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第176話 愛のリンチ
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僕は辺りを見渡した。
生き残っているのは、セレス、ウエンディ、ガイア、フィナ、アスミ、そして目の前にいるリンネ。
「もう誰も犠牲を出したくない! 皆が死ぬところを見たくない! 一緒に魔王を倒して地球に戻る瞬間を、僕は皆で見てみたいんだ!」
「だからといって、お前をっ……」
言葉を遮る様に、僕はリンネの華奢な両肩をガシッと掴んだ。
彼女がビクリと身体を震わせる。
僕は思いっきり彼女に顔を近づけ、しっかりとその目を見てこう言った。
「誓うよ。地球に戻ったら君を幸せにする!」
リンネの白い面が徐々に朱に染まり、瞳が潤んでいった。
口元がほころび、目を細めてこう言った。
「はいっ!」
僕は初めて彼女の歓喜の声を聴いた。
そして、彼女は構えた。
「HPを1にすればいいんだな!」
僕の身体を小太刀で袈裟切りする。
いっ……痛い!
リンネ、切り替え早すぎ。
心の準備が出来てないよ。
「ユウタさん! 魚の化け物を倒した後は私があなたを治癒します」
オサカナクソンに追い掛け回されながらガイアが叫んだ。
彼女は囮となって魚の巨人の気をひきつけていた。
「いて!」
衝撃と共に額から温かいものが鼻を伝い、口の中に入って来た。
血だ。
振り返るとヒノキの棒を持ったフィナが立っていた。
「愛の一撃だよ! ユウタ!」
彼女は泣いていた。
皆、僕を瀕死状態にするために攻撃し始めた。
皆、泣きながら。
僕はその痛みに耐えながら、床を転がり、腕はあらぬ方向に曲がり、炎の魔法で火傷をし、血を流し続けた。
徐々にHPが減って行く。
それと共に僕の身体が白く輝きだした。
「よし! そろそろだぞ!」
リンネが小さな体を、うつ伏せに倒れている僕の身体に差し入れた。
背負うように僕を持ち上げ、数回転し反動をつけオサカナクソンに投げ飛ばした。
「うわわわわわ」
僕は一直線に魚の化け物に突っ込んで行く。
遠隔からセレスが炎の魔法を僕に掛け、ついにHPが1になった。
僕の五体とオサカナクソンの鱗だらけの身体がぶつかった。
その瞬間、僕は白い閃光を発した。
フロア全体が真っ白になり、何もかもが消滅した様になった。
「……ユウタさん」
目を覚ますと心配そうに僕を見るガイアの顔があった。
彼女の目は赤く腫れていて、頬には涙のあとがあった。
僕の胸には彼女の柔らかい手の平が置いてあって、その下で僕の心臓が鼓動を立てていた。
「やつは?」
「死んだぞ」
リンネの言葉が聞こえた方を向いた。
オサカナクソンは消えていた。
皆、モンスターがドロップした回復アイテムを拾っていた。
つづく
生き残っているのは、セレス、ウエンディ、ガイア、フィナ、アスミ、そして目の前にいるリンネ。
「もう誰も犠牲を出したくない! 皆が死ぬところを見たくない! 一緒に魔王を倒して地球に戻る瞬間を、僕は皆で見てみたいんだ!」
「だからといって、お前をっ……」
言葉を遮る様に、僕はリンネの華奢な両肩をガシッと掴んだ。
彼女がビクリと身体を震わせる。
僕は思いっきり彼女に顔を近づけ、しっかりとその目を見てこう言った。
「誓うよ。地球に戻ったら君を幸せにする!」
リンネの白い面が徐々に朱に染まり、瞳が潤んでいった。
口元がほころび、目を細めてこう言った。
「はいっ!」
僕は初めて彼女の歓喜の声を聴いた。
そして、彼女は構えた。
「HPを1にすればいいんだな!」
僕の身体を小太刀で袈裟切りする。
いっ……痛い!
リンネ、切り替え早すぎ。
心の準備が出来てないよ。
「ユウタさん! 魚の化け物を倒した後は私があなたを治癒します」
オサカナクソンに追い掛け回されながらガイアが叫んだ。
彼女は囮となって魚の巨人の気をひきつけていた。
「いて!」
衝撃と共に額から温かいものが鼻を伝い、口の中に入って来た。
血だ。
振り返るとヒノキの棒を持ったフィナが立っていた。
「愛の一撃だよ! ユウタ!」
彼女は泣いていた。
皆、僕を瀕死状態にするために攻撃し始めた。
皆、泣きながら。
僕はその痛みに耐えながら、床を転がり、腕はあらぬ方向に曲がり、炎の魔法で火傷をし、血を流し続けた。
徐々にHPが減って行く。
それと共に僕の身体が白く輝きだした。
「よし! そろそろだぞ!」
リンネが小さな体を、うつ伏せに倒れている僕の身体に差し入れた。
背負うように僕を持ち上げ、数回転し反動をつけオサカナクソンに投げ飛ばした。
「うわわわわわ」
僕は一直線に魚の化け物に突っ込んで行く。
遠隔からセレスが炎の魔法を僕に掛け、ついにHPが1になった。
僕の五体とオサカナクソンの鱗だらけの身体がぶつかった。
その瞬間、僕は白い閃光を発した。
フロア全体が真っ白になり、何もかもが消滅した様になった。
「……ユウタさん」
目を覚ますと心配そうに僕を見るガイアの顔があった。
彼女の目は赤く腫れていて、頬には涙のあとがあった。
僕の胸には彼女の柔らかい手の平が置いてあって、その下で僕の心臓が鼓動を立てていた。
「やつは?」
「死んだぞ」
リンネの言葉が聞こえた方を向いた。
オサカナクソンは消えていた。
皆、モンスターがドロップした回復アイテムを拾っていた。
つづく
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