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第119話 レアな物にはレアなりの理由がある
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僕の視界は無数の透明な泡で覆いつくされていた。
大小さまざまな泡には、僕、フィナ、そしてガイアの顔が歪んだ形で映り込んでいる。
「うわー! すげー!」
「おいおい、フィナ」
フィナは僕が止めるのも聞きもせず、泡に触れる。
泡は弾力があるのか、彼女の指はポヨンと弾き返された。
僕らは双子の段の階下、つまり蟹の段に足を踏み入れていた。
「とりあえずこの泡の壁を何とかしないと先に進めなさそうですね」
魔法を試してみたが、ビクともしない。
所詮、聖系の魔法しか使えない治癒魔法使いじゃこの泡の結界は破れそうにない。
もっと強力な攻撃魔法を使う妖術師などを連れて来るべきか。
「ユウタさん、集中してこの泡を見てください」
「え、は……はい」
ガイアの言葉通り、僕は泡を見た。
僕の脳裏にテキストが浮かぶ。
『蟹の泡の結界
レベル95以上の戦士で、竜神の剣を使いこなす者のみがこの結界を切り裂くことが出来る』
「ガイアさん、これは……」
驚く僕にガイアは説明した。
「ユウタさん、一部の武器や建物にはこうした説明が付与されているのです。今みたいに集中して一定時間それを見れば、脳裏に説明文が浮かびます。この世界ではそれを『レシピテキスト』と呼んでいます」
知らなかった。
そう言われてみて、僕はフィナが腰に携えたヒノキの棒をじっと見た。
だが、脳裏には何のテキストも浮かばなかった。
次に僕は、神官の剣を手に取りじっと見てみた。
『神官の剣
遠い昔、魔女狩りを担った教会の神父が、魔女と戦うために装備した剣』
どうやら、武器屋で売られている様なありふれたアイテムにはレシピテキストは設定されていない様だ。
あくまで、レアなアイテムや武器、そして重要な建物や構造物にのみ付与されているのだろう。
「レシピテキストはこの世界を創り上げた神が、重要と思ったものに対してのみ付与するのです。レシピテキストが付与されたアイテムは市場で高値で取引され、それをコレクションしている者もいます」
「なるほど」
それにしても、蟹の泡の結界。
レシピテキストの通りなら、僕らでは破ることは出来ないということか。
「レシピテキストに書かれたことは絶対であり、理でもあるのです。蟹の泡の結界が、竜神の剣を持つレベル95の戦士にしか破れない……そう説明が付与されているのであれば、そうするしか方法は無いのです」
ガイアが眉根を寄せる。
「そんな人、この世界にいるのですか?」
「レベル95の戦士はこの世界に一人しかいません。一番、協力を仰ぎたくない人物でもあります」
つづく
大小さまざまな泡には、僕、フィナ、そしてガイアの顔が歪んだ形で映り込んでいる。
「うわー! すげー!」
「おいおい、フィナ」
フィナは僕が止めるのも聞きもせず、泡に触れる。
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僕らは双子の段の階下、つまり蟹の段に足を踏み入れていた。
「とりあえずこの泡の壁を何とかしないと先に進めなさそうですね」
魔法を試してみたが、ビクともしない。
所詮、聖系の魔法しか使えない治癒魔法使いじゃこの泡の結界は破れそうにない。
もっと強力な攻撃魔法を使う妖術師などを連れて来るべきか。
「ユウタさん、集中してこの泡を見てください」
「え、は……はい」
ガイアの言葉通り、僕は泡を見た。
僕の脳裏にテキストが浮かぶ。
『蟹の泡の結界
レベル95以上の戦士で、竜神の剣を使いこなす者のみがこの結界を切り裂くことが出来る』
「ガイアさん、これは……」
驚く僕にガイアは説明した。
「ユウタさん、一部の武器や建物にはこうした説明が付与されているのです。今みたいに集中して一定時間それを見れば、脳裏に説明文が浮かびます。この世界ではそれを『レシピテキスト』と呼んでいます」
知らなかった。
そう言われてみて、僕はフィナが腰に携えたヒノキの棒をじっと見た。
だが、脳裏には何のテキストも浮かばなかった。
次に僕は、神官の剣を手に取りじっと見てみた。
『神官の剣
遠い昔、魔女狩りを担った教会の神父が、魔女と戦うために装備した剣』
どうやら、武器屋で売られている様なありふれたアイテムにはレシピテキストは設定されていない様だ。
あくまで、レアなアイテムや武器、そして重要な建物や構造物にのみ付与されているのだろう。
「レシピテキストはこの世界を創り上げた神が、重要と思ったものに対してのみ付与するのです。レシピテキストが付与されたアイテムは市場で高値で取引され、それをコレクションしている者もいます」
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レシピテキストの通りなら、僕らでは破ることは出来ないということか。
「レシピテキストに書かれたことは絶対であり、理でもあるのです。蟹の泡の結界が、竜神の剣を持つレベル95の戦士にしか破れない……そう説明が付与されているのであれば、そうするしか方法は無いのです」
ガイアが眉根を寄せる。
「そんな人、この世界にいるのですか?」
「レベル95の戦士はこの世界に一人しかいません。一番、協力を仰ぎたくない人物でもあります」
つづく
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