2 / 75
第2話 最速クリア特典は、美女との謎の赤ちゃんプレイ!?
しおりを挟む
久留洲は目を覚ました。
(なんだ? このフカフカのモフモフ感は?)
何だかすごく居心地がいい。
例えるなら、三ツ星最高級ホテルのベッドで寝ている様な感触だ。
中流以下の家の子、久留洲は泊ったことが無いけれど……
何だか甘やかな匂いがする。
それはとても懐かしくて、久留洲を安心させた。
(どこなんだここは?)
視力が戻って来たのだろうか。
周りが微かに見えて来た。
白いふくらみが目の前にあった。
そして、その真ん中には……
「こっ、これは……夢にまで見たっ!」
高校一年生の健全な男子である久留洲の目の前には、刺激の強すぎるものがそこにはあった。
「ああ……」
そして、久留洲は本能的にその突起物にむしゃぶりついた。
甘い液体が口中に広がる。
不思議と、不埒な想いは湧いてこなくなった。
その代わり、久留洲は何かに守られているかの様な幸福感に包まれた。
「まぁ、初めてお乳を飲んでくれたわ」
その言葉に久留洲は顔を上げる。
久留洲を見下ろす美しい女性。
「よくやった。ユナ」
「ナツヤが側にいてくれたから……」
勇ましそうな男性の声が後ろから聞こえる。
久留洲は首がうまく回らない。
なので、視線だけを後ろに向ける。
そこには勇ましそうな男性が笑顔で立っていた。
美しい女性はユナという名前で、勇ましそうな男性はナツヤという名前らしい。
久留洲は思った。
(なんだか聞いたことのある名前だ)
そして、こうも思った。
(お乳……僕は、もしかして)
自分が口に含んでいるふくらみと、自分に女神の様に微笑みかけている女性を交互に何度も見る。
そして気付く。
このふくらみが、女神のモノであると。
(こっ、これは……)
ユナの瞳には久留洲が映り込んでいた。
「え? 僕?」
そこには頭の毛もまばらな赤ん坊が映っていた。
(どういうことだ? なんで? なんで?)
混乱する久留洲。
どういうことか訴えたいが、言語機能がまだ出来上がっていないせいか……
それは虚しく、
「あうあう」
と手足をばたつかせるのみだった。
(はっ!? なにこれ!? こっ……この、謎の赤ちゃんプレイがクリア特典だとでも言うのか! 僕にそんな趣味はないっ!)
久留洲は運営・開発元の会社『ギリシアン』に呼ばれた。
最速クリアの特典授与式に呼ばれたからだ。
楽しい式典だった。
学校では陰キャでボッチの久留洲は、初めて人に囲まれ称賛された。
そして、宴も最高潮を迎えた時、ギリシアンの社長が現れた。
そこまでは覚えている。
そして、気が付いたらこのザマだ。
「それにしても元気のないおぼっちゃまね」
おっと。
急に地面が遠ざかった。
身長2メートルはあるかと思われる女が、ユナから久留洲を取り上げていた。
なんだ、なんだ。
ビターン!
いてぇ!
その女の盾みたいな大きな手が、久留洲の尻を思いっきり叩いた。
久留洲は文句を言おうとしたが、それは大きな泣き声として部屋中に響き渡った。
「うむ、やっと泣いたわね。赤ん坊は元気よく泣かなきゃ」
大女は女とは思えない様な低い声を発すると、肩を揺らして笑った。
泣き叫ぶ久留洲を見て、ユナとナツヤは嬉しそうだ。
どうやらこの大女は産婆らしい。
状況から推察するに、久留洲はこのユナとナツヤの子供なのだと悟った。
こんなことがあるのか。
現実世界の記憶を持ったまま赤ん坊として、異世界に生まれ変わるなんて。
これが、最速クリア特典……?
大女は久留洲をユナの元に返した。
「この子の名前はもう決めているの」
ユナが久留洲の蕾みたいな鼻を撫でながら言った。
彼女は目を細め、自らが生み出した命を慈しむかの様に見つめ、こう言った。
「私がママよ。クルス」
(クルス……)
「クルスか。ふむ。いい名前だ」
ナツヤが頷く。
(クルス……)
久留洲はこの異世界に生を受け、母から名前を授けられた時、確信した。
ここは、
『ドラゴネスファンタジア』
その世界だ。
クルスはドラゴネスファンタジアの主人公の名前だ。
目の前にいる夫婦はクルスの両親だ。
都内のただの高校生だった山田久留洲は、
救世主クルスとして……
ドラゴネスファンタジアという異世界で新たに……
生を受けたのだった。
つづく
(なんだ? このフカフカのモフモフ感は?)
何だかすごく居心地がいい。
例えるなら、三ツ星最高級ホテルのベッドで寝ている様な感触だ。
中流以下の家の子、久留洲は泊ったことが無いけれど……
何だか甘やかな匂いがする。
それはとても懐かしくて、久留洲を安心させた。
(どこなんだここは?)
視力が戻って来たのだろうか。
周りが微かに見えて来た。
白いふくらみが目の前にあった。
そして、その真ん中には……
「こっ、これは……夢にまで見たっ!」
高校一年生の健全な男子である久留洲の目の前には、刺激の強すぎるものがそこにはあった。
「ああ……」
そして、久留洲は本能的にその突起物にむしゃぶりついた。
甘い液体が口中に広がる。
不思議と、不埒な想いは湧いてこなくなった。
その代わり、久留洲は何かに守られているかの様な幸福感に包まれた。
「まぁ、初めてお乳を飲んでくれたわ」
その言葉に久留洲は顔を上げる。
久留洲を見下ろす美しい女性。
「よくやった。ユナ」
「ナツヤが側にいてくれたから……」
勇ましそうな男性の声が後ろから聞こえる。
久留洲は首がうまく回らない。
なので、視線だけを後ろに向ける。
そこには勇ましそうな男性が笑顔で立っていた。
美しい女性はユナという名前で、勇ましそうな男性はナツヤという名前らしい。
久留洲は思った。
(なんだか聞いたことのある名前だ)
そして、こうも思った。
(お乳……僕は、もしかして)
自分が口に含んでいるふくらみと、自分に女神の様に微笑みかけている女性を交互に何度も見る。
そして気付く。
このふくらみが、女神のモノであると。
(こっ、これは……)
ユナの瞳には久留洲が映り込んでいた。
「え? 僕?」
そこには頭の毛もまばらな赤ん坊が映っていた。
(どういうことだ? なんで? なんで?)
混乱する久留洲。
どういうことか訴えたいが、言語機能がまだ出来上がっていないせいか……
それは虚しく、
「あうあう」
と手足をばたつかせるのみだった。
(はっ!? なにこれ!? こっ……この、謎の赤ちゃんプレイがクリア特典だとでも言うのか! 僕にそんな趣味はないっ!)
久留洲は運営・開発元の会社『ギリシアン』に呼ばれた。
最速クリアの特典授与式に呼ばれたからだ。
楽しい式典だった。
学校では陰キャでボッチの久留洲は、初めて人に囲まれ称賛された。
そして、宴も最高潮を迎えた時、ギリシアンの社長が現れた。
そこまでは覚えている。
そして、気が付いたらこのザマだ。
「それにしても元気のないおぼっちゃまね」
おっと。
急に地面が遠ざかった。
身長2メートルはあるかと思われる女が、ユナから久留洲を取り上げていた。
なんだ、なんだ。
ビターン!
いてぇ!
その女の盾みたいな大きな手が、久留洲の尻を思いっきり叩いた。
久留洲は文句を言おうとしたが、それは大きな泣き声として部屋中に響き渡った。
「うむ、やっと泣いたわね。赤ん坊は元気よく泣かなきゃ」
大女は女とは思えない様な低い声を発すると、肩を揺らして笑った。
泣き叫ぶ久留洲を見て、ユナとナツヤは嬉しそうだ。
どうやらこの大女は産婆らしい。
状況から推察するに、久留洲はこのユナとナツヤの子供なのだと悟った。
こんなことがあるのか。
現実世界の記憶を持ったまま赤ん坊として、異世界に生まれ変わるなんて。
これが、最速クリア特典……?
大女は久留洲をユナの元に返した。
「この子の名前はもう決めているの」
ユナが久留洲の蕾みたいな鼻を撫でながら言った。
彼女は目を細め、自らが生み出した命を慈しむかの様に見つめ、こう言った。
「私がママよ。クルス」
(クルス……)
「クルスか。ふむ。いい名前だ」
ナツヤが頷く。
(クルス……)
久留洲はこの異世界に生を受け、母から名前を授けられた時、確信した。
ここは、
『ドラゴネスファンタジア』
その世界だ。
クルスはドラゴネスファンタジアの主人公の名前だ。
目の前にいる夫婦はクルスの両親だ。
都内のただの高校生だった山田久留洲は、
救世主クルスとして……
ドラゴネスファンタジアという異世界で新たに……
生を受けたのだった。
つづく
0
あなたにおすすめの小説
相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~
ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。
休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。
啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。
異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。
これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。
異世界修行の旅
甲斐源氏
ファンタジー
何事にも無気力な少年が雷に打たれて死んだ。目の前に現れた神様に奈落へと落とされてしまう。そこでの修行は厳しく、何度も死んでも修行は続いた。そして、修行の第1段階を終えた少年は第2段階として異世界に放り込まれる。そこで様々な人達と出会い、成長していくことになる。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで
六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。
乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。
ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。
有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。
前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる