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第9話 赤い瞳、黒い眼球
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「なんだ、貴様は!何の用だ!!」
「別に誰だっていいだろ?悪いが時間が無いんだ。返してもらうぞ。」
同じアーゲラ声で聞こえる異なる喋り方、何かの罠か、それとも時間稼ぎか、ガウラは困惑していた。
「なぜだ?!我々が争う理由などないだろう!」
「この子を守る約束をしているんでな。」
「人間を守るだと?王が黙っていないぞ!」
「じゃあ黙っててくれって伝えてくれ。この子が守れればそれでいいんだ。」
声の主は、アーゲラの右手で胸の真ん中を鷲掴みし、何かをねじ切るようにグググと回し始めた。
「ふざ、けて、いるのか。」
苦しそうな声とともにアーゲラから発せられる魔力が異常なほどに大きくなった。
その瞬間、ガウラは詠唱を行いながら「ドンッ」と音を立てて飛び出し、アーゲラ目掛けて攻撃を仕掛けた。たとえこの会話が罠だったとしても、今やらなければ間に合わなくなる可能性があると考えたからだ。
『力を受け継ぐは己にあらず、力を受け継ぐは意志にあり。
拳に宿れ破壊の慟哭、脚に宿れ可憐の滾り、”破衝撃”』
カルノーサと同じ魔法、しかし全身を纏う橙色のオーラの色はより濃く、威力は別物のように見える。
「バシッ」
「グゥォオオン!」
大きな音を立てて空気が鳴動し、視界が不明瞭になるほどの砂埃が立ち上がった。それほどの威力の攻撃をアーゲラの声の主は、いとも簡単に片手で防いでみせ、何事もなかったかのように会話を続ける。
「ああ、一生懸命というのはどうも性に合わんのだ。」
「どうやら向こうにも説明せんといかんらしい。さらばだ、伝えといてな~。」
砂埃が徐々に治まり視界が明瞭になる。アーゲラ声の主は、目を閉じてにっこりと笑いながらそう言いい、鷲掴みしていた右手をグッと閉じると手からから紫色の煙が噴き出した。
「さて、と。どうしようか。」
笑顔から真剣な表情に変わるアーゲラ。瞼を開くと、白い眼球は黒く、黒い瞳は真っ赤に染まり、まるで悪魔の様な様相に変わり果てていた。
「別に誰だっていいだろ?悪いが時間が無いんだ。返してもらうぞ。」
同じアーゲラ声で聞こえる異なる喋り方、何かの罠か、それとも時間稼ぎか、ガウラは困惑していた。
「なぜだ?!我々が争う理由などないだろう!」
「この子を守る約束をしているんでな。」
「人間を守るだと?王が黙っていないぞ!」
「じゃあ黙っててくれって伝えてくれ。この子が守れればそれでいいんだ。」
声の主は、アーゲラの右手で胸の真ん中を鷲掴みし、何かをねじ切るようにグググと回し始めた。
「ふざ、けて、いるのか。」
苦しそうな声とともにアーゲラから発せられる魔力が異常なほどに大きくなった。
その瞬間、ガウラは詠唱を行いながら「ドンッ」と音を立てて飛び出し、アーゲラ目掛けて攻撃を仕掛けた。たとえこの会話が罠だったとしても、今やらなければ間に合わなくなる可能性があると考えたからだ。
『力を受け継ぐは己にあらず、力を受け継ぐは意志にあり。
拳に宿れ破壊の慟哭、脚に宿れ可憐の滾り、”破衝撃”』
カルノーサと同じ魔法、しかし全身を纏う橙色のオーラの色はより濃く、威力は別物のように見える。
「バシッ」
「グゥォオオン!」
大きな音を立てて空気が鳴動し、視界が不明瞭になるほどの砂埃が立ち上がった。それほどの威力の攻撃をアーゲラの声の主は、いとも簡単に片手で防いでみせ、何事もなかったかのように会話を続ける。
「ああ、一生懸命というのはどうも性に合わんのだ。」
「どうやら向こうにも説明せんといかんらしい。さらばだ、伝えといてな~。」
砂埃が徐々に治まり視界が明瞭になる。アーゲラ声の主は、目を閉じてにっこりと笑いながらそう言いい、鷲掴みしていた右手をグッと閉じると手からから紫色の煙が噴き出した。
「さて、と。どうしようか。」
笑顔から真剣な表情に変わるアーゲラ。瞼を開くと、白い眼球は黒く、黒い瞳は真っ赤に染まり、まるで悪魔の様な様相に変わり果てていた。
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