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大雨
しおりを挟む前戯や馴らす行為も全くないまま、窄まりに大きな物が充てがわれる。
「……っこ、わ、れる。
あっち、あれ、使って」
一生懸命手を伸ばす先には引き出しがあって、
その中にローションが入っていることは知っていた。
馴らしてもらわないと、苦しいであろうことは容易に分かった。
普段なら、フェラでもしながら自分で馴らすことができるのに。
「ドア、抑えられなかったね。
残念」
昔、毎度侵入を許せば言われていた台詞だった。
心臓を鷲掴みにされたように痛く、涙が溢れ出す。
生きることに特に希望もなく、
ただ、その言葉を言われないようにするために、
自分を守りながら、時間が過ぎるのを待っていた。
これまでには酷い客もいたとか、
何されても反応してイくことができるはずとか、
自分を落ち着かせるために様々なことを思い浮かべる。
けれど、ダメだと思った。
俺は、この人のお仕置きというトラウマから逃げるためだけに、
ずっと、自分を守ってきたんだ。
「……っも、やだ」
「何も嫌がることしてないでしょ、蒼くん。
蒼は酷いことされるキャラを演じて金稼ぎしてるんから。
何で優しい人が好きって書かなかったの?」
「……や、優しい人は、もっと、怖い」
「怖い人は怖くて、優しい人はもっと怖いんだ。
じゃあ誰も、好きになれないね。
ひとつ言っとくけど、俺は悪くなんかないよね?
"蒼"が好きっていう、乱暴な扱いをしてあげてるし、
何より金を払った客なのだから」
「……ん、うん、うん」
必死に頷くのに、
頭の中では同じ言葉ばかりが渦巻く。
ーーいや、いや、嫌。
みち、という音がした。
小さな孔に、それ以上の大きさの物が無理矢理押し入ろうとしている。
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