勇者召喚でハーレム世界に転生するはずだった平凡な高校生。拾われた森の中で盗賊に拾われて暗殺者に育てられて無双!

yonechanish

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第16話 ギルド内で情報交換

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「いらっしゃいませ。ここは冒険者ギルド『ザハトルテ』。登録はまだですか?」

 受付の赤い髪をした垂れ目の女がカウンターに羊皮紙を差し出す。
 個人情報を書けということか。

「いや、違うんだ。今日は見学に来ただけでな」

「そうですか、我がギルドは、全国でも有名でギルドランキングでは常に上位を誇っています。多くの冒険者が登録をしております。多数の貴族や商人と契約しており、クエストは豊富にあります。今でも人が足りない状況です。見学して、是非登録して下さい」

 受付の女は淀みなくギルドについての説明をしてくれた。

「ありがとう」

 タルボは礼を言うと、振り返りどんな人間がいるか観察した。

 ギルドの中は酒場の様になっていた。
 木で出来た円卓が10個くらい置かれていて、それぞれ冒険者たちがそこで向かい合って話しながら酒を飲んだり軽食を摂ったりしている。
 奥のバーカウンターで酒や軽食は提供されている様だ。
 二階に続く階段があり、上からは剣がぶつかり合う音や、かけ声、肉を打つ音が聴こえて来る。
 どうやら、訓練場がある様だ。

「ま、どこのギルドも似たり寄ったりで、ここもおんなじだな。とりあえず酒でも買って、どこかの卓に座って情報交換してみるか」

 タルボは麦酒を買った。
 ムネタカには温かいミルクを買い与えた。

「よし、あのあたりに行って見るか」

 一番賑やかそうな一団の卓に向かった。

「よぅ! 景気はどうだい!」

「は? 誰だ? あんた?」

「俺はキルオっていう傭兵を生業としている者だ」

「へぇ、今もどこかの貴族に雇われてんのか?」

「いや、ついこの間まで雇われていたんだが、ヘマやらかして解雇されてね。今は無職さ。新しい雇い主をこうして探している。ま、そのついでにギルドにも登録しとこうかって思ってな」

 タルボは口から嘘をペラペラと、それらしく良く喋る。
 ムネタカは感心した。
 タルボは脳筋っぽいが、やはり頭の回転が速いのではないか。

「へぇ、どこの貴族に属してたんだ」

「ユメル侯爵」

 おおっ!

 と、卓の一団が驚く。

(ユメルの傭兵だったという経歴は、結構なことなのか……。ま、実は盗賊として雇われていたのだけど)

 ムネタカの思いをよそに、卓の一団はタルボに席を進めた。

「ま、座んなよ。情報交換しようぜ」

 タルボとさっきからやり取りしているのは、皮の鎧を着込んだ戦士と言った感じだ。
 卓の足に斧を立てかけている。

 情報交換はギルド内では普通に行われている。
 むしろ、それがギルドに行くメリットともいえる。
 様々な場所を冒険し、戦って来た者だけが知りえる情報。
 あの国にはどんなモンスターがいて、どんな素材やアイテムがあったか。
 あの場所にはどんな素晴らしい景色があったか。
 あの村にはどんな美味しい食べ物や料理があったか。
 あの国とあの国が戦争を始めそうだ。
 個人個人が言える範囲で情報を交換している。

 その中でも、貴族のそして高名なユメル侯爵の話が聴けるかもしれないというのは、冒険者にとって楽しみなことなのだろうか。
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