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ハナミズキ
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天井が見える。少しずつ視界が開けてきた。時計の針は6時半を指している。
何か違和感を感じる。
なんだろう。
昨日は1人で出掛けて、近所の公園でハナミズキを見た。
そこからは...
わからない。
覚えていない。
スマホの通知音が鳴った。
湊からメールだ。
『昨日は合コン付き合ってくれてありがとな!また頼む!!』
合コン...?俺は昨日、ハナミズキを見た後、合コンへ行ったのか?
でも俺は今高二だし...。
合コンなど行くはずもない。それに俺には好きな人が...
カレンダーと目が合い、全身の毛が逆立つのを感じた。
2020年9月18日
違う、昨日は2018年9月17日だ。
何回カレンダーを見ようがスマホの日付を見ようが結果は同じ。
2020年9月18日になっている。
湊にメールで確認を取った。
『今日は何年の何日だ?』
すぐに返信が来た。
『2020年の9月18日だぞ。寝ぼけてるのか?合コンで飲み過ぎたか?』
全身から冷や汗が出た。瞳孔の変化すらも感じ、全身の毛は逆立ったままだ。視界はぼやけていき、動揺を隠せない。
その日は家で一日を過ごした。自分の2018年からの2年間の記憶が抜けていることを理解し、今の自分の情報を把握する必要があり、最優先事項であると考えたからだ。
高校に入学してから独り暮らしをしている。本棚には数Bや日本史ではなく、センター試験対策や赤本、チャート式、他には、フランス語基礎、言語学などと書かれた本が沢山入っている。本棚の要領は大きくなり、小説も増えている。
「言語学とフランス語の本があるってことは、俺は進学したのか。身分証があれば今の大学がわかるんだけど...そうだ!学生証!」
学生証は机の上に鞄と一緒に置いてあった。
千葉大学 薬学部 一回生
神田 悠斗
年齢 19歳
生年月日 2001年11月27日
「薬学部......言語系じゃないのか。理系だからチャート式があったってわけだな。」
当然、受験や大学の講義の記憶もない。知識は高二止まりの一文無しってわけだ。
夜になり、また湊から連絡が来た。
『今日、授業休んだだろ。調子悪いのか?ノートとっといてやったぞ!感謝しろ!悠斗。』
『すまん。ありがとな。すまんが明日、うちに来てくれないか。話したいことがある。』
『わかった。じゃあな。』
俺は情報を一通り整理し、就寝した。
何か違和感を感じる。
なんだろう。
昨日は1人で出掛けて、近所の公園でハナミズキを見た。
そこからは...
わからない。
覚えていない。
スマホの通知音が鳴った。
湊からメールだ。
『昨日は合コン付き合ってくれてありがとな!また頼む!!』
合コン...?俺は昨日、ハナミズキを見た後、合コンへ行ったのか?
でも俺は今高二だし...。
合コンなど行くはずもない。それに俺には好きな人が...
カレンダーと目が合い、全身の毛が逆立つのを感じた。
2020年9月18日
違う、昨日は2018年9月17日だ。
何回カレンダーを見ようがスマホの日付を見ようが結果は同じ。
2020年9月18日になっている。
湊にメールで確認を取った。
『今日は何年の何日だ?』
すぐに返信が来た。
『2020年の9月18日だぞ。寝ぼけてるのか?合コンで飲み過ぎたか?』
全身から冷や汗が出た。瞳孔の変化すらも感じ、全身の毛は逆立ったままだ。視界はぼやけていき、動揺を隠せない。
その日は家で一日を過ごした。自分の2018年からの2年間の記憶が抜けていることを理解し、今の自分の情報を把握する必要があり、最優先事項であると考えたからだ。
高校に入学してから独り暮らしをしている。本棚には数Bや日本史ではなく、センター試験対策や赤本、チャート式、他には、フランス語基礎、言語学などと書かれた本が沢山入っている。本棚の要領は大きくなり、小説も増えている。
「言語学とフランス語の本があるってことは、俺は進学したのか。身分証があれば今の大学がわかるんだけど...そうだ!学生証!」
学生証は机の上に鞄と一緒に置いてあった。
千葉大学 薬学部 一回生
神田 悠斗
年齢 19歳
生年月日 2001年11月27日
「薬学部......言語系じゃないのか。理系だからチャート式があったってわけだな。」
当然、受験や大学の講義の記憶もない。知識は高二止まりの一文無しってわけだ。
夜になり、また湊から連絡が来た。
『今日、授業休んだだろ。調子悪いのか?ノートとっといてやったぞ!感謝しろ!悠斗。』
『すまん。ありがとな。すまんが明日、うちに来てくれないか。話したいことがある。』
『わかった。じゃあな。』
俺は情報を一通り整理し、就寝した。
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