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EP6
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「問題は、この街に何人の魔法使いがいるかだ。今のところ、僕が殺した1人を除いてわかっているのは3人。」
僕達3人は、状況を整理していた。
「僕は影、美緒は未来視、知優は透明化。なぜこの魔法なのかはわからんが、この他の情報はない。」
「23人だよ。」
窓から声がした。そこには1人の女が座っていた。
「あ、6人死んだから17人だ。」
「誰だ。」
「怪しいもんじゃないよ。」
女は膝ほどまで長い茶髪が特徴的だった。
「私は傍観者に過ぎない。君らに攻撃をふっかけたりしないよ。」
「信用する。何か知ってるなら教えてくれ。」
「いいよ。そのかわり、」
「なんだ?」
「全員の魔法、見てみたいな~。」
「わかった。早く教えてくれ。」
「じゃあまず1つ目に、この17人には派閥が存在している。1つは君ら3人。もう1つは6人、最後に7人組の集団だ。なかでもこの7人組が厄介でね。」
「それだけか?」
「ううん。他にもあるよ。君が殺した小野屋 慎一っていう白髪の彼と、その彼が全員殺した5人組派閥。死んだ人も入れて全員で23人の魔法使いがこの街にいる。」
「待て、数が合わない。」
「あ、やっぱり気付いちゃったか、そうだよ。私も魔法使い。君達には見せてもらうんだから私も私の魔法を教えて上げる。でもその前に見せてよ。」
「わかった。」
僕は影を出した。
「へぇ、すご~い。興味深いね。他の2人は?」
「美緒は未来視、知優は透明化だ。」
「で、お前はなんだ?」
「私は~、」
「虚偽の魔法。嘘を本当にする魔法だよ。反対の魔法とも言えるかな。」
「それって...」
「そう、私が今ここで、私は世界を守るって言えば、世界が滅んでしまう。」
「じゃあお前はいつでもこの世界を終わらせられるということか?」
「そうなるかな。でもそんなことしたらおもしろくないでしょ?私はあくまでも傍観者。争いには参加しない。人も殺さない。ただこの世の行く末を見届けたいだけなの。」
「お前は何者なんだ?名前はなんだ?」
「名前は...秘密。」
「ちょっと待ってください!」
美緒が声を上げた。
「なんだい?」
「あの、さっきの7人組の派閥が厄介って、どういうことですか?」
「あ~、“正義“のことか。」
「“正義“?」
「そう、奴らは“正義“と名乗っている。この町の全魔法使い同士の秩序を守っているんだってさ。自称だけどね。実際は人殺し集団。魔法使いじゃなくても危うくなれば口封じだのと言って殺す。」
「なんだよそれ。僕達と同じじゃん。なにが正義だよくだらない。」
「そうだな。で、問題は正義のリーダーである、堤 隼人だ。彼の魔法は空間操作。この世の全ての“物“を操作できる。地形、浮遊、物質、全てだ。参考までにだが、彼は真っ黒いパーカーを羽織って、ベレー帽を被っている。遭遇したら逃げるのが先決かな。」
「じゃあ、もう1つの6人は?」
「正義ほど厄介じゃないけど、そもそも見つけ出すのが難しいだろう。私もあいつらの魔法がなんなのか、どこにいるのか、顔すらも知らない。わからないことだらけで情報が出てこなくてね。ま、そもそも顔を出さないならこちらから干渉するまでもないさ。」
「そうか、ありがとう。」
「じゃ、私が知ってるのはここまで。またね~。」
そう言って“傍観者“は窓から姿を消した。
僕達3人は、状況を整理していた。
「僕は影、美緒は未来視、知優は透明化。なぜこの魔法なのかはわからんが、この他の情報はない。」
「23人だよ。」
窓から声がした。そこには1人の女が座っていた。
「あ、6人死んだから17人だ。」
「誰だ。」
「怪しいもんじゃないよ。」
女は膝ほどまで長い茶髪が特徴的だった。
「私は傍観者に過ぎない。君らに攻撃をふっかけたりしないよ。」
「信用する。何か知ってるなら教えてくれ。」
「いいよ。そのかわり、」
「なんだ?」
「全員の魔法、見てみたいな~。」
「わかった。早く教えてくれ。」
「じゃあまず1つ目に、この17人には派閥が存在している。1つは君ら3人。もう1つは6人、最後に7人組の集団だ。なかでもこの7人組が厄介でね。」
「それだけか?」
「ううん。他にもあるよ。君が殺した小野屋 慎一っていう白髪の彼と、その彼が全員殺した5人組派閥。死んだ人も入れて全員で23人の魔法使いがこの街にいる。」
「待て、数が合わない。」
「あ、やっぱり気付いちゃったか、そうだよ。私も魔法使い。君達には見せてもらうんだから私も私の魔法を教えて上げる。でもその前に見せてよ。」
「わかった。」
僕は影を出した。
「へぇ、すご~い。興味深いね。他の2人は?」
「美緒は未来視、知優は透明化だ。」
「で、お前はなんだ?」
「私は~、」
「虚偽の魔法。嘘を本当にする魔法だよ。反対の魔法とも言えるかな。」
「それって...」
「そう、私が今ここで、私は世界を守るって言えば、世界が滅んでしまう。」
「じゃあお前はいつでもこの世界を終わらせられるということか?」
「そうなるかな。でもそんなことしたらおもしろくないでしょ?私はあくまでも傍観者。争いには参加しない。人も殺さない。ただこの世の行く末を見届けたいだけなの。」
「お前は何者なんだ?名前はなんだ?」
「名前は...秘密。」
「ちょっと待ってください!」
美緒が声を上げた。
「なんだい?」
「あの、さっきの7人組の派閥が厄介って、どういうことですか?」
「あ~、“正義“のことか。」
「“正義“?」
「そう、奴らは“正義“と名乗っている。この町の全魔法使い同士の秩序を守っているんだってさ。自称だけどね。実際は人殺し集団。魔法使いじゃなくても危うくなれば口封じだのと言って殺す。」
「なんだよそれ。僕達と同じじゃん。なにが正義だよくだらない。」
「そうだな。で、問題は正義のリーダーである、堤 隼人だ。彼の魔法は空間操作。この世の全ての“物“を操作できる。地形、浮遊、物質、全てだ。参考までにだが、彼は真っ黒いパーカーを羽織って、ベレー帽を被っている。遭遇したら逃げるのが先決かな。」
「じゃあ、もう1つの6人は?」
「正義ほど厄介じゃないけど、そもそも見つけ出すのが難しいだろう。私もあいつらの魔法がなんなのか、どこにいるのか、顔すらも知らない。わからないことだらけで情報が出てこなくてね。ま、そもそも顔を出さないならこちらから干渉するまでもないさ。」
「そうか、ありがとう。」
「じゃ、私が知ってるのはここまで。またね~。」
そう言って“傍観者“は窓から姿を消した。
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