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第173話 救世主が属していたギルドの末路
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黒焦げになったゴブリン達はクラスタに一斉に襲い掛かった。
最初はその攻撃をかわしていた彼も、徐々に数の圧力とその攻撃力に押され劣勢に立たされていった。
あたしは何とか彼を助けようと、MP回復薬を飲み強力な魔法の詠唱を続けた。
だけど、絡んでくるゴブリン達に詠唱は中断されてしまう。
「神よ! 一体、あたし達が何をしたのですか!?」
あたしは天に向かって叫んだ。
街は絶対に攻め込まれない安全な場所だった。
人間達は、そこで仲間を集め、ギルドを運営し、武器や防具を生産し、充実した生活を送っていた。
モンスターという危険が隣り合わせの状況でも、希望を持って生きていたのは安全な場所と発展していく街があったからだ。
だけど、今、その場所さえも奪われようとしていた。
かつて、あたし達人間が亜人間を辺境へ追いやったように、今度はモンスターが人間を辺境へ追いやろうとしているのか。
「モモ様! 逃げてください!」
クラスタの純白の鎧は既にゴブリンと自らの血の赤色、そして焦げたゴブリンのすすで黒くなっていた。
それらの赤と黒が混じり合い、グロテスクな臓物のような色になっていた。
「だけど……あなたを置いては……」
「モモ様、あなたは生きるのです! 生きて魔王を倒し地球に戻るのです! そして、地球で再び会いましょう!」
そう叫びながら彼は、ゴブリン達が一斉に繰り出したパンチに埋もれ絶命した。
「ああ! クラスタ」
涙が止まらない。
大好きだったのに。
いつか冗談交じりに結婚しようって言ったのは、本気だったのよ。
照れくさかったから笑ってごまかしたけど。
魔王を倒せば、地球に戻れるだなんて……そんなおとぎ話信じたことは無い。
単純にあたしは魔王を倒して、栄誉と富を得たかっただけ……。
そして、あなたとこの世界で永遠にギルドを運営していたかっただけ。
だけど、今はそのおとぎ話を信じたい。
「ひっ!」
物思いにふけっている場合じゃなかった。
気付けばゴブリンに取り囲まれていた。
あたしをどうする気なのか?
メイド服のレースのスカートからスラリと伸びたあたしの生足を、舐めるように見ている。
「いっ……いや……」
こいつら人間に対しても性欲をもっているの?
べたりと汗ばんだ四本指の手があたしの肩に置かれる。
「いやああああああ!」
あたしはツインテールをブンブン揺らしながら、駄々っ子の様に四肢を振り乱した。
ゴブリンのごつごつした醜く歪んだ顔が迫ってくる。
こんな生き物に侵されるなんて、死ぬよりも嫌だ。
「げぴ!」
飛んだ!?
ゴブリンの首が宙を舞っている。
「え!?」
私はあたりを見回した。
ゴブリンを蹴り飛ばしながら巨大な甲冑を着た男の影とスラリとした髪の長い女の影が近づいてくる。
「まったく、俺達の元親ギルドのギルドマスターがそんなんじゃ、情けなくて見てられないぜ」
巨大な斧を地面に叩きつけながら男が言う。
その男、確か……
「タイチ……」
「行くぞ。ラストダンジョンに」
つづく
最初はその攻撃をかわしていた彼も、徐々に数の圧力とその攻撃力に押され劣勢に立たされていった。
あたしは何とか彼を助けようと、MP回復薬を飲み強力な魔法の詠唱を続けた。
だけど、絡んでくるゴブリン達に詠唱は中断されてしまう。
「神よ! 一体、あたし達が何をしたのですか!?」
あたしは天に向かって叫んだ。
街は絶対に攻め込まれない安全な場所だった。
人間達は、そこで仲間を集め、ギルドを運営し、武器や防具を生産し、充実した生活を送っていた。
モンスターという危険が隣り合わせの状況でも、希望を持って生きていたのは安全な場所と発展していく街があったからだ。
だけど、今、その場所さえも奪われようとしていた。
かつて、あたし達人間が亜人間を辺境へ追いやったように、今度はモンスターが人間を辺境へ追いやろうとしているのか。
「モモ様! 逃げてください!」
クラスタの純白の鎧は既にゴブリンと自らの血の赤色、そして焦げたゴブリンのすすで黒くなっていた。
それらの赤と黒が混じり合い、グロテスクな臓物のような色になっていた。
「だけど……あなたを置いては……」
「モモ様、あなたは生きるのです! 生きて魔王を倒し地球に戻るのです! そして、地球で再び会いましょう!」
そう叫びながら彼は、ゴブリン達が一斉に繰り出したパンチに埋もれ絶命した。
「ああ! クラスタ」
涙が止まらない。
大好きだったのに。
いつか冗談交じりに結婚しようって言ったのは、本気だったのよ。
照れくさかったから笑ってごまかしたけど。
魔王を倒せば、地球に戻れるだなんて……そんなおとぎ話信じたことは無い。
単純にあたしは魔王を倒して、栄誉と富を得たかっただけ……。
そして、あなたとこの世界で永遠にギルドを運営していたかっただけ。
だけど、今はそのおとぎ話を信じたい。
「ひっ!」
物思いにふけっている場合じゃなかった。
気付けばゴブリンに取り囲まれていた。
あたしをどうする気なのか?
メイド服のレースのスカートからスラリと伸びたあたしの生足を、舐めるように見ている。
「いっ……いや……」
こいつら人間に対しても性欲をもっているの?
べたりと汗ばんだ四本指の手があたしの肩に置かれる。
「いやああああああ!」
あたしはツインテールをブンブン揺らしながら、駄々っ子の様に四肢を振り乱した。
ゴブリンのごつごつした醜く歪んだ顔が迫ってくる。
こんな生き物に侵されるなんて、死ぬよりも嫌だ。
「げぴ!」
飛んだ!?
ゴブリンの首が宙を舞っている。
「え!?」
私はあたりを見回した。
ゴブリンを蹴り飛ばしながら巨大な甲冑を着た男の影とスラリとした髪の長い女の影が近づいてくる。
「まったく、俺達の元親ギルドのギルドマスターがそんなんじゃ、情けなくて見てられないぜ」
巨大な斧を地面に叩きつけながら男が言う。
その男、確か……
「タイチ……」
「行くぞ。ラストダンジョンに」
つづく
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