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7話
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空中に人が居る。
夢の中とは言え、その光景はあまりに不自然に映る。
だが、それは見間違いでない。
カゴを手にした同い歳くらいの男性が宙に浮かんでいる。
初めて見る顔だ。
彼は宙に浮かんだまま、ゆっくり下降してこの部屋の窓に近づいてきた。
地面から数十センチほどの高さで空中に留まり、お辞儀をするように少し前向きに身体を倒す。
同じ高さまで目線を合わせて話しかけてきた。
「おはよう!調子はどうだ?」
呆然としたまま何も言えないでいると、少し考える素振りを見せ、寝ぼけていると判断したのか頭を撫でてきた。
同い年の男に頭を撫でられるなど、本来であれば手を跳ね除けて、暴言を吐き散らしたいところだ。
しかし、不思議とそんな気にはならないし、嫌悪感も生まれなかった。
むしろ初めて見たときから心が安らぐのを感じていた。
「なるほど。まだみたいだな。起きたら来なさい。今、朝食を貰ってきたから一緒に食べよう」
持っていたカゴを軽く持ち上げてそう言った後、静かに地面に降り立つ。
そして、この家の玄関と思われるドアから入って行った。
嫌な実感がジワジワと迫る。
その異質さに気付き始めてもいるが認めたくはない。
目の前に広がるどこまでも輪郭がはっきりとした景色。
緑色の澄んだ空気の匂い。
鳥と風が混じって生み出す立体音。
今も残る撫でられた感触。
全ての感覚が現実感を訴えてくる。
そこで初めて自分の変化にも気づいた。
汚れやヒビひとつ無い爪先。
シワも血管も見えない綺麗な手。
頬に触れると髭剃り後の感触はおろか、何の抵抗もなくツルンと顎まで滑り、リアルな感触が伝わる。
ベッドから立ち上がって身体を見回すと、自分ではない別人になっていることを確信した。
「は??!!!」
思わず出た音域の高い声も、知らない他人の物だ。
『・・・・これは・・・なんだ!!?夢じゃないのか??!!』
真っ先に思い浮かんだのは昨晩のこと。
あれが原因で深い夢に迷い込んでしまったのか、あるいは死んでしまったのか。
パニックを起こさないよう慎重に記憶を振り返ろうとする。
すると、先ほどの宙を飛んでいた不思議な男のことが頭に浮かんだ。
『ヅキッ!!』
突如、後頭部に強烈な痛みが生じる。
瞬間、彼はこの子供(自分)の父親であることを認識させられた。
それを認識した途端、詰まったホースの異物が取り払われたかのように、一気に莫大な情報が頭の中に流れ込んでくる。
断片的な情報の一つ一つが繋がって、自分の記憶として形成されていく。
一方、自分の意識下においては、それを受け入れられない。
「・・・うぅ」
何も思考出来ない。
目を開けて立っていられなくなり、ベッドに倒れこむ。
あまりの痛みで気を失いそうだ。
更にその強さは限界知らずに増していく。
そして、とうとう痛みに耐えられなくなり、必死で握りしめていた意識を手放した。
夢の中とは言え、その光景はあまりに不自然に映る。
だが、それは見間違いでない。
カゴを手にした同い歳くらいの男性が宙に浮かんでいる。
初めて見る顔だ。
彼は宙に浮かんだまま、ゆっくり下降してこの部屋の窓に近づいてきた。
地面から数十センチほどの高さで空中に留まり、お辞儀をするように少し前向きに身体を倒す。
同じ高さまで目線を合わせて話しかけてきた。
「おはよう!調子はどうだ?」
呆然としたまま何も言えないでいると、少し考える素振りを見せ、寝ぼけていると判断したのか頭を撫でてきた。
同い年の男に頭を撫でられるなど、本来であれば手を跳ね除けて、暴言を吐き散らしたいところだ。
しかし、不思議とそんな気にはならないし、嫌悪感も生まれなかった。
むしろ初めて見たときから心が安らぐのを感じていた。
「なるほど。まだみたいだな。起きたら来なさい。今、朝食を貰ってきたから一緒に食べよう」
持っていたカゴを軽く持ち上げてそう言った後、静かに地面に降り立つ。
そして、この家の玄関と思われるドアから入って行った。
嫌な実感がジワジワと迫る。
その異質さに気付き始めてもいるが認めたくはない。
目の前に広がるどこまでも輪郭がはっきりとした景色。
緑色の澄んだ空気の匂い。
鳥と風が混じって生み出す立体音。
今も残る撫でられた感触。
全ての感覚が現実感を訴えてくる。
そこで初めて自分の変化にも気づいた。
汚れやヒビひとつ無い爪先。
シワも血管も見えない綺麗な手。
頬に触れると髭剃り後の感触はおろか、何の抵抗もなくツルンと顎まで滑り、リアルな感触が伝わる。
ベッドから立ち上がって身体を見回すと、自分ではない別人になっていることを確信した。
「は??!!!」
思わず出た音域の高い声も、知らない他人の物だ。
『・・・・これは・・・なんだ!!?夢じゃないのか??!!』
真っ先に思い浮かんだのは昨晩のこと。
あれが原因で深い夢に迷い込んでしまったのか、あるいは死んでしまったのか。
パニックを起こさないよう慎重に記憶を振り返ろうとする。
すると、先ほどの宙を飛んでいた不思議な男のことが頭に浮かんだ。
『ヅキッ!!』
突如、後頭部に強烈な痛みが生じる。
瞬間、彼はこの子供(自分)の父親であることを認識させられた。
それを認識した途端、詰まったホースの異物が取り払われたかのように、一気に莫大な情報が頭の中に流れ込んでくる。
断片的な情報の一つ一つが繋がって、自分の記憶として形成されていく。
一方、自分の意識下においては、それを受け入れられない。
「・・・うぅ」
何も思考出来ない。
目を開けて立っていられなくなり、ベッドに倒れこむ。
あまりの痛みで気を失いそうだ。
更にその強さは限界知らずに増していく。
そして、とうとう痛みに耐えられなくなり、必死で握りしめていた意識を手放した。
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