ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。

yonechanish

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第14話 知らない間にアップデートパッチがあたってて、クエストの難易度が上がってた!

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 僕の脳内に、機械的な女性の声が響く。

「レベルが27になりました」

 僕は走る。

「HPが1865になりました」

 ゴブリンを槍で串刺しにする。

「MPが1703になりました」

 魔法でゴブリンを消す。
 
「スキル、小毒解除スモールポイズン・リリースを覚えました」

 僕は一体何者なのか?
 クエストが終わったら確認したいことが山ほどある。


 祭壇の上に昇り、火竜の牙に手を伸ばす。

「わっ!」

 石で出来た祭壇の床にひびが入り、盛り上がる。
 僕は咄嗟に祭壇から飛び降りた。
 瓦礫を吹き飛ばしながら、白い塊が現れた。

巨大骸骨ヒュージ・スケルトン!」

 後方でネスコの声が聞こえる。
 天井すれすれにまで届こうとしている身長。
 3メートルはあろうか。
 ひび割れた巨大な頭蓋骨。
 右手にはバスタードソード。
 左手に自身の身長と同じくらいの盾を持っている。

 動き出した。

 骨と骨がこすれ合う嫌な音に、耳を塞ぎたくなる。
 太い骨で組み上げられた人型の骨格標本は、ゴブリンの死体を踏み潰しながらこちらに向かってくる。

「このクエストに、巨大骸骨ヒュージ・スケルトンは出現しないはずだが……」

 仲間を粛清して尚、冷静だったネスコ。
 その顔が困惑している。

世界更新アップデートされたんじゃないの」

 フィナが言う。
 それまで明るかった彼女の顔も、深刻そうだ。

「なるほど……」

 ネスコは頷いた。

世界更新アップデートって?」
「神がこの世界の構造を変えることをそう呼んでいる」

 ネスコが説明する。

「クエストは発生し、クリアされれば消える。また、一定時間経てば発生する。その内容は同じことの繰り返しで、一度攻略したパーティであれば手順さえ間違えなければクリアに苦労はしない。だが、世界更新アップデート起れば例外だ」

 クエストの内容が変わったり、新しいモンスターが召喚されたり、それまでに無かったことが発生した時--
 人々は、それを総称して『世界更新アップデート』と呼んでいた。
 大小さまざまな変化があるが、今回の様にクエスト自体の内容が変化するのは大きな更新らしい
 鉄騎同盟では基本的に同じクエストを何度も挑戦することは無かった。
 だから、僕は世界更新アップデートのことを知らなかった。

「仕方ない。撤退する」

 ネスコが言う。
 巨大骸骨ヒュージ・スケルトンはレベル90台のパーティでないと、倒すことは難しい。
 僕らのパーティは平均レベル50といったところだ。

「待ってください! 僕はどんどん強くなっています」
「それを待っている暇は無い!」

 だが、地下一階に上がれるはずの階段は塞がれていた。
 逃げ場が無い。

「くっ……」

 困惑するネスコ。
 僕はネスコとフィナに『永遠の回復補助エターナル・リカバリー・アシスト』を掛けるべきか迷った。
 この期に及んでも、僕はまだ彼らを本当に信用出来ていなかった。
 躊躇している間に、巨大骸骨ヒュージ・スケルトンがこちらに迫っていた。

ブゥン!

 巨大骸骨ヒュージ・スケルトンがバスタードソードを振り上げる。
 照準は僕の頭上に定められていた。

 死

 僕の頭に、そのれがよぎった。

「危ないっ!」

 フィナが叫んだ。
 衝撃で脳が揺れた。
 血が僕の頬から顎を伝いポトリと落ちた。
 本当に死ぬか。
 そう思った。
 だけど、この血は僕のじゃない。

「大丈夫……?」

 僕の目の前に、フィナの大きな目と小さく尖った鼻と、桜色の唇がある。
 僕の頬に緑色の髪が触れている。
 彼女の白いおもてには血の筋が幾つも重なっていた。

「フィナ」

 長い耳が垂れ下がり、息も絶え絶えのフィナが僕の上に覆いかぶさっていた。
 彼女は巨大骸骨ヒュージ・スケルトンの攻撃の餌食になっていた。
 僕の身代わりに。

つづく
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