壊す世界と夢の魔法

clover

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EP5

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ーーー壊れたネジーーー 


俺は、その白い髪と白い肌のせいで周りから偏見と哀れみの目を向けられて育った。
同級生からは、
「小野屋~、お前の髪何で白いんだ?」
初恋の相手からは、
「ごめんなさい。慎一くんとはちょっと......」
などと、いつも目を背けられる。

「俺は悪くないのに...俺は...悪くないのに!!」
俺は両親を恨んだ。白い髪も、肌も、産んだのは親だ。
中学のとき、ずっと酷い虐めを受けていた。それがきっかけとなり、親を殺してしまった。

少年院へいくまでに事情聴取を受けた。
「どうして殺してしまったの?」
「俺を...産んだから。」
「君は感謝が足りないんだ。せっかく親からもらった命なんだぞ。しっかり償って生きていきなさい。」
(お前に何がわかる?俺が今まで受けてきたことの何がわかる?所詮、普通に産まれてきた人間に、俺の何がわかるんだよ!)
少年院にいた3年間、俺は手首を切り続けた。入院を繰り返したが、繰り返す切り傷で神経を壊してしまい、両手に上手く力が入らなくなった。カッターナイフの刃をカチカチと出すことさえ難しかった。


そんなときだった。


手の代わりの魔法。俺は手に入れた。これで全部無くなるまで切ってやる。この世の全てを切ってやるんだ。俺のネジは絞めすぎて壊れてしまった。そしてそう誓った。

俺みたいな人間が他にもいることを知った。真っ先に殺しかかりにいった。そして五人は殺しただろう。ある時、6人目の家のインターホンを鳴らした。装って外へ出し、殺すことのみを頭に入れていた。



でも負けていた。殺されかけていた。意識が遠くなる。そんなとき、俺を殺しかけた男は言ったんだ。






「お前は悪くない。」





安心して逝ける。そう思った。まさか、最後の最後で、俺の人生16年で一番言って欲しかった言葉をかけてくれた。もう残したものなんてない。
救われた。

足掻いて、怒って、殺して、八つ当たりして、
もうめちゃくちゃになってしまっていた。大事なことを忘れていた。俺は、俺自身を攻め続けていたんだ。1人じゃ何もできない自分を。
そうだ、俺は悪くない。誰のせいでもない。白い髪も、肌も、心も。




救われた
報われた
幸せだ。





(もう泣いていいかな?母さん。
ごめん。本当に。殺しちゃってごめんなさい。母さんは悪くないのに。
今からそっちに行くから。もう悪いことはしないから...これからはずっと一緒に居てほしいんだ......。)





彼は、壊れたネジを巻き直してくれたんだな。


ありがとう。市ヶ谷雪。




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