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第二〇話 保証人、ゲットだせ!
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「はぁ…そんな簡単なことではないんですよ?取り敢えず、私が当たれる有力者に連絡は取るつもりですが…弟子は取らないと宣言していた私が、神の推薦で弟子を押しつ…んんっ!得るとは、なんの因果なんでしょうか」
呆れ目の境地の死んだ魚の目をするエイルさんに、ジョウが吠えた。
『全く!押し付けたとは人聞きが悪い!じゃが、エイルが儂の願いを汲んでくれたからの。約束通り、加護を与えるかのぅ!』
「「…は?」」
ジョウは、念話もなく喋ったのだ。勿論「は?」の意味は、両者共に違う意味が込められている。
一人はガイア様の言葉に、鳩が豆鉄砲食らったように目が点。もう一人は、人前で話が出来ることを解禁したジョウの行動について。
『ガイア様の代弁の為、吾輩が仕方なく喋っているが、平時ではないことだ』
「はっ!」
ジョウがそう言うと、彼は素早くソファから離れ、膝を降り礼を取った。
『ミオは、儂らの子同然に目をかけているんじゃ』
「恐れながら申し上げます。ミオさんの称号には、愛し子や使徒の表示がありませんでした。それは、何故でしょうか?」
私のステータスだけじゃ確信が得られなかった疑問を、エイルさんはガイア様にぶつける。
『なに…他ならぬミオが、好きに生きたいと申したのでな。それならば、足枷になる要らぬものを付ける必要はなかろう?じゃが、儂らの子同然であるのは変わらん。じゃから、フリータールのみならず、多方面に縁のあるお主に白羽の矢を立てたのじゃ。聖域の採取も、転移があるお主なら煩わしい移動も一発じゃからな』
「…ガイア様に、そこまで買って頂けたことは、我が人生最大の誉れにございます」
まさかガイア様に、自身の存在が知られているとは思わなかったらしい。感極まるといった様子で、頭を垂れた。
『そのように恐縮するでない。あくまで我が子の師を願い出たまでじゃ……と言っても、ミオは猪突猛進じゃから世話をかけることは目に見えておるからの。ミオの暴走で二進も三進も行かなくなれば、お主の屋敷の礼拝室でウルシアへ話しかけると良い。余程の修羅場でない限り、応答するように申し付けておくからの』
「有り難きご配慮、身に余る光栄に御座います」
『では、頼んだのじゃ』
「はっ!しかと承りました」
なんか、ガイア様にディスられたのは気の所為かな?恭しく頭を垂れる彼を、私は半目で見つめた。さっきまでは仕方なし…という空気だったのに、ガイア様が降り立った途端これだもの。
エルフは精霊を奉る傾向があるとラノベ界隈では有名だけど、神も同様だったか。(←当たり前だ)
日本でも行事などでは神様は身近だが、存在が身近かといえば否だ。目に見えたり、声を聞けることはなかった。
「…ガウッガウッ」
「ジョウはなんと?」
「ガイア様が帰られたなって言ってます。帰ったと言っても、意識だけでしょうけど」
私の言葉に、エイルさんは瞳を輝かせ力説した。
「なにを言っているのです!それでも神の具現は素晴らしいのですよ!ミオさんを我が子のようだと仰っていましたし…私の人生は責任重大になってしまいました」
と思ったら、次の瞬間には遠くを見る儚い目をした。忙しい人だな。
「若輩者ですが、よろしくお願いします。それから、師匠になっていただきますので、呼び捨てで構いません」
「分かりました。では、ミオと呼ばせていただきます。ミオのステータスの称号もそうですが、神直々のお願いとあらば、メダルの審議は無駄な行為ですね。一応認定証には、アターキル領主の承認サインと王城の保管庫にあるメダルとの比較が必要ですので、もう少々お待ち下さい」
「分かりました」
アターキル領主の承認って…この時点で呼び出しの可能性大なやつ。しかしエイルさんも一緒だろうし、下手なことにはならないでしょ!
呆れ目の境地の死んだ魚の目をするエイルさんに、ジョウが吠えた。
『全く!押し付けたとは人聞きが悪い!じゃが、エイルが儂の願いを汲んでくれたからの。約束通り、加護を与えるかのぅ!』
「「…は?」」
ジョウは、念話もなく喋ったのだ。勿論「は?」の意味は、両者共に違う意味が込められている。
一人はガイア様の言葉に、鳩が豆鉄砲食らったように目が点。もう一人は、人前で話が出来ることを解禁したジョウの行動について。
『ガイア様の代弁の為、吾輩が仕方なく喋っているが、平時ではないことだ』
「はっ!」
ジョウがそう言うと、彼は素早くソファから離れ、膝を降り礼を取った。
『ミオは、儂らの子同然に目をかけているんじゃ』
「恐れながら申し上げます。ミオさんの称号には、愛し子や使徒の表示がありませんでした。それは、何故でしょうか?」
私のステータスだけじゃ確信が得られなかった疑問を、エイルさんはガイア様にぶつける。
『なに…他ならぬミオが、好きに生きたいと申したのでな。それならば、足枷になる要らぬものを付ける必要はなかろう?じゃが、儂らの子同然であるのは変わらん。じゃから、フリータールのみならず、多方面に縁のあるお主に白羽の矢を立てたのじゃ。聖域の採取も、転移があるお主なら煩わしい移動も一発じゃからな』
「…ガイア様に、そこまで買って頂けたことは、我が人生最大の誉れにございます」
まさかガイア様に、自身の存在が知られているとは思わなかったらしい。感極まるといった様子で、頭を垂れた。
『そのように恐縮するでない。あくまで我が子の師を願い出たまでじゃ……と言っても、ミオは猪突猛進じゃから世話をかけることは目に見えておるからの。ミオの暴走で二進も三進も行かなくなれば、お主の屋敷の礼拝室でウルシアへ話しかけると良い。余程の修羅場でない限り、応答するように申し付けておくからの』
「有り難きご配慮、身に余る光栄に御座います」
『では、頼んだのじゃ』
「はっ!しかと承りました」
なんか、ガイア様にディスられたのは気の所為かな?恭しく頭を垂れる彼を、私は半目で見つめた。さっきまでは仕方なし…という空気だったのに、ガイア様が降り立った途端これだもの。
エルフは精霊を奉る傾向があるとラノベ界隈では有名だけど、神も同様だったか。(←当たり前だ)
日本でも行事などでは神様は身近だが、存在が身近かといえば否だ。目に見えたり、声を聞けることはなかった。
「…ガウッガウッ」
「ジョウはなんと?」
「ガイア様が帰られたなって言ってます。帰ったと言っても、意識だけでしょうけど」
私の言葉に、エイルさんは瞳を輝かせ力説した。
「なにを言っているのです!それでも神の具現は素晴らしいのですよ!ミオさんを我が子のようだと仰っていましたし…私の人生は責任重大になってしまいました」
と思ったら、次の瞬間には遠くを見る儚い目をした。忙しい人だな。
「若輩者ですが、よろしくお願いします。それから、師匠になっていただきますので、呼び捨てで構いません」
「分かりました。では、ミオと呼ばせていただきます。ミオのステータスの称号もそうですが、神直々のお願いとあらば、メダルの審議は無駄な行為ですね。一応認定証には、アターキル領主の承認サインと王城の保管庫にあるメダルとの比較が必要ですので、もう少々お待ち下さい」
「分かりました」
アターキル領主の承認って…この時点で呼び出しの可能性大なやつ。しかしエイルさんも一緒だろうし、下手なことにはならないでしょ!
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