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384 歓喜する街の住民達
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朝から海鮮丼という豪華な食事をした後、皆で冒険者ギルドへと向かった。
予定では、街の人達に魚を大盤振る舞いすることになってたのだけども、勝手にその辺でばら撒いてしまうと街の魚屋の営業妨害になってしまう。だからと言って、魚屋に全部くれてやるわけにもいかない。
そうなると、ギルドの権威を使わせてもらうのが1番賢い選択なのだ。
俺としては魚屋の苦情くらい無視しても構わないんだけどさ、魚屋はニャルルが懇意にしてる店だから迷惑かけたくないんだよ。
ギルドには小船を一隻贈呈するつもりだけど、街の漁師や魚屋も利権に絡ませようと思ってる。俺の船は間違いなく莫大な利益を生むので、ギルドだけに美味しい思いをさせるのではなく、街全体を活気付かせる方向で使って欲しいんだ。
ギルドに到着した。
まずパメラにギルドマスターを呼んでもらい、大量の魚を入手したので街の人達に振舞うつもりだということを告げる。
『そういうのは領主に頼んだ方が良いのではないか?』と言われたけど、もうすぐ街を出てくから領主と仲良くなる意味がないんだよね、
話合いの結果、ギルドの入り口に魚の箱を置いて、そこで色々な魚の切り身を、1人につき数種類ずつ渡してくことになった。1匹まるっと渡すよりもそっちの方が楽しめるからな。
話の最中に魚屋のおっちゃんが到着したので、醤油を大量に売ってあげた。
ぶっちゃけ醤油ならば腐るほど所持していたので、大量に売っても全然余裕だったりする。
刺身を食わせてやったら、醤油の味にどえらい感銘を受けたようで、土下座までされて物凄い迫力で作り方を懇願されたのだ。
北海道なら問題無いと判断し、極秘情報として製造方法を教えてあげたんだけど、まだ試作中だということや、とんでもなく持久戦になることを告げる。ダメだった場合はこっちを試せと、魚醤の作り方も教えといた。
いつかまた北海道に来ることがあるかもしれんので、それまでに是非とも成功させといて欲しいもんだ。虎徹さんを連れて来れば一瞬で行き来出来るようになるので、そうなったらもう北海道ですら庭みたいなものだからな。
魚の配布場所の横に露店を作り、そこを刺身の試食コーナーにすることに決定。
魚屋のおっちゃんが露店を担当し、お客さんに刺身を一切れずつ出すのだ。もちろん醤油の素晴らしさを宣伝する為でもあり、そこで醤油を販売する許可も出した。
クッソ儲かるのが確定してるんで、俺が売った方が良いのはわかってる。でも俺の所持金って正直レベルが違うのですよ。醤油の売買で稼ぐ必要がまったく無いんだ。
それに、北海道で集めた魔石を京の都あたりで売るだけで、有り得ないほどの大金が動くわけですよ。
気分はもう大航海時代だな!
ってか俺なんかよりも、虎徹さんが本気で交易をやり始めた方が一瞬で億万長者になれるか。無茶苦茶金持ってそうだけど。
************************************************************
「やったーーーーーーーーー!今夜は御馳走だ!!」
「この魚って、刺身で食っても大丈夫なんだよな?」
「昨日獲れたばかりだって言ってたわよ。ねえねえ、みんな試食した?」
「さっきからすっげー気になってるけど、まずは魚を受け取らないとよ!」
「あたし試食してくる!」
「ぼくも行くー!」
魚を配布しているテーブルの方は、もうすごい行列になっている。
1人につき切り身が数点という取り決めなので、家族が多いとそれだけ多く魚が貰えるのだ。
そして魚を受け取った人達が試食コーナーへと流れて行く。
「なんだこれ!?美味いなんてそんな生易しいレベルじゃねえぞ!神の刺身だ!」
「赤いお刺身って、なんて名前なの!?こんな美味しいお魚がいたなんて!」
「この黒くてしょっぱい調味料、これが美味さの秘密だな?」
「ハイハイ!!お客さん、良い所に目を付けましたね!そう、この黒い調味料こそが美味さの秘訣なのです!!この調味料の名は『醤油』と言って、先ほど大量に仕入れることが出来ました!しかしこれは大変貴重な物で、もう一生手に入らないかもしれません」
魚屋のおっちゃんが醤油を掲げた。
「幻の調味料『醤油』!これ1本を金貨1枚で販売します!高いと思われるかもしれませんが、この先の入手手段が無いのです。ココにいる皆様に行き渡るほどの量はありますが、現物が無くなったらもう二度と手に入れることが出来ません。絶対に買っておくことをお勧めしますよ!!」
その高価な値段設定に流石の客も黙り込む。
しかしこの金額、ボッタクリ価格ってほどでもないのだ。俺だって入手手段が限られているのに安く売るわけにはいかん。おっちゃんに売った時にそれなりの値段を付けさせてもらった。
「た、高いわね・・・」
「ぐぬぬぬ、しかし二度と手に入らない調味料か」
「俺は買うぞ!!たしかに高いとは思うが、美味かったのは間違いないからな!」
「私も買っておくわ。この後、夕食のお刺身を美味しく頂きたいもの」
「そうだ、貰った魚に使えるじゃないか!そもそも、これほどの量の新鮮な魚を買おうと思ったら、余裕で金貨1枚を超えるぞ!」
「なるほど!無料ではなくなるけど、十分お買い得なのか」
「よし、買った!!」
「俺もだ!!!」
そうして、街のほとんどの住民が醤油を手にすることとなった。
この先も手にすることが出来るよう、おっちゃんの頑張りに期待してくれ!
予定では、街の人達に魚を大盤振る舞いすることになってたのだけども、勝手にその辺でばら撒いてしまうと街の魚屋の営業妨害になってしまう。だからと言って、魚屋に全部くれてやるわけにもいかない。
そうなると、ギルドの権威を使わせてもらうのが1番賢い選択なのだ。
俺としては魚屋の苦情くらい無視しても構わないんだけどさ、魚屋はニャルルが懇意にしてる店だから迷惑かけたくないんだよ。
ギルドには小船を一隻贈呈するつもりだけど、街の漁師や魚屋も利権に絡ませようと思ってる。俺の船は間違いなく莫大な利益を生むので、ギルドだけに美味しい思いをさせるのではなく、街全体を活気付かせる方向で使って欲しいんだ。
ギルドに到着した。
まずパメラにギルドマスターを呼んでもらい、大量の魚を入手したので街の人達に振舞うつもりだということを告げる。
『そういうのは領主に頼んだ方が良いのではないか?』と言われたけど、もうすぐ街を出てくから領主と仲良くなる意味がないんだよね、
話合いの結果、ギルドの入り口に魚の箱を置いて、そこで色々な魚の切り身を、1人につき数種類ずつ渡してくことになった。1匹まるっと渡すよりもそっちの方が楽しめるからな。
話の最中に魚屋のおっちゃんが到着したので、醤油を大量に売ってあげた。
ぶっちゃけ醤油ならば腐るほど所持していたので、大量に売っても全然余裕だったりする。
刺身を食わせてやったら、醤油の味にどえらい感銘を受けたようで、土下座までされて物凄い迫力で作り方を懇願されたのだ。
北海道なら問題無いと判断し、極秘情報として製造方法を教えてあげたんだけど、まだ試作中だということや、とんでもなく持久戦になることを告げる。ダメだった場合はこっちを試せと、魚醤の作り方も教えといた。
いつかまた北海道に来ることがあるかもしれんので、それまでに是非とも成功させといて欲しいもんだ。虎徹さんを連れて来れば一瞬で行き来出来るようになるので、そうなったらもう北海道ですら庭みたいなものだからな。
魚の配布場所の横に露店を作り、そこを刺身の試食コーナーにすることに決定。
魚屋のおっちゃんが露店を担当し、お客さんに刺身を一切れずつ出すのだ。もちろん醤油の素晴らしさを宣伝する為でもあり、そこで醤油を販売する許可も出した。
クッソ儲かるのが確定してるんで、俺が売った方が良いのはわかってる。でも俺の所持金って正直レベルが違うのですよ。醤油の売買で稼ぐ必要がまったく無いんだ。
それに、北海道で集めた魔石を京の都あたりで売るだけで、有り得ないほどの大金が動くわけですよ。
気分はもう大航海時代だな!
ってか俺なんかよりも、虎徹さんが本気で交易をやり始めた方が一瞬で億万長者になれるか。無茶苦茶金持ってそうだけど。
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「やったーーーーーーーーー!今夜は御馳走だ!!」
「この魚って、刺身で食っても大丈夫なんだよな?」
「昨日獲れたばかりだって言ってたわよ。ねえねえ、みんな試食した?」
「さっきからすっげー気になってるけど、まずは魚を受け取らないとよ!」
「あたし試食してくる!」
「ぼくも行くー!」
魚を配布しているテーブルの方は、もうすごい行列になっている。
1人につき切り身が数点という取り決めなので、家族が多いとそれだけ多く魚が貰えるのだ。
そして魚を受け取った人達が試食コーナーへと流れて行く。
「なんだこれ!?美味いなんてそんな生易しいレベルじゃねえぞ!神の刺身だ!」
「赤いお刺身って、なんて名前なの!?こんな美味しいお魚がいたなんて!」
「この黒くてしょっぱい調味料、これが美味さの秘密だな?」
「ハイハイ!!お客さん、良い所に目を付けましたね!そう、この黒い調味料こそが美味さの秘訣なのです!!この調味料の名は『醤油』と言って、先ほど大量に仕入れることが出来ました!しかしこれは大変貴重な物で、もう一生手に入らないかもしれません」
魚屋のおっちゃんが醤油を掲げた。
「幻の調味料『醤油』!これ1本を金貨1枚で販売します!高いと思われるかもしれませんが、この先の入手手段が無いのです。ココにいる皆様に行き渡るほどの量はありますが、現物が無くなったらもう二度と手に入れることが出来ません。絶対に買っておくことをお勧めしますよ!!」
その高価な値段設定に流石の客も黙り込む。
しかしこの金額、ボッタクリ価格ってほどでもないのだ。俺だって入手手段が限られているのに安く売るわけにはいかん。おっちゃんに売った時にそれなりの値段を付けさせてもらった。
「た、高いわね・・・」
「ぐぬぬぬ、しかし二度と手に入らない調味料か」
「俺は買うぞ!!たしかに高いとは思うが、美味かったのは間違いないからな!」
「私も買っておくわ。この後、夕食のお刺身を美味しく頂きたいもの」
「そうだ、貰った魚に使えるじゃないか!そもそも、これほどの量の新鮮な魚を買おうと思ったら、余裕で金貨1枚を超えるぞ!」
「なるほど!無料ではなくなるけど、十分お買い得なのか」
「よし、買った!!」
「俺もだ!!!」
そうして、街のほとんどの住民が醤油を手にすることとなった。
この先も手にすることが出来るよう、おっちゃんの頑張りに期待してくれ!
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