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第185話 魔王のAI
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<魔王は、救世主の弱点となって現れる>
アスミの言葉を思い出す。
最後に力だけじゃない相手を持って来たところに、このゲームの難しさを感じた。
ユウタ自身が真の救世主か試されている。
ここで私達を裏切る様なら救世主として失格。
「だけど、運営……というか日本は、早く魔王を倒して欲しいわけで、ゲームを難しくしてプレイヤーを楽しませる方針は捨てたんだろ?」
だから、ユウタを誘惑する仕組みは今すぐ外すべきなのでは。
そう思った矢先、アスミがこう言った。
<リンネ、魔王はAIで作られている>
「AI?」
<人工知能>
「知能……」
時間が無い。
全てはユウタが変わってくれることにかかっている。
<魔王のAIは、ユウタの生い立ち、それまでの行動や言動、全てを学習し、彼が最も弱点としている部分を把握している。そこを攻撃してくる>
「今、対峙しているエリスという女がユウタの弱点だとAIは判断したわけか」
<うむ>
「AIを無効にすることは?」
<出来ない>
ユウタはエリスの前に立ち、私達にこう叫んだ。
「皆! 戦いはもうやめよう! ここで一緒に暮らすんだ!」
「ユウタさん、目を覚ましてください!」
「ガイアさん、言うことを聞かなければ、僕はあなたを……」
だめだ。
完全に乗っ取られている。
<本来ならもう少しライトな精神攻撃をするAIだったんだが……。AIの部分もA国に乗っ取られた様だ>
「ふー」
私は鼻から息を抜き、肩の力を抜いた。
この危機をどう打開すべきか。
思えば、ユウタと出会ったのは4年前で彼が奴隷だった頃だ。
◇
タイチに街の市場とやらに初めて連れて行ってもらったのは、私が10歳の時だ。
賑やかな市場は沢山の露店が出ていて、見たことも無い珍しいアイテムが売られていた。
その中の一つ、ボロボロのテントの下で、沢山の子供が座っている場所があった。
私はその中の一人に目が釘付けになった。
「タイチ、あそこにいる男の子」
私の指差す先にはボロ布をまとい、ホコリにまみれた男の子が倒れていた。
身体が傷だらけで、いたるところにあざがある。
その男の子と私は目が合った。
鋭い目つきで、誰も信じないと言った感じが伝わってくる。
それがユウタだった。
つづく
アスミの言葉を思い出す。
最後に力だけじゃない相手を持って来たところに、このゲームの難しさを感じた。
ユウタ自身が真の救世主か試されている。
ここで私達を裏切る様なら救世主として失格。
「だけど、運営……というか日本は、早く魔王を倒して欲しいわけで、ゲームを難しくしてプレイヤーを楽しませる方針は捨てたんだろ?」
だから、ユウタを誘惑する仕組みは今すぐ外すべきなのでは。
そう思った矢先、アスミがこう言った。
<リンネ、魔王はAIで作られている>
「AI?」
<人工知能>
「知能……」
時間が無い。
全てはユウタが変わってくれることにかかっている。
<魔王のAIは、ユウタの生い立ち、それまでの行動や言動、全てを学習し、彼が最も弱点としている部分を把握している。そこを攻撃してくる>
「今、対峙しているエリスという女がユウタの弱点だとAIは判断したわけか」
<うむ>
「AIを無効にすることは?」
<出来ない>
ユウタはエリスの前に立ち、私達にこう叫んだ。
「皆! 戦いはもうやめよう! ここで一緒に暮らすんだ!」
「ユウタさん、目を覚ましてください!」
「ガイアさん、言うことを聞かなければ、僕はあなたを……」
だめだ。
完全に乗っ取られている。
<本来ならもう少しライトな精神攻撃をするAIだったんだが……。AIの部分もA国に乗っ取られた様だ>
「ふー」
私は鼻から息を抜き、肩の力を抜いた。
この危機をどう打開すべきか。
思えば、ユウタと出会ったのは4年前で彼が奴隷だった頃だ。
◇
タイチに街の市場とやらに初めて連れて行ってもらったのは、私が10歳の時だ。
賑やかな市場は沢山の露店が出ていて、見たことも無い珍しいアイテムが売られていた。
その中の一つ、ボロボロのテントの下で、沢山の子供が座っている場所があった。
私はその中の一人に目が釘付けになった。
「タイチ、あそこにいる男の子」
私の指差す先にはボロ布をまとい、ホコリにまみれた男の子が倒れていた。
身体が傷だらけで、いたるところにあざがある。
その男の子と私は目が合った。
鋭い目つきで、誰も信じないと言った感じが伝わってくる。
それがユウタだった。
つづく
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