかった人じゃなくて。
「ジャスミン、よかった」
ゆっくりと起き上がったら、慌てたように誰かに背中を支えられる。
「坊ちゃまは？」
頭が、ぼーっとする中でた声は情けないほど震えていて。
これより先は、聞きたくない。
でも、知りたい。
「坊っちゃまは」
言いにくそうなおばあちゃんの顔を見てると、涙が溢れて。
「ごめんね、ジャスミン。坊っちゃまは、忘れちゃったみたいで」
忘れられた。私は、坊っちゃまに。
忘れられた？
「ジャスミン？！」
誰に？
坊っちゃまに。
どうして？
嫌われてるから。
なんで？
わからない。