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第58話 心無き悪に染まった人間の理論。僕は再び、人間が信じられない。
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「何だ? お前ら、さっきから気付いてたけどよ。外野は引っ込んでろ」
ミチヤスはセレスから手を離し、僕を睨みつけた。
僕は彼のステータスを確認した。
戦士職、レベル72。
僕より圧倒的に強い。
「ギルマス。その人は私達を助けてくれたんです」
セレスは抜け落ちた髪を拾いながら、そう言った。
「ほぉ……」
ミチヤスはフィナの方を見た。
彼女の頭からつま先を、いやらしい目で舐めるように見た。
フィナは怯え、僕の後ろに隠れた。
そして、ミチヤスはこう言った。
「お前らも、ここで狩りをしてるのか?」
「そうだが」
「なら、こいつらが苦戦してたのも見えてたよな」
ミチヤスは毛むくじゃらの手で、セレスとウエンディを指差した。
「そうだが……」
何が言いたいんだ?
こいつは。
僕は困惑した。
「お前がもっと早く助けに来ねぇから、ルンデルとナオタロウとトウアが死んじまったじゃねぇかよ。どうしてくれんだよ!」
ミチヤスの視線の先には、戦士、侍、武闘家の死体が転がっていた。
「え?」
僕はあまりにひど過ぎる言いがかりに、何も言い返せないでいた。
「同じ人間なら、狩り場で困ってる人間を見つけたら、すぐに助けるのが普通ってもんだろうが!」
「ギルマス、この人は私達の命を……」
セレスがミチヤスの足にすがり、叫ぶ。
「うるせぇ! こいつは俺ら人間にとって、裏切り者だ!」
ミチヤスは鬱陶しそうに、セレスの腹を蹴飛ばした。
「やめろって言ってるだろ!」
「ふん」
ミチヤスは僕の叫びを無視した。
彼は僕のステータスを確認したのだろう。
戦う前から優劣はついていた。
彼は僕を恐れていない。
「そこのエルフの女を差し出せば、お前が裏切り者でないと認めてやるし、ここはそれに免じて許してやろう」
何故だろう?
何故、命を助けた僕が、いつの間にか悪者にされているのだろう。
僕は再び、人間不信になりかけていた。
「ユウタ……」
「大丈夫だ」
フィナは僕の背中に身を寄せた。
彼女の震えが僕の身体中に伝わった。
僕は彼女に言い聞かせる。
「大丈夫……大丈夫だよ」
その時、森の奥で人影が動くのが見えた。
その影は茂みをかき分け、こちらにやってくる。
「おい、ミチヤス。いい獲物が見つかったのか?」
ミチヤスに負けず劣らず獰猛そうな男が二人も現れた。
一人は武闘家職で、レベル58。
もう一人は侍職で、レベル54。
「お疲れ様ですっ! ロデル様、クラス様!」
セレスとウエンディが背筋をピンと伸ばし、敬礼のポーズをとる。
彼らもまた、B.B.B倶楽部のメンバーだった。
恐らく、ミチヤスが通信で呼び寄せたのだろう。
僕は絶望した。
ミチヤス一人なら、セレスやウエンディの力を借りれば何とかなるかもしれないと思っていたからだ。
筋骨隆々で禿げ頭の武闘家、ロデルが僕とフィナを見てこう言った。
「お、人間のくせして亜人間なんかとデートか? これは人間にとって裏切り行為だな」
人間と亜人間の仲は決して良くない。
両者の間には、過去の確執と迫害がそこに横たわっているからだ。
「おい、ガキ。そのエルフを我らに渡すでござる。そうすればお前を人間として認めてやるでござる」
着物に編み笠をかぶった侍、クラスが刀の柄に手を添えながら言う。
絶望的だ。
だが、僕は絶対、フィナを渡さない。
つづく
ミチヤスはセレスから手を離し、僕を睨みつけた。
僕は彼のステータスを確認した。
戦士職、レベル72。
僕より圧倒的に強い。
「ギルマス。その人は私達を助けてくれたんです」
セレスは抜け落ちた髪を拾いながら、そう言った。
「ほぉ……」
ミチヤスはフィナの方を見た。
彼女の頭からつま先を、いやらしい目で舐めるように見た。
フィナは怯え、僕の後ろに隠れた。
そして、ミチヤスはこう言った。
「お前らも、ここで狩りをしてるのか?」
「そうだが」
「なら、こいつらが苦戦してたのも見えてたよな」
ミチヤスは毛むくじゃらの手で、セレスとウエンディを指差した。
「そうだが……」
何が言いたいんだ?
こいつは。
僕は困惑した。
「お前がもっと早く助けに来ねぇから、ルンデルとナオタロウとトウアが死んじまったじゃねぇかよ。どうしてくれんだよ!」
ミチヤスの視線の先には、戦士、侍、武闘家の死体が転がっていた。
「え?」
僕はあまりにひど過ぎる言いがかりに、何も言い返せないでいた。
「同じ人間なら、狩り場で困ってる人間を見つけたら、すぐに助けるのが普通ってもんだろうが!」
「ギルマス、この人は私達の命を……」
セレスがミチヤスの足にすがり、叫ぶ。
「うるせぇ! こいつは俺ら人間にとって、裏切り者だ!」
ミチヤスは鬱陶しそうに、セレスの腹を蹴飛ばした。
「やめろって言ってるだろ!」
「ふん」
ミチヤスは僕の叫びを無視した。
彼は僕のステータスを確認したのだろう。
戦う前から優劣はついていた。
彼は僕を恐れていない。
「そこのエルフの女を差し出せば、お前が裏切り者でないと認めてやるし、ここはそれに免じて許してやろう」
何故だろう?
何故、命を助けた僕が、いつの間にか悪者にされているのだろう。
僕は再び、人間不信になりかけていた。
「ユウタ……」
「大丈夫だ」
フィナは僕の背中に身を寄せた。
彼女の震えが僕の身体中に伝わった。
僕は彼女に言い聞かせる。
「大丈夫……大丈夫だよ」
その時、森の奥で人影が動くのが見えた。
その影は茂みをかき分け、こちらにやってくる。
「おい、ミチヤス。いい獲物が見つかったのか?」
ミチヤスに負けず劣らず獰猛そうな男が二人も現れた。
一人は武闘家職で、レベル58。
もう一人は侍職で、レベル54。
「お疲れ様ですっ! ロデル様、クラス様!」
セレスとウエンディが背筋をピンと伸ばし、敬礼のポーズをとる。
彼らもまた、B.B.B倶楽部のメンバーだった。
恐らく、ミチヤスが通信で呼び寄せたのだろう。
僕は絶望した。
ミチヤス一人なら、セレスやウエンディの力を借りれば何とかなるかもしれないと思っていたからだ。
筋骨隆々で禿げ頭の武闘家、ロデルが僕とフィナを見てこう言った。
「お、人間のくせして亜人間なんかとデートか? これは人間にとって裏切り行為だな」
人間と亜人間の仲は決して良くない。
両者の間には、過去の確執と迫害がそこに横たわっているからだ。
「おい、ガキ。そのエルフを我らに渡すでござる。そうすればお前を人間として認めてやるでござる」
着物に編み笠をかぶった侍、クラスが刀の柄に手を添えながら言う。
絶望的だ。
だが、僕は絶対、フィナを渡さない。
つづく
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